表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/55

冥府魔道をも

 最終話です。

 

 宗茂は目を開いた。

 そこは地獄と呼ばれるあの世であった。

 灼熱地獄の釜の下には、業火が燃え盛り、真っ赤な血の湯がぶくぶくと沸騰している。

 全身を浸かり、その耐えがたい熱さに、釜の中、宗茂は顔を歪めた。

「ぐっ!」

 宗茂はその苦痛に思わず、言葉を発する。

(我が所業・・・当然か・・・)

 自虐的な思いが浮かぶ。

・・・・・・。

・・・・・・。

 気づく。

右手のぬくもりを・・・隣を見やると誾千代の姿があった。

「誾千代!」

「お前様!」

 苦痛は死を越えるほどであったが、共にいる喜びはそれすらも超越した。

 笑みをお互い見せる。

「誾千代、苦しゅないか?」

「なんのお前様こそ」

「なんのなんの」

「ほほほほ」

 宗茂は目を閉じる。

「のう、誾千代」

「はい」

「ワシは嬉しい。地獄でもお前と一緒で」

「それは私も」

「じゃが」

「でも」

 夫妻は目を見開き、思いを馳せる。

「こんな冥府魔道でも」

「地獄でも」

「2人でおれば、何も恐れることはなし!」

 2人がそう叫ぶと、地獄は消え世界は一変した。

 光あふれる素晴らしい常世。

 2人は手を繋ぎ、どこまでも歩き続ける。


    完


 


 なろうらしい完結をと意気込んだものの、む~、いかがでしたでしょうか(笑)。

 いろいろ思うところはありますが、無事宗茂公の生涯を自分なりに書くことが出来て、ほっとしています。

 書きはじめたのは、連載する半年くらい前でしたか、宗茂公を書くぞと、意気込んだのはいいのですが遅々として書けない現状に思いきって連載することに決めました。

 やはり、読んでいただいているというのは励みになるもので、多少の波はあったものの楽しく取り組めました。

 おかげ様で無事ゴール出来ました。読んでいただいた皆様には重ねて感謝でございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ