表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/70

EP47 令嬢の牙 後編

描写が足りているか自信がありません。感想などでこれでいいよ!足りない!など教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。


「グガァー!」


 相手を怯ませるレベルで、レオリオスは大きな咆哮を上げる。装甲の一部が排熱のために展開し、武装となる片腕につき3本ずつのカギ爪を伸ばします。そしてレオリオスは、その名の通り獅子のように四足歩行に見えるほどの前傾姿勢をとるのです。


「フゥー!フゥー!」


頭部のパーツも展開し、熱い吐息のように排熱ための蒸気が漏れています。

 ビーストモード、特殊な化学物質と魔力、電気信号を用いて、デマンドサーキットに働きかけ、野性に帰ったような闘争本能に満ちた状態を作り出し、一時的ではあるが勇者ロイドの戦闘力を限界以上に引き上げるシステムです。

 副作用として、あふれる闘争本能が魔法少女側にも作用して、感情を高ぶらせ魔力の出力を増強させる。しかし代償として、魔法少女の生物的なリミッターも外れてしまい、身体に負荷をかけてしまう。さらに理性まで削れていくときました。

 レオリオスはともかく私は理性という手綱を手放してはいけない。怒りは抑えず、しかしそれを向ける方向を間違えないように……。

 幸いにも、相手は前の個体と同じように人間を取り込むタイプではないようなので遠慮はいりません。


「レオリオス!ゴー!」


私はサーカスの猛獣使いが如く、レオリオスに指示を出します。


「ガァ―!」


私の勇者は雄叫びを上げて、敵に向かって駆けていきます。重しを捨てるように肩とふくらはぎのユニットをパージしていきました。そのパーツとは拡散放射型の魔力砲だ。ビーストモードのレオリオスにはこれを扱えるような、理性は無くなってしまう。

 私がこれを使って援護しなければ。私は落ちたユニットを拾い、魔法少女のドレスの手首に備えられたコネクターに魔力砲を接続し、魔力を流します。


「さぁ、行きますわよ!」


参戦せんと目線を前に向けた時にはすでに激しい戦闘が始まっていました。


“ガギンッ!ガシュッ!”


勇者ロイドと鋼魔獣互いの金属質な身体が、ぶつかり合い甲高い音が周囲に響く。


「ガァッ!」


「ギギギィッ!」


搾り出すような両者のうめき声が聞こえる。レオリオスかつて後れを取った、デストローカストから敵が受け継いだであろう、縦横無尽の動きを更に上回ろうと、地面を鋭くけり込んで、敵と激突します。

 渦を巻くように絡み合う両者、第三者が干渉する隙は無いように見えます。しかし私とレオリオスは魔法少女と勇者、一心同体の存在です。理性が薄い状態でも一人の戦士のようにふるまって見せましょう。


「はぁ!」


“パビュン”


私が前に飛び出すように進みながら、魔力砲のトリガーを引くとクラッカーのように細い何本もの光線が放射状そして放物線を描いて飛んでいきます。網のように巻かれた光線は、敵の動きを阻害しながら、背後に回り込んで曲がり、背中に刺さる。


「ガギギッ!」


ジュボっと肉の焼ける音がして。鋼魔獣が叫び声を上げます。


「ア゛アアアーーー!!」


普段の落ち着いた雰囲気は微塵もない、おぞましさすら感じる方向と共に、レオリオスはカギ爪ごとねじ込むように、拳を敵の胴体に撃ち込みました。


「ゴギャッ!」


「オ゛ォォォーーー!!!」


後方へ吹き飛ぶ敵。しかし、レオリオスの猛攻は終わりはしません。吹き飛んでいく鋼魔獣を追い抜く勢いで駆け抜けて、その頭を鷲づかみにするのです。


“ギャリギャリギャリギャリ!”


背筋が震えるような不快な音を立てて、レオリオスは掴んだものを足元のアスファルトに押し付けて前進し続けます。


「ギ、ビャァ…イ…!!」


もはやそれが、肉がつぶれる音なのか悲痛なうめき声なのか分からないような音を上げて、敵は磨り潰されていきます。普段の私なら嫌悪感すら抱く光景でしょう。しかし胸に湧くのはむしろこんなことを優しいレオリオスにさせてしまっていることへの申し訳なさです。その冷たい感情が、私の脳を冷やしている。早くこんなことを終わらせなくては。そんな想いと共に両手の魔力砲を構え、連射します。

 レオリオスの後方にある胴体へ、何本もの魔力光線が風穴を開けてやるのです。


「ギガァ!」


 しかし、そのままやられてくれるほど、相手も甘くはないようですね。


“ジジジジジッ!”


敵は分裂し、イナゴの群れに変わっていきます。以前よりも一つ一つの個体が大きい気がする。それに身体の先端部に小さい丸ノコが形成されているようです。


「きましたわね!厄介な能力ですが、私どもも成長しておりますの!」


 私は魔力砲の片方を投げ捨て、右手にレイピアを出現させます。


“シュー!”


私はレイピアを自らの手のひらに刺し、その血を刀身に滴らせます。


「はーあっ!」


私は魔力を流し、血と合わせて毒の血煙を発生させ、刃を振るうことでそれを周囲に広げます。


“ジジジ……ジギギギ……”


羽音が乱れ、飛んでいるイナゴが地面に落ちていきます。


「ギギギ……!」


堪らずまだ毒を食らっていない個体たちがこの場から逃れようと飛んでいきます。


「一匹も逃してはなりません!」


「ギガァーーー!!!」


 私の指示から間髪入れず、レオリオスは動き出します。回り込むように飛び出し、斬撃の壁を作ってイナゴの一匹一匹をしらみつぶしに切り潰すのです。いつもの彼なら手数が足りず、逃げる個体が出てくるでしょう。しかし、今のレオリオスは道理にすら食らいつく獣、セオリーを彼方に抜き去って、すべての個体をそのスピードと魔力によって伸長されたカギ爪の攻撃範囲で虫一匹通さない包囲網を構築して見せました。


「ギガガッ!!」


 分裂した形態では不利と悟ったのか敵はまた一体にまとまり、破れかぶれ気味に体を回転させ竜巻を纏いながら私に突撃します。


「…………」


慌てる必要はありません。私の勇者が先回りして相手の進路に立ちふさがります。


「■■■■■!!!」


形容できないような爆音がレオリオスの頭部から発される。その音波は物理的衝撃を放って、敵の竜巻を吹き飛ばし、その動きを一瞬完全に止めます。


今……!


私は、大地を蹴ってレオリオスを抜き去りあらかじめ魔力を纏わせていたレイピアを、敵の胸に突き立てます。

 分裂する暇すら与えず、毒の魔力が相手の全身にいきわたるのを感じます。勝負ありました。

 鋼魔獣は、核を残し塵になって風に飛んでいきます。


「グゥ……」


うめき声が聞こえて、後ろを振り向くといまだ収まらない戦闘衝動をどうすればいいのか分からず苦しんでいる様子の私の勇者が震えていました。


「ありがとう。レオリオス……苦しかったでしょう。戦いはいったん終わりです」


リミッター解除であるビーストモードは、勇者ロイドの各機能に多大な負荷をかける。私もリンクを通してその一部を共有していましたが、本人の苦痛は想像を絶するものだったでしょう。

 私は彼に歩み寄り、いまだ前傾姿勢で低い位置にあった頭を胸に抱きよせ、撫でました。装甲は火傷するほど熱を持っていましたが構いません。


「グゥ……」


しばらくすると展開していた、装甲が閉じていき、いつもの彼が戻ってきます。


次回はフォルテペアの活躍回となりますご期待ください。


評価・感想が作者の1番の燃料です!あたたかい感想をお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ