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追放された貴族は《再構築》の力で世界を直す  作者: 自ら(Youtubeで朗読ver投稿中‼️)
第1章 追放の儀式

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第7話「目覚める遺跡の声」

その夜の三日後。レオンは、再び地下へ向かった。今回は、ルリアとリナが付き添った。


「坊ちゃん。本当に大丈夫ですか?」


と、リナが心配そうに言った。


「ああ。今度は、ただ話を聞きに来ただけだ」


三人は、古代装置のある空間へ到着した。装置は、静かに光っていた。


「これは……」


と、ルリアが呟いた。


「古代文明の遺跡。本当に存在していたのですね」


「ああ。そして、これは単なる遺跡ではない。ネットワークだ」


レオンは、装置の周りを見回った。


「壁に見えるこれらは、何か?」


と、リナが聞いた。


「記録」


レオンは、壁に刻まれた古い文字を見つめた。


「古代文明の記録だ。彼らが何をしたのか、何を夢見ていたのか、すべてが刻まれている」


レオンは、壁に手を置いた。すると、装置が反応した。光が、更に強くなる。やがて、映像のようなものが、空中に浮かび上がった。


古代文明。数千年前の世界。栄えた都市。高い塔。多くの人々。そして、空を飛ぶ魔法の乗り物。大地から湧き出す、無限の魔力。


「これは……何ですか?」


と、ルリアが呟いた。


「古代の世界」


と、装置の声が響いた。その声は、前よりもはっきりしていた。


「我ら古代人は、魔力を完全に支配していた。天候も、大地も、すべてが我らの手の内にあった」


映像が続く。だが、やがて、それは変わった。


暗い雲が、空を覆う。大地が、割れ始める。都市が、崩壊していく。


「何が起きたのですか?」


と、リナが聞いた。


「暴走」


装置の声が答えた。


「我らの魔力が、暴走した。制御しきれなくなったのだ。その結果、我ら古代人のほぼすべてが、滅亡した」


映像は、より激しくなった。炎。地震。魔力の暴走。人々の悲鳴。やがて、すべてが静寂に包まれた。


「我らは、その時、決断した」


装置が続ける。


「すべてを失うことになっても、この技術と力を保存する。そして、遠い未来の世代のために、『再構築者』を探し出すプログラムを設置した」


「再構築者?」


と、レオンが聞いた。


「貴方だ」


装置は、レオンを指差すように光った。


「我らは、古き血統の中に、再構築の力を眠らせておいた。それが、千年ごと、万年ごとに目覚め、世界を正すことを望んでいた」

「つまり、俺は、古代人に作られた?」

「いや」


装置の声は、静かになった。


「貴方は、自然に進化した。だが、貴方の血統に、我らの遺伝子が混ざっていた。その結果、貴方は、再構築者として目覚めたのだ」


映像は、さらに続いた。古代人たちが、世界の各地に遺跡を建設する姿。その中で、彼らが何かを保存している。

力。知識。技術。そして、最後に、一つの大きな装置が映される。


「これは?」


と、レオンが聞いた。


「世界再構築装置」


装置が答えた。


「もし、世界が完全に崩壊する時が来たなら、この装置を使い、すべてを初期化することができる。その時、貴方たちが必要になる」

「初期化?」

「そう。世界のすべての歴史と記録を、一度リセットし、新しく始めるのだ」


レオンは、その言葉に震えた。


「つまり、俺たちは、そのためだけに存在している?」

「いや」


装置の声は、異なる音色になった。


「貴方たちは、選ぶ自由がある。世界を直すか、それとも、世界を初期化するか」

「では、今、世界はどのような状態なのか?」


と、ルリアが聞いた。


「衰退」


装置が答えた。


「古代の魔力は、徐々に消えていっている。王国は、その力を失い、衰退している。大地の魔力も、日に日に失われている」


映像が、現在の王国の姿を映す。緑の減少。人口の減少。貴族社会の腐敗。


「このままいくと、何が起きる?」


と、レオンが聞いた。


「滅亡」


装置が、単語だけで答えた。


「五十年以内に、王国は完全に衰退する。そして、その後、大陸全体が荒廃する。そして、百年以内に、世界は再構築装置の起動を待つ状態になる」

「では、俺たちは何をすればいい?」


と、レオンが強く言った。


「世界を直すのだ」


装置が答えた。


「貴方の再構築の力を使い、失われた魔力を復活させる。大地を正す。人々を導く。そして、新しい秩序を作る」

「それは、可能なのか?」

「不可能ではない。だが、非常に困難だ。貴方一人では、不可能だ」

「では、何が必要か?」

「協力者」


装置が答えた。


「他の再構築者たち。古き血統を持つ者たち。彼らと共に、世界を直す必要がある」

「他の再構築者?」


と、ルリアが聞いた。


「世界のどこかに、存在している」


装置が答えた。


「我らが予定していた、再構築者たち。彼らも、もう目覚めている可能性が高い」


映像が消えた。装置は、再び静かになった。


「理解できたか?」


と、装置の声が聞いた。


「はい」


と、レオンが答えた。


「俺たちは、世界を直す。そのために、仲間を探す。そして、古代人の遺産を使い、新しい世界を作る」

「それが、貴方の選択か?」

「ああ」


レオンは、強く頷いた。


「ただし、条件がある」

「条件?」

「俺たちは、自分たちの意思で動く。古代の指示に従うのではなく。そして、世界を直す時、人々の自由を守る。支配ではなく、協力で」


装置は、静寂した。長い、静寂。やがて、装置が光った。


「了解した。貴方は、自由だ。そして、貴方の使命は、自分で選ぶことができる」

「ありがとう」


レオンは、地下から上がることにした。ルリアとリナが、後に続いた。


地上に戻ると、太陽は昇っていた。朝だ。一団は、まだ眠っていた。


レオンは、ルリアとリナを連れ、町の高いところへ向かった。そこから、周囲が見える。


緑の大地。農地。そして、远方には、王国の領土が見えた。


「ルリア」


と、レオンが言った。


「ここから、俺たちは何をする?」

「何ですか?」

「古代人は、他の再構築者を探すことを求めている。だが、それは俺たちの目的ではない」

「では、目的は?」

「ここから、国を作ることだ。小さな国。だが、本当に人々が自由に生きることができる国。そこから、世界を変えていく」


ルリアは、その言葉を聞いて、微かに微笑んだ。


「わかりました」

「そして、もし必要になれば、他の再構築者たちとも協力する。ただし、自分たちの意思で」

「ええ」


リナが頷いた。


「我らは、自分たちの道を、自分たちで作ります」


その日、レオンは一団に報告した。古代文明の存在。世界の衰退。そして、彼らの使命。


一団は、その話を聞いても、騒がなかった。というより、彼らは既に覚悟していたのだ。レオンについて行くことで、何か大きな出来事に関わるであろうということを。


「では、どうするのですか?」


と、ミーナが聞いた。


「ここから、本当の国造りを始める」


レオンが答えた。


「ここを、王国とは違う、新しい国に作り替える。そして、この国から、世界を変えていく」

「どのように変えるのですか?」

「わかりません」


レオンは、正直に答えた。


「だが、一步ずつ進みます。そして、みんなで新しい世界を作ります」


一団は、その言葉に、再び歓声を上げた。



その夜。レオンは、一人で、城の最上階に立っていた。

(正確には、修復した建造物だが、彼らはそれを「城」と呼ぶようになっていた)


星々が、空を埋めていた。彼は、古代装置から聞いた言葉を反復した。


「世界を直す」

「古き血統」

「再構築者」


すべてが、現実のように感じられた。だが、同時に、彼は理解していた。古代人の計画は、あくまで「計画」に過ぎない。現実は、彼たちの手で作られなければならない。


「坊ちゃん」


と、リナが、階段から上ってきた。


「一人ですか?」

「ああ。少し、考え事をしていた」

「何を考えているのですか?」

「俺たちが、本当に世界を直すことができるのか」


リナは、その言葉を聞いて、微かに微笑んだ。


「できます」

「何故、そう言い切る?」

「貴方が、すでにここまで来たから」


リナは、城から見える景色を指差した。


緑の大地。農地。そして、灯火に照らされた町。


「数週間前、ここは何もない荒野でした。だが、今は?」

「ああ」


レオンは、それを見つめた。


「人々が生きることができる場所になった」

「そうです。貴方は、すでに世界を直し始めています」


その言葉が、レオンの心に刺さった。


「では、進みましょう」


と、彼は呟いた。


「新しい世界を作るために」


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