表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白金(しろがね)の魔術師 もふもふ神獣との異世界旅  作者: そぼろごはん
第一章 はじまりの森編
39/529

39 今度は卵をゲットした 

数日後。今度はシンハがどこからか、卵を持ってきた。

「!卵だっ!」

今回は僕は要求していない。

だが人間世界で暮らしたことがあるシンハは、僕が卵と言ったのを覚えていたのだろう。いや、シンハ自身が次に食べたいものが卵料理だっただけかもしれない。

でかい。

ダチョウの卵ほどもある。


「これ、なんの卵?」

『魔鶏のものだ。』

「え、いつだったかシメて食べたよね。魔鶏。確かにあれは大きかったけど…。こんなに大きな卵を産むんだ。」

『ああ。あれとはまたちょっと違う品種だ。特にこれは大魔鶏という品種だからな。卵も大きい。』

「ふうん。美味しいの?」

『味の保証はする。とにかく一度食ってみろ。』

「生で食べられる?」

『ああ。俺は生を飲むぞ。』

「判った。」

鑑定してみたが、確かに特に問題はない。それどころか

「大魔鶏の卵。無精卵。一級品。新鮮。生でも可。」

とちゃんと出ている。

僕は皿の上でなんでも斬れる短剣で上部を丁寧に割って、中身を取り出した。

「食いでがあるね。大きい。」

黄味がぷるぷるで、いかにも新鮮!と判る。


一口食べて

「うわっ濃厚!美味い!」

確かにこのままでも美味しいものだった。

さっそく、僕は卵焼きを作ることに。

入手したての羊乳を少し入れて伸ばす。塩も少し。それに砂糖の代わりにちょっとハチミツ。それから石から作った手製フライパンを熱し、作りたてのバターを入れる。

じゅわわわわっといい香り!

「これこれ!これだよ。ああっバターに卵…夢のようだ…。」

僕はそんなことを言いながら、フライパンにといた卵をじゅっと入れる。

バターのよい香りと、羊乳の香り、卵の香り。

ああ、またしても地球での食生活を思い出す…。

綺麗に焼けた卵焼きを3等分して、1つは僕、残り2つはシンハの前に置く。

『うむ。美味い。』

シンハも満足げに食べてくれた。

「本当に。おいしいね。」

シンハはもっと欲しそうだったけど、もうない。

「また作ってやるよ。今日はおしまい。」

『むむ。残念だ。クウン。』

「仕方ないだろ。もう卵はないんだから。」

物足りなそうに尻尾をぱたりぱたり。

「ふふ。美味いものばっかり食べてると、太るぞ。」

そう言って、僕はシンハを撫で繰り回した。


翌日。

またシンハは卵をゲットしてきた。

今日はフレンチトーストにした。

僕が作ってやると、本当に美味そうに、シンハはゆっくりと味わって食べていた。


さらに数日後。

大魔鶏は、群れでシンハの縄張りに巣を作ることにしたそうで、不定期だが無精卵を提供できるそうだ。

その代わり、この群れは一応保護対象。

大魔鶏を食べたい時はハグレのやつを仕留めることに。

まあ、増えすぎるなら、成鳥をシメるより、有精卵をいただくことにしよう。


僕の食生活も充実してきた。

ああ、次第に僕は贅沢になる。

でもシンハも同じだ。

どんどん美味しいものを要求してくる。

卵があるなら、当然、次はマヨネーズだ。

酢は白ワインから作ったワインビネガーを使う。

米酢が欲しいがまだないのでがまん。

それでもコクがあって美味いマヨネーズが作れた。

はあー。これでポテトサラダも作れるし、お好み焼きにマヨネーズ・自家製ソースがけといった組み合わせもできる。ほとんど日本にいた時の洋食系は再現可能だろう。


シンハがある日トリュフを見つけてくれた。

地中にざっくざくというか、ごっろごろあった!

だから、トリュフをトッピングしたピザを食べた!

生地も美味いし、チーズも魔羊のチーズ。トッピングはワイバーン肉にトマト。そしてトリュフ!

もう最高に贅沢!

「あー。此処に舞い降りて、良かった!」

僕は贅沢ピザをほうばりながら、そうつぶやいた。

あとはそう。次はダイズを手に入れれば…。


「シンハ。ダイズがあったら教えてね。形は…こんな感じ?若い青いのは枝豆といっておつまみになるんだよ。」

とまたシンハにダイズを教え込む。

「ふむ。なくはない。だがかなり遠い。俺の背に乗せて走っても往復2カ月ほどの旅になるだろう。」

「そうなの…。遠いなあ。」

むむ。味噌と醤油は、ちょっと難しいかな。

「仕方ない。今はガマンするよ。その前に…サトウキビか。」

そうだ。サトウキビをゲットしに行かねば。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ