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四、元服、初陣

 見事な若武者ぶり。


 天正9年(1581)1月のある吉日、千代は元服し名を統虎(むねとら※宗茂公は何度も名前を変えている。これ以降は千代の名前は宗茂で統一する)と改める。

 名実ともに宗茂が高橋家の嫡男跡取りとなったのであった。

 14歳となった宗茂は、見事な偉丈夫で、槍や剣さばきも見事、ひとかどの大将にも見える貫禄がすでにあった。

ただし、顔は花のように美しい、しかも、出るところはしっかりと出ており、毎日、胸にさらしを巻いて乳を押さえつけている。

「あ~乳が邪魔だ!」 

 宗茂、最近の口癖であった。


 この年の7月、宗茂は初陣をむかえる。

 父紹運は戦場に望む宗茂に言った。

「千代・・・いや、宗茂。これより、お前は戦場へと参る。覚悟は出来ておるか」

「はっ、勿論」

「いかなる艱難辛苦に耐えうる心構えはあるか」

「高橋家の嫡男として元服した日より、私は女を捨てました。どんな困難にも耐えてみせまする」

 宗茂は胸をはって宣言した。

「そうか・・・ならば、伝えておこう。お前はいずれ立花家の主となる」

「はい」

「この戦国の世、もし、立花家と高橋家いずれかが主大友家を裏切りことになったら、如何とする?」

「それは・・・」

 宗茂は瞬間、言葉に窮する。

 そんな事など考えもしたことがなかったからだ。

「馬鹿者っ!」

 父は叫び・・・それから寂し気に笑った。

「その時は、立花家の為に、寸分の迷いなく父を斬れっ!」

「父上っ!」

「よいか、千代っ!おなごの心、戦場では微塵も持ってはならぬ。優しさは命取りじゃ、非常になれ、冷静に立ち振る舞うのじゃ」

 紹運は立ちあがった。

 宗茂も後に続く。

「よしっ!存分に暴れようぞ!宗茂、初陣にて戦功をあげよ」

「はっ!父上に負けぬぐらい活躍してみせます」

「その心意気よしっ!」

「はっ!」

「高橋軍、出陣じゃっ!」


 いざっ出陣!

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