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追放された貴族は《再構築》の力で世界を直す  作者: 自ら(Youtubeで朗読ver投稿中‼️)
第2章 荒野の再生者

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第13話「畑と水路の建設」

赤根草の収穫から一週間が経ち、町には新しい活気が生まれていた。


レオンは、町の中央広場で、村人たちを集めていた。ミーナもその場にいる。


「皆、集まってくれてありがとう」


レオンは、広場の中央に立って言った。


「ミーナたちの努力で、耐性植物の栽培に成功した。土壌の浄化も順調に進んでいる。だが、これで満足してはいけない」


村人たちは、静かにレオンの言葉を聞いている。


「この町を、さらに発展させる。そのために、新しい畑と、水路を建設する」


レオンは、地図を広げた。


「現在の畑は、町の周辺にある。だが、これでは足りない。町の人口は増え続けている。もっと広い農地が必要だ」


地図には、町の北側に広がる荒野が示されている。


「ここに、新しい畑を作る。そして、西の川から水を引く水路を建設する」


村人たちは、ざわめいた。


「しかし、あそこは荒野です」


と、一人の農夫が言った。


「石だらけで、とても畑には向かない」

「その通りだ」


レオンは頷いた。


「だが、俺の力で、大地を再構築する。石を取り除き、土を整え、農地に変える」

「本当に、そんなことが?」

「できる」


レオンは、断言した。


「だが、俺一人では時間がかかる。だから、皆の力を貸してほしい」




翌日、工事が始まった。レオンは、北の荒野に立ち、地面に手を置いた。青白い光が放たれる。地面が、ゆっくりと変化していく。大きな石が地表に押し上げられ、土が柔らかくなる。


村人たちは、その光景に息を呑んだ。


「すごい……」

「まるで、魔法だ」


レオンが再構築した場所では、石が綺麗に集められ、土が耕された状態になっている。


「さあ、石を運び出してくれ」


レオンが言うと、村人たちは一斉に動き出した。石を拾い、運び、積み上げる。ミーナとエマも、その作業に加わった。


「重い……」


エマが、大きな石を抱えて呻いた。


「無理しないで。小さいのから運びましょう」


ミーナは、エマに声をかけた。二人は、手頃な大きさの石を選んで運んだ。



作業は、日が暮れるまで続いた。




三日後、北の荒野の一部が、農地に変わっていた。石はすべて運び出され、土は平らに整えられている。


「ここに、耐性植物を植えよう」


ミーナは、村人たちに種を配った。赤根草、苦麦、耐魔芋。三種類の種が、袋に詰められている。


「まず、土を掘ります」


ミーナは、実演しながら説明した。


「深さは、これくらい。次に、種を置いて、土をかぶせます」


村人たちは、ミーナの手本を見ながら、同じように作業を始めた。エマは、その様子を見回りながら、手伝いが必要な人に声をかけていた。


「そこ、もう少し深く掘った方がいいですよ」

「はい、ありがとう」

「種は、三つくらいまとめて植えるといいです」

「わかりました」


エマは、すっかりミーナの助手として板についていた。ミーナは、その様子を見て、微笑んだ。


「エマさん、成長したわね」

「ミーナさんのおかげです」


エマは、照れくさそうに笑った。




同じ頃、レオンは西の川で、別の作業をしていた。リナとルリアが、一緒にいる。


「ここから、町まで水路を引く」


レオンは、川岸に立って言った。


「距離は、約三キロメートル。水路を掘り、石で護岸を作る」

「三キロメートル……」


ルリアが呟いた。


「それは、かなりの工事ですね」

「ああ。だが、必要なことだ」


レオンは、地面に手を置いた。


「まず、水路のルートを整える」


再構築の力が発動する。


地面が、一直線に凹んでいく。まるで、見えない刃が地面を切り裂いているように。


「すごい……」


リナが、感嘆の声を上げた。


「これなら、数日で水路が完成しますね」

「いや、これだけでは足りない」


レオンは、立ち上がった。


「水路を掘っただけでは、水が漏れる。護岸を作らなければならない」


レオンは、川岸の石を指差した。


「この石を使う。ルリア、石を運ぶのを手伝ってくれるか?」

「わかりました」


ルリアは、石に近づいた。


彼女の手から、小さな炎が放たれる。炎は石を包み込み、熱で石の表面を滑らかにした。


「これで、運びやすくなります」

「ありがとう」


レオンとルリアは、石を水路まで運んだ。リナも手伝い、三人で石を積み上げていく。作業は、黙々と続いた。




一週間後、水路が完成した。西の川から、町まで続く真っ直ぐな水路。護岸は石で綺麗に整えられ、水が勢いよく流れている。


「完成だ」


レオンは、水路を見下ろしながら言った。


「これで、新しい畑にも水を供給できる」


村人たちは、水路の完成を祝って、歓声を上げた。子どもたちが、水路の脇を走り回っている。


「水だ!水が来た!」

「これで、もっと作物が育つ!」


ミーナも、その場にいた。彼女は、水路を流れる水を見つめて、感慨深げに呟いた。


「半年前、ここは何もない荒野だった」

「そうだな」


レオンが、ミーナの隣に立った。


「だが、今は違う。畑があり、水路があり、人々が生きている」

「坊ちゃんのおかげです」

「いや、みんなのおかげだ」


レオンは、村人たちを見渡した。



「俺一人では、何もできなかった。君たちがいたから、この町は作れた」


ミーナは、その言葉に胸が熱くなった。


「坊ちゃん……」

「ミーナ」


レオンは、ミーナを見つめた。


「君の農業管理のおかげで、この町は食料を確保できている。これからも、頼むぞ」

「はい」


ミーナは、力強く頷いた。




その夜、町では祝宴が開かれた。水路の完成を祝い、新しい畑の開拓を祝う。広場には、焚き火が焚かれ、料理が並べられた。


赤根草のスープ、苦麦のパン、そして川で獲れた魚。村人たちは、笑顔で食事を楽しんでいた。


ミーナとエマは、料理を配りながら、村人たちと話していた。


「ミーナさん、このスープ美味しいです」

「ありがとう。赤根草を使ったの」

「赤根草って、最初は変な味だと思ったけど、慣れると美味しいですね」


村人たちの会話が、あちこちで弾んでいる


レオンは、広場の端で、その様子を静かに見守っていた。ルリアが、隣に座った。


「楽しそうですね」

「ああ」


レオンは、微笑んだ。


「みんな、笑顔だ」

「あなたのおかげです」

「いや、みんなの力だ」


レオンは、空を見上げた。星が、無数に輝いている。


「ルリア」

「はい?」

「俺たちは、正しいことをしているのだろうか」


ルリアは、少し驚いた表情でレオンを見た。


「どういう意味ですか?」

「この町を作ること。人々を集めること。それは、本当に正しいのだろうか」


レオンの声には、わずかな不安が滲んでいた。


「レオン」


ルリアは、レオンの手を取った。


「見てください。あの人たちの笑顔を」


ルリアは、村人たちを指差した。


「あの人たちは、かつて絶望していました。飢えと、貧困と、孤独に苦しんでいましただが、今は違う。ここには、希望があります」

「希望……」

「そうです。あなたが作った希望です」


ルリアは、レオンを見つめた。


「だから、自信を持ってください。あなたは、正しいことをしています」


レオンは、しばらく黙っていた。やがて、小さく頷いた。


「ありがとう、ルリア」

「いつでも、あなたの味方です」


二人は、再び村人たちの方を見た。焚き火の光に照らされた笑顔。子どもたちの笑い声。それが、答えだった。



祝宴が終わり、村人たちが家に帰った後、ミーナは一人で新しい畑を見に行った。月明かりの中、畑は静かに佇んでいる。植えたばかりの種は、まだ芽を出していない。


だが、ミーナには見えた。数週間後、ここに緑の芽が出る。数ヶ月後、作物が実る。そして、この畑が、町を支える。


「私たちは、ここで生きていく」


ミーナは、そう呟いた。風が吹いて、髪を揺らした。遠くで、川の水が流れる音が聞こえる。新しく作られた水路を、水が流れている音だ。


「ありがとう、坊ちゃん」


ミーナは、空を見上げた。星が、静かに輝いている。明日も、畑仕事が続く。だが、ミーナは疲れを感じなかった。なぜなら、この仕事が、この町を守ることに繋がっているから。


ミーナは、畑を後にして、町へ戻った。その背中に、月の光が優しく降り注いでいた。


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