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追放された貴族は《再構築》の力で世界を直す  作者: 自ら(Youtubeで朗読ver投稿中‼️)
第1章 追放の儀式

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第5話「荒野への旅立ち」

第5話「荒野への旅立ち」


一団は、五十人ほどになっていた。最初の村からの二十人に加えて、周辺の小さな集落の住民たちが加わったのだ。彼らは皆、飢饉に苦しみ、王国の保護を受けることができない者たちだった。


レオンの「大地を修復する力」の噂は、辺境に素早く広がった。


「追放された貴族が、壊れた大地を直す」


その話は、希望となって、絶望に沈んだ人々の心を動かした。今、一団は、王国の領土を完全に離れ、本格的な辺境の荒野に足を踏み入れていた。



朝。一団は、小高い丘に立ち止まっていた。その先に、何も見えない。ただ、枯れた大地が、地平線まで続いていた。


「坊ちゃん」


と、リナが言った。


「ここから先は、王国の領地ではありません。完全な魔物の領域です」

「魔物の領域」


と、ミーナが呟いた。彼女の顔には、恐怖があった。


「ここまで来ると、王国の保護もなく、何も守るものがない」


レオンは、その荒野を見つめた。その景色は、二週間前に見た、古代遺跡へ向かう途中の風景と同じだ。


だが、今は違う。今のレオンには、五十人の人々がついている。


「進もう」


と、彼は静かに言った。


「どこへ?」


と、村長が聞いた。


「わかりません。だが、この荒野の中で、新しい何かを探す」

「新しい何か、とは?」

「基地です。根拠地。俺たちが、新しい国を作るための場所を」


レオンは、先へ進むことにした。三日間、一団は歩き続けた。食料は、商人から買った干し肉と、水。だが、水も徐々に減っていた。


「あと、二日で水がなくなります」


と、リナが報告した。


「では、今日中に水場を見つけねば」


レオンは、周囲を見回った。だが、荒野には何もない。ただ、枯れた地面と、時折見える黒い岩だけだ。


その時、空が暗くなった。


「嵐だ」


と、村長が叫んだ。確かに、空に黒い雲が立ち込めていた。


砂嵐だ。辺境では、突然現れる危険な現象だ。


「急いで、何か避難できる場所を探せ」


レオンが命じた。だが、周囲には何もない。やがて、砂嵐が一団を飲み込んだ。


視界が消える。砂が、顔を切り刻む。


「坊ちゃん!」


ミーナが、レオンにしがみついた。


「離すな。みんなで繋がれ」


一団は、互いに手を握り、砂嵐の中をゆっくり進んだ。数時間が、永遠に感じられた。

やがて、砂嵐は止まった。だが、一団の状況は悪くなっていた。


三人が、疲労で倒れていた。水も、砂に埋もれて、失われていた。


「これは……」


と、村長が言った。


「ここで、終わるのか……」


その時だ。地面が、何かに反応した。レオンは、それに気付いた。


「待て」


彼は、地面に手を置いた。古代遺跡で学んだ感覚が、再び発動した。


地面の「構造」が、レオンに語ってくる。ここは、かつて水が流れていた場所。川だ。


だが、今は枯れている。その川の「構造」を理解すれば——


レオンは、手を動かした。地面が、ゆっくりと割れ始めた。やがて、地下から、水が湧き出てきた。


「水だ!」


と、ミーナが叫んだ。一団は、貪るようにそれを飲んだ。その夜、一団は、その川沿いで野営することにした。


火を焚き、食事をした。


「坊ちゃん」


と、ルリアが言った。


「あなたの力は、本当に素晴らしい。世界を理解し、それを直すことができるなんて」

「素晴らしい?」


レオンは、冷たく答えた。


「これは、才能ではなく、必要性だ。俺たちが生き残るため。その為だけに、俺は使う」


ルリアは、その言葉に眉をひそめた。


「何か、違うことでも?」

「いいえ。ただ……」


ルリアは、火を見つめた。


「あなたは、変わりました。あなたが最初に村に来た時は、自分の力を試そうとしていた。だが、今は?」

「今は、人々を導いている」

「そう。でも、それは……」


ルリアは、言葉を選ぶように続けた。

「何か違う気がするのです。何か、大きな使命に駆られているような」


レオンは、答えず、ただ火を見つめていた。


確かに、彼は変わっていた。古代遺跡で聞いた、あの声。


「再構築者よ。世界を直すことができる者だ」


その言葉は、彼の中で、常に鳴り響いていた。



十日後。一団は、遂に目的地を見つけた。


高い崖。その崖の下には、古い建造物の跡があった。


「これは……」


と、レオンが呟いた。


「古代の遺跡ですか?」


と、リナが聞いた。


「いや。もっと新しい。二百年か三百年前の建造物のようだ」


レオンは、崖を降りた。古い石造りの建物。壁は、一部崩壊している。屋根も、ほぼない。だが、構造はしっかりしていた。


「この場所だ」


と、レオンが言った。


「ここが、俺たちの基地になる」

「本当ですか?」


と、ミーナが聞いた。


「ああ。この場所を修復すれば、五十人程度なら住める」


レオンは、建物の壁に手を置いた。そして、再構築を発動した。三日間、レオンは、この建造物を修復し続けた。壊れた壁は、再び立ち上がった。屋根も、復活した。窓も、扉も。やがて、古い建造物は、住める家へと生まれ変わった。一団は、その建造物の中に、新しい生活を始めた。



その夜。


レオンは、建造物の屋上に立っていた。周囲には、何もない。ただ、荒野が広がっているだけだ。


「坊ちゃん」


と、リナが上ってきた。


「休まなくていいのですか?」

「ああ。少し考え事があって」


レオンは、空を見つめた。


「ここから、どうするのか」

「どうするとは?」

「俺たちは、五十人だ。だが、この世界を変えるには、少なすぎる」

「では、もっと人を集めるのですか?」

「いや。人よりも先に、することがある」


レオンは、建造物の下を指差した。


「この場所を、町に作り替える。そして、ここを王国の外の、自由な国にする」

「それは、王国への反逆では?」

「そうだ。だが、俺たちは、もう王国の人間ではない」


レオンは、静かに言った。


「ならば、王国に束縛される必要もない。俺たちは、新しい何かを作る」


リナは、その言葉を聞いて、微かに微笑んだ。


「わかりました。では、私たちも、その為に動きます」

「ああ。みんなで、新しい国を作ろう」


翌朝。レオンは、一団を集めた。


「これからここで、俺たちは新しい生活を始める」


と、彼は宣言した。


「誰もが、王国に支配されず、自分たちの力で生きる。それが、俺たちの国だ」


一団は、歓声を上げた。ミーナは、涙を流していた。


「坊ちゃん。ありがとうございます」

「ミーナ。ここは、君たちのための国でもある。だから、感謝するのは俺だ」


レオンは、一団を見渡した。五十人の人々。彼らは皆、絶望から救われた者たちだ。そして、今、彼らは新しい希望を見ている。


「では、始めよう」


レオンが言った。


「新しい国造りを」


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