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白金(しろがね)の魔術師 もふもふ神獣との異世界旅  作者: そぼろごはん
第七章 王都へ 出発編
426/533

426 鉱石をゲットしよう!

「浅い層で、鉱石が掘れるし、宝箱も出る。運が良ければ、だがな。」

とゲイツさん。

「鉱石って、ダンジョンなのに、壁を掘れるんですか?」

「ああ。遺跡はそういうところも多いらしいぜ。鉱石もお宝扱いなんだろうな。」

なるほど。そういう仕様なんだ。

「で、どんな鉱石が採れるんです?」

「いろいろだぜ。鉄だったり銅だったり。時にはサファイヤや、ダイヤモンドなんかを含んだ鉱石、ミスリルやアダマンタイトも出るらしい。」

「すごいですね!」

「出ればな。」

ということで、やってきました、鉱石ゲット区域。


ツルハシは、遺跡入り口でレンタルしていたが、僕は自前のものがあるので。

「!サキくんのツルハシ、もしかして、アダマンタイト!?」

とセイさんにチェックされた。

さすが元騎士。武器の材料には敏感だったようだ。

「いえ、鉄との混合ですよ。」

「すげえな!」

とゲイツさん。


「まさかそれもお手製とか言うなよ?」

「…お手製ですけど。」

「なぬ!?」


そんなことを言いながら、僕はヒットポイントを索敵。

皆、思い思いにツルハシやスコップで掘っている。

ちょっと掘って諦めたような脇道があった。

「こっちは出ねえぜ。」

と、諦めて帰り支度をした冒険者に言われた。

だが、僕の索敵では、こっちにあると察知している。


コンコン、コン…。

僕は、ところどころ軽く叩いて、音を確かめる。

『ありそうなのか?』

「うん。この少し奥みたいだよ。」

と言って、突き当たりの壁右側よりに、ツルハシを大きく振り上げて

「ふん!」

と強めに当てた。

すると、表面の壁に亀裂が入り、ぼろぼろと崩れた。

こう見えて結構筋力あるんで。


確かに、表面の深さ3メルほどには何もない。

これでは、この奥にヒットポイントがあるとは気づきにくいだろう。

しかも、魔法でジャミングもしているようだ。

「結構高度な魔法だね。」

『で、人外のサキには楽勝、ということか。』

「うるさいよ。」


そんなことを話しつつ、僕は本気でツルハシを振り上げ、掘った。

魔力を使っているので、5回も振り下ろせば、3メルほどの表面はすぐ剝がせた。

「ふん!」

ガン!

と音がして、ぼろりと岩が一塊落ちた。

拾い上げ、鑑定すると

「ミスリル鉱。純度は自然界では得られぬほど高い。90パーセント。」

だって。

「おほ。ミスリルの鉱脈らしいよ。大当たりだね。」

『ダイヤモンドではないのか。』

「それは高望みすぎる。…あ、右脇も、なんかありそう。黒いから…きっとアダマンタイトだな。」

と言いながら、右の壁も

「ふん!」

と力を込めて掘る。

こっちはわりとすぐに黒い岩が見えた。

「うん。アダマンタイトだ。ちょうど欲しかったんだよね。こっちも純度が高い。現在の含有魔力は低いけど、良質ということでは、森の奥の「黒い山」に匹敵しそうだ。ダンジョン壁だからかなあ。」

『おそらくな。ダンジョンの壁は魔素を多く含んでいるからな。』

「ふむ。なるほどね。」


僕は、誰も来ない突き当たり脇の坑道で、掘っては即、亜空間収納に入れる方式で、文字通りざくざく掘った。

ミスリルだけで2トン、アダマンタイトで1トン。

それから、宝石類が少し採れた。アメジストやオパールなどで、コランダム類すなわちサファイヤやルビーはごくわずか。

僕的には、宝石類は森産のがあるから、オマケみたいなものなので少量でいい。

これだけあれば、当分いいかな。

宝石類は、森の河原のほうが綺麗で大きな石が多いし。


むしろ、銅とか鉄、銀のほうが欲しいかな。

それを期待したんだけど。出ない。

ところで、どうして誰も来ないのかなあと思いながら本道に戻ると、行き止まりの壁を皆で掘っていた。

「出ました?」

「ああ!銀と金が少しと、あとは鉄とか銅だな!ミスリルを狙ったんだけどなあ。出ねえ。」

とゲイツさん。

「そうなんですか?ミスリルなら向こうで採れましたけど。」

「なぬ!?」

「出たの!?」

「どこどこ!?」

「脇道の突き当たりです。右はアダマンタイト。今なら、僕が掘ったあとだから、まだ壁が修復されないうちなら採れるとおもいますよ。」

「行く!」

「俺もっ!」


護衛仲間が移動して、僕は逆に本道壁で、銀、金、鉄、銅、クロムを採取。

こちらは大量には採れなかったが、まあいいでしょう。

金や銀は、主にメッキ用だし、武器ならミスリルとアダマンタイトが基本で、それに黒龍の鱗や牙、鉄を少し混ぜ込む、みたいな使い方が多くなっているからだ。


ああ、そういえば、金や銀は、スーリアの母龍から僕が相続したから、大量に持っているんだっけ。

でもあれは、いずれはスーリアに渡すものだからな。


あとは、銅と鉄とクロムは、もっぱら調理道具用。鍋とかフライパン、お玉とか。

ステンレスは鉄とクロムが主な要素だから、結構必要だが、すでに森で採って延べ棒状態にしたステンレス鋼があるので、そこから主にカトラリー…ナイフやフォーク、スプーンなど…を作っている。

今回のものは、まず少し実験して性質を見極めてから、森産に混ぜ込むなり、単独で使用するなり決めたいと思っている。


休憩がてら、早めに僕とシンハは馬車に戻った。

レジさんがいない。代わりにルクレさんと、テオさんがいた。

ルクレさんも早々に戻ってきたんだな。

テオさんはミケーネにおやつをあげていた。

「レジさんは?」

「アダマンタイトとミスリルが出たというので、隊長たちと掘りに行きましたね。」

「テオさんは、良いの?」

「いや、たくさん採ってきたよ。今さっき交代したばかりだ。君のおかげで、ずいぶん採れた。ありがとう。」

「あ、いえ。」


「きっと当分、みんな戻ってこないんじゃないかな。」

「はは。じゃあ、僕達は優雅にお茶会でもしていましょうかね。」

「そうだな。」

シルルが入れてくれたおいしい紅茶と、ホットケーキを焼いて、皆が戻るまでのんびりした。

「このデザートも美味いな。」

「卵と砂糖を少し入れた粉を焼いただけですよ。」

「いやいや。食べたことのない味だ。」

「あー、バニラビーンズ…香り付けの植物も使っていますからね。バニラアイスも添えると、絶品ですよ。ルクレさんもどうぞ。」

「ありがとうございます。」

「どれどれ…。!美味い!凄いな!」

「ふふ。」


かけてあるのはメープルシロップ。蜂蜜ではないというところも、僕のこだわり。もちろん、魔蜂の蜂蜜がけもおいしいけどね。

ミケーネたちにもあげたりして、和んでいたが、レジさんたちは、閉門まで戻ってこなくて、ルクレさんが呼びにいってようやく戻ってきた。


異世界ラノベを書いていて、金属の知識が必要になるとは思わなかった…(´д`)

スイヘリーベボクノフネ…。若いうちになんでも学んでおきましょうね!


いいね!や感想、お待ちしておりまっす!

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― 新着の感想 ―
スイヘイリーベボクノフネ…私、言葉だけ覚えてて元素記号は丸っと忘れてます(;・∀・)ホットケーキには蜂蜜よりメイプルの方が断然美味しいと思います(ㆁωㆁ*)
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