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EP45 前夜

設定のネタバラシはこれでよかったのか少し不安です。

番外編の投稿位置を間違ったので再投稿です。

Side:アーシュ


「なんだ?俺らに用なんて珍しいじゃん?」


 近寄ってくる二人を見て真央は首を傾げる。

 俺たちはチームだが確かにペア同士の交流は少ないとは感じている。珍しいことではあるが何か警戒するような相手でもない。


「あ~、今お邪魔だった?」


「んなあっ!?何言ってんだ。何もねえよ、今ちょうど話が終わったとこだ。用があるなら早く言えよ」


こちらを気遣う碧乃の言葉になぜか真央は慌てふためいていた。


「……?そう?なら遠慮なく……あのね、今インテグレーション・ボディの銃型武装の調整やってるんだけど。ノクスは機械じゃないから照準補正システムとのリンクが上手くいってなくって……難しいかもしれないけど、アーシュ君にシステムリンクの感覚を教えて欲しくて」


「……こう、コツみたいなのが分かればいいんだが……」


碧乃とそのパートナーが用件を伝えてくる。なるほどそれで射撃に特化している俺のところに聞きに来たわけか。


「リンクにコツ?機械の処理にコツなんてないだろ……」


何言ってんだとでもいうように真央はあきれ顔を見せていた。


「やっぱり……?」


碧乃にとってもダメ元な話だったようだ。


「ああ、システムとのリンクはできるからできるって感じで、特に意識していることはない」


感覚ではない。人間が鼓動をするのと同じようなものだ。魔法と機械、次元の違う二つを繋げるのは難しいことだろう。もっとも、その二つが融合できたからこそ俺たち勇者ロイドが生まれたのだろうが。


「う~ん、じゃあどうしよう?せっかくでっかい銃があるし活かしたいんだけど……」


碧乃は悩ましそうな様子だ。20m級の銃器とは俺も興味がある……予定通りに真央のために調整されていたら俺が使うことになったのだろうか?……いやよそう、こんなの新しいおもちゃを羨ましがる子供のようじゃないか。

 それに、真央のことを考えてもインテグレーション・ボディですんなり銃が使えるわけではなさそうだしな。後々開発されるだろう、3号機以降を素直に待とうと自分の中で決める。


「気合で当てるしかないんじゃないのか?」


「そんな乱暴な……」


面倒そうに頭を掻きながら真央は提案してくる。


「いや、それが正解かもしれない」


「え?」


「マジでっ!?」


碧乃だけじゃなくて言ったお前まで驚くのかよ。ホントに適当言ったんだな……。


「詳しく聞かせてくれ」


当事者であるノクスが少し前に出て俺に続きを促してくる。


「ああ、実を言うと俺も、拳銃やガドリングを使う時は、照準補正システムを使っていないんだ」


「そうなのか!?」


そう言えば話したことなかったなと、真央のリアクションを見て気づいた。


「ああ……確かにカメラと連携した補正システムは精密な狙いを付けさせてくれるが、一瞬の動きが重要な戦いの中では、機械的処理では間に合わないこともある。だから俺はさっき言ったような速射性が重要な銃を使う時には、機械的処理を切ってどちらかというと人間的な思考と動きで狙いを付ける」


「それって私たち人間がするのと同じ、マニュアルで狙いをつけるってこと?」


碧乃は理解してくれたようだ。


「そう、機械的な処理は正確性があるが、複雑な状況での人間の情報処理は機械よりも早く80点……戦闘に十分な精度に到達できる状況がある。どうしても補正が使えないようなら、試してみろ」


その速さは正確性よりも利益をもたらすことがあるのだ。


「等身大で銃を使う時と同じようにしろってことか」


ノクスが俺の説明をまとめてくれる。


「そういうことだ……あくまで手段の一つだがな……」


「分かった。やってみよう、ノクス!……アーシュくんも鳳条さんもありがとう!」


「俺は何もしてねえよ」


「あ、でも俺が言ったこと、銃にしか使えんぞ。さすがにミサイルランチャーとか使う時はロック必須だからな!」


現在改修中のインテグレーション・ボディには火力増強のために、追加装甲とミサイルランチャーが搭載されるという話だった。


「あーそっか……さすがにそっちはリンクがいるよね……」


「ミサイルって、デヴァリオンがよく使うやつか?」


まだ問題は残っているらしい。俺もミサイルはあまり使わないのでアドバイスできることはないな。


「そう、誘導とマルチロックがキモの火器だ……そっちは今名前が挙がったデヴァリオンに相談したらどうだ?イメージだが俺よりもシステムまわりに詳しそうだし」


「そうする、探してくる!ありがとうね!」


「おう、頑張れよ!」


次にやることを決めたのか、碧乃は手を上げて向こうへ走っていく。ノクスの方は一瞬こちらを向きお辞儀した。


「なんか、仲間っぽい交流だったな」


2人が去ったあと真央が話しかけてくる。


「そうかもな……」


「お前って優しいんだな」


「ぶっふぅ!」


真央の唐突な一言に俺は噴き出してしまう。


「な、なんだよ急に……!」


「お、照れた?照れたんだ~可愛い~」


真央はくすくすと笑いながら、バシバシと肩を叩いてくる。マジで痛いぞ、人間なら肩が抜けているレベルだ。


全くうざくてにぎやかな奴だ。


 ※


Side:???


 私は遥か地下に設けられた空間にいる。黒いドレスを着た私は闇に溶け込んでいて、尋常な生物ならこの暗闇で私を見つけることはできないだろう。私はこの世界に救いをもたらすためにこの世界に送り込まれた尖兵。偉大な鋼魔の意志に全ての生命を統一する使命を帯びるもの。

 地下空間の壁は液体金属のようで蠢いている。この空間は楔として送り込まれた鋼魔獣たちが集めたリソースをストックした空間である。あの忌々しい檻はいまだに我々を闇の中に縛り付けている。

  最初は時空のほころびから、鋼魔獣の種をまく干渉しかできない。しかもその獣たちは戦略的な行動がとれるわけでもなく、ここ数年で蓄積できたリソースは少ない。

 ようやく私という司令塔をこちらに送り込むことが出来た我々だが、急がなければいけない。こちらの人間たちは準備をしていた。魔法少女を選出し、勇者を製造する。リソースの蓄積が少ないのもそのせいだろう。

 このままでは本隊が来たとしても制圧が難しくなる。あの巨人、あれが量産されれば強大な敵になるその前に叩かなくては、目標はあの巨人や勇者を造った科学者のいる魔法少女の組織OIDO日本支部。

 そこにやつも、マーシーの継承者もいる。そしてその傍らには影のような勇者。

 

 「忌々しい。なぜお前なんだ……」

 

 我々を闇に縛り続ける重力使い。死してなお我々の、私の前に立ちふさがるのか。めぐる星のように魔法少女の魔法はその思いと共に受け継がれる。そう言われてはいたが、こうもはっきりと顕れるものか。

 あの目きっと、彼女と同じように、愚かなくせにあきらめが悪いことを感じさせる。馬鹿なくせに人の痛みには敏感で、出来もしないのに世話を焼く。その光に当てられれば、二度と忘れられなくなる。もう3000年経っているはずなのに、脳裏に焼き付いたあの女の笑顔がまったく色あせてくれない。


―私、あなたと友達になれてよかった―


 私は歯を食いしばって、胸に登ってくる捨てたはずの人間性を自分の中から追い出そうとする。苦しい、憎い。こんな感情というものが嫌で、人間を止めたのに……今もその名残に苦しめられている。


「だがそれも今日までだ」


次の戦いで、脅威となる全てを消し去って、もうこんな苦しみが起きないように、すべてを一つに。


 私は5つのコアを見つめながら戦いの準備が整うのを待った。


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