二、語り合い
裸のつきあい。
当時の風呂は蒸し風呂であったという話もあるが、これはなろう歴史小説である。
時代考証・・・そんなの関係ねぇ(笑)。作者は細かいことを気にせずに、檜風呂のイメージで話を進めていくことにする。
湯殿にて、宗茂は背中を誾千代に洗われている。
宗茂は目を閉じたまま黙っている。
「あなた様」
「なんじゃ」
「まあ、何をむくれておられる」
「別に」
「・・・ふーむ」
「・・・・・・」
「ね、私の身体を見てください」
ふいに誾千代はそう言った。
異国での戦い以降、彼女は彼に大っぴらに裸体を見せようとはしなかった。
「ん」
宗茂は向き直ると、誾千代の裸体を見た。
「以前より細くなったな」
正直に言った。
「はい」
「肩の傷は・・・跡が残ったか・・・すまぬ」
宗茂は頭を垂れた。
「あなた様が謝ることなどありません・・・ですが、あの戦より、誾は少しずつ鬼姫ではなくなりました。力を入れようとしても、身体がいう事を聞かぬのです」
誾千代は自分の両掌を広げ、じっと見つめた。
「誾千代」
宗茂は誾千代を強く抱きしめた。
「いいですか、あなた様」
自然と涙がこぼれだす誾千代。
「ああ」
静かに頷く宗茂。
「これから、立花家はあなた様が担っていくのです。どんな決断をしても絶対、後悔だけはなりません」
「ああ、勝敗には拘らず。私は豊臣に恩義を尽くす」
「・・・誾千代はあなた様を終生、お慕いしております。宗茂となら地獄でも怖くはない」
「誾」
「私はあなた様を信じます・・・だから、あなた様は自分を信じて」
「あい、わかった」
宗茂は力強く愛する人を抱きしめた。
ぷるるん。