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追放された貴族は《再構築》の力で世界を直す  作者: 自ら(Youtubeで朗読ver投稿中‼️)
第3章 開拓と仲間たち

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第17話「初依頼、採掘坑の崩落」

第17話「初依頼、採掘坑の崩落」

アイリスに案内された部屋は、ギルドの作戦室だった。大きなテーブルがあり、壁には地図が掛けられている。


「座ってください」


アイリスが椅子を勧めた。レオン、ルリア、リナが席についた。アイリスは、テーブルの上に一枚の書類を置いた。


「今朝、緊急の依頼が入りました」


アイリスは、書類を指差した。


「ファルマの北、十キロほどの場所にある鉱山で、崩落事故が発生しました。


作業員十二名が、坑道内に閉じ込められています」レオンは、書類を手に取った。詳しい状況が記されている。


「崩落の規模は?」

「かなり深刻です。主要な坑道が三箇所、完全に塞がれています」


アイリスは、地図を広げた。鉱山の構造図だ。


「ここ、ここ、そしてここが崩落箇所です」


アイリスが、三箇所を指差した。


「通常の手段では、掘り出すのに数日かかります。だが、その間に作業員が……」

「わかりました」


レオンは、立ち上がった。


「すぐに向かいます」

「本当ですか?」


アイリスは、少し驚いた表情を見せた。


「あなたの再構築の力で、坑道を修復できると?」

「試してみなければわかりませんが、可能だと思います」


レオンは、決然と答えた。


「では、案内をつけます」


アイリスは、扉を開けて、外に声をかけた。


「マルク!」


一人の男が入ってきた。三十代くらいの、屈強な体格の冒険者だ。


「呼んだか、マスター」

「この方たちを、鉱山へ案内してください」

「了解」


マルクは、レオンたちを見た。


「俺はマルク。ギルドのB級冒険者だ」

「レオンです。よろしく」

「よろしく。こっちだ、すぐに出発する」


ギルドの外には、馬が四頭用意されていた。レオン、ルリア、リナ、そしてマルクが、それぞれ馬に乗った。


「鉱山まで、全速力で行く。ついてこれるか?」


マルクが聞いた。


「問題ない」


レオンは頷いた。四人は、ファルマの北門を抜けて、街道を駆けた。馬の速度は速い。風が顔を打つ。


約一時間後、鉱山が見えてきた。石造りの建物と、坑道の入口。その周辺には、多くの人々が集まっている。作業員の家族たちだろう。不安そうな顔をしている。


馬を降りると、すぐに鉱山の責任者が駆け寄ってきた。


「ギルドの方ですか?」

「ああ。俺たちが救出に来た」


マルクが答えた。


「こちらは?」


責任者が、レオンを見た。

「俺はレオン。再構築の力で、坑道を修復する」

「再構築?」


責任者は、首を傾げた。


「そんな力で、本当に……」

「とにかく、中を見せてくれ」


レオンは、坑道の入口へ向かった。坑道の中は、暗かった。松明を持って、一行は奥へ進んだ。責任者が、先頭を歩いている。


「ここです」


責任者が、立ち止まった。前方には、崩落した岩と土が、坑道を完全に塞いでいる。


「この奥に、作業員が閉じ込められています」

「どのくらいの距離だ?」


レオンが聞いた。


「約五十メートルです。だが、この崩落を掘るのは……」

「大丈夫だ」


レオンは、崩落箇所に近づいた。手を、岩に触れる。古代遺跡で学んだ感覚を、呼び起こす。


岩の構造。土の流れ。すべてが、脳内に流れ込んでくる。


「これなら、できる」


レオンは、両手を岩に当てた。再構築の力を発動する。青白い光が、レオンの手から放たれた。


光は、岩に染み込んでいく。岩が、ゆっくりと動き始めた。崩落していた岩が、元の位置へ戻っていく。土が、固まっていく。やがて、坑道が開通した。


「信じられない……」


責任者が、呟いた。


「本当に、直った」

「急ごう。他にも崩落箇所がある」


レオンは、坑道の奥へ進んだ。二箇所目の崩落箇所も、同じように修復した。だが、三箇所目は、規模が違った。坑道全体が、大きく崩れている。


「これは……」


マルクが、眉をひそめた。


「かなり深刻だな」

「ああ」


レオンは、崩落箇所を見つめた。ただ岩を動かすだけでは、修復できない。坑道の構造そのものが、歪んでいる。


「時間がかかるぞ」


レオンは、地面に手を置いた。坑道全体の構造を、読み取る。どこが弱くなっているのか。どこを補強すれば、安定するのか。すべてを理解する。


「わかった」


レオンは、再び崩落箇所に手を当てた。今度は、より強い力を込める。青白い光が、より明るく輝いた。岩が、大きく動く。土が、固まる。そして、坑道の天井が、補強される。




数分が経った。レオンの額には、汗が浮かんでいる。やがて、光が消えた。坑道は、完全に修復されていた。


「すごい……」


責任者が、感嘆の声を上げた。


「こんなこと、見たことがない」

「作業員は、どこだ?」


レオンが聞いた。


「この先です。すぐに確認します」


責任者が、奥へ走った。しばらくして、声が聞こえた。


「いた!みんな無事だ!」


歓声が、坑道に響いた。作業員たちは、全員無事だった。怪我をしている者もいたが、命に別状はない。




坑道の外に出ると、家族たちが泣きながら抱きついた。


「ありがとう、ありがとう!」

「本当に、ありがとうございます!」


感謝の言葉が、レオンに向けられた。レオンは、ただ頷いた。マルクが、レオンの肩を叩いた。


「やるじゃないか。あんたの力、本物だな」

「これが、俺の仕事だ」


レオンは、坑道を見つめた。責任者が、レオンに近づいてきた。


「本当に、感謝します。これは、報酬です」


責任者が、袋を差し出した。中には、金貨が入っている。

「これは……」

「鉱山からの謝礼です。どうか、受け取ってください」


レオンは、袋を受け取った。


「ありがとうございます」




ファルマに戻ったのは、夕方だった。ギルドに到着すると、アイリスが待っていた。


「聞きました。見事な働きだったそうですね」

「運が良かっただけです」


レオンは、謙遜した。


「いいえ」


アイリスは、首を振った。


「あなたの力は、本物です。マルクからも報告を受けました」


アイリスは、一枚の証明書を取り出した。


「これが、冒険者登録証です」


レオンは、証明書を受け取った。そこには、自分の名前と、ランクが記されている。

ランク:C級


「C級?」


レオンは、驚いた。通常、新人はF級から始まる。


「あなたの働きは、C級に相応しいと判断しました」


アイリスは、微笑んだ。


「それに、あなたの噂は既に広まっています。辺境に町を作った貴族、と」

「噂か……」


レオンは、複雑な表情をした。


「気にすることはありません」


アイリスは、言った。


「ここでは、身分は関係ない。実力がすべてです」

「わかりました」


レオンは、登録証をしまった。


「これから、よろしくお願いします」

「こちらこそ」


アイリスは、手を差し出した。レオンは、その手を握った。ギルドを出ると、ルリアとリナが待っていた。


「お疲れ様です、レオン」


ルリアが言った。


「ありがとう」

「では、宿に戻りましょう」


リナが提案した。


「そうだな」


三人は、宿へ向かって歩き始めた。街は、夕日に照らされて、オレンジ色に染まっている。


「レオン」


ルリアが、声をかけた。


「何だ?」

「あなたの力、本当に素晴らしいです」


ルリアは、レオンを見つめた。


「あなたなら、きっと世界を救えます」

「世界を救う……」


レオンは、空を見上げた。


「まだ、遠い道のりだ」

「でも、一歩ずつ進んでいます」


ルリアは、微笑んだ。


「私も、一緒に進みます」

「ありがとう、ルリア」


三人は、宿へ戻った。部屋に入ると、レオンは窓から街を見下ろした。


ファルマの街。多くの人々が、ここで生きている。そして、その人々の中に、協力者がいるかもしれない。


「明日から、また動こう」


レオンは、そう決意した。この街で、何を見つけるのか。誰と出会うのか。それは、まわからない。だが、確実に、前に進んでいる。


レオンは、ベッドに横になった。疲れていたが、心は満たされていた。


今日、人を救った。それが、自分の力の意味なのだ。窓の外では、星が輝き始めていた。


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