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虫系異族のギラファさん  作者: 神在月
第三章 神州
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第七十八話 説明と推察

あれあれおかしいな?

色々と理不尽な事には

耐性あったはずなのに

何だか属性違います?

(要約:煽り耐性)


 蜜希としては、別に引き受けるのは構わないと思っていた。


 挿絵(By みてみん)

 ……正直、災厄に興味はあるっすからね。


 城塞都市では、蜜希自身は災厄に直接的に関わってはいない。いや、その影響があるらしいワイルドハントの死霊達を派手に掃除したりはしていたが、基本的には裏方……いや裏方違うっすね、モルガン一家相手にヒャッハーしてたし。


 とはいえその中心たる先代アーサー王とは少し言葉を交わした程度で、災厄がどのような物なのかがイマイチ実感が無い。それは先代が殆ど影響を受けて居なかったのも理由の一つではあるのだろう。


 挿絵(By みてみん)

 どうもフィーネの話とか聞いてると、祖母ちゃんの縁とかで私はその災厄に反応されてるらしいし、もう少し知識は欲しい所っすね。


 だが、それはあくまでも好奇心ゆえだ。自分の本来の目的を犠牲にしてまで優先される事ではない。


 自分の本来の目的、そうそれは――


 挿絵(By みてみん)

「ギラファさんとイチャコラする事……!!」


 挿絵(By みてみん)

「はい!?」


 しまった、思考が言葉に漏れ出ていた様だ。


 まあいい、いや良くないきもするが、とにかくいきなり拉致された時は焦ったが、折角だしギラファさんとの婚前旅行と思って楽しもうと思っていた所だ。上空から見るTOKYOの景色は自分の知る物に近く、だからこそそれ以外の異質さに胸を躍らせ、ギラファと一緒に各地の違いを回りながら観光しようと思っていた。 


 だと言うのにこの巫女と来たら、


 挿絵(By みてみん)

「さも『引き受けてくれるでしょう』って態度で言われたら、是非はともかく取り合えずなんか嫌っすよね。」


 挿絵(By みてみん)

「ああ分かりますわ、『どうせ暇でしょう?』見たいなノリで仕事振られると暇だとしても張り倒したくなりますわよね。」


 イエーイ! とパーシヴァルとハイタッチを交わし、改めて机の向かいの巫女に視線を向ける。


 挿絵(By みてみん)

「で? 自分達は一体何をすればいいんすか?」


 挿絵(By みてみん)

「え?」


 挿絵(By みてみん)

「だから、災厄の調査と対応って言っても、具体的に何をやれと?」


 自分の言葉に、相手は一瞬言葉に詰まり


 挿絵(By みてみん)

「あの……断られたのでは?」


 は? 何を勘違いしているのだろうか。


 挿絵(By みてみん)

「嫌だとは言ったすけど、断るなんて一言も言って無いっすよね?」


 挿絵(By みてみん)

「ですわねぇ……その後わざわざ解説までしましたのに。」


 挿絵(By みてみん)挿絵(By みてみん)

「「ねーー!!」」


 再び二人でハイタッチ、その上で巫女を見れば何やらフルフルと震えだし、その振動が一定のラインを越えた瞬間。


 挿絵(By みてみん)

「うわあああああああん!!」


 ちょっと煽り耐性低すぎないっすかね?



  一時休憩



 挿絵(By みてみん)

「あうううう……」


 うつむき姿勢で呻く御刻の背を、神道の最高神が優しく叩く。


 挿絵(By みてみん)

「よしよし大丈夫ー? いやあ、ノゾミンも中々だったけど、孫も孫で切れ味高いねぇ……。」


 挿絵(By みてみん)

「失敬な、(のぞみ)お祖母ちゃん相手だったら今頃(かんなぎ)さんガチ泣きしてるっすよ?」


 挿絵(By みてみん)

『オイこら良い度胸さね?』


 突然顔横に現れた術式陣から祖母の声が響いた瞬間、飛び込んで来たフィーネが術式陣を叩き潰す様に砕いて割った。




    ●


 ≪筆記設定通信≫


 挿絵(By みてみん)

『ちょっと希様!? いきなり何やってるんですか!!』


 挿絵(By みてみん)

『あーすまん、旦那絞り尽くして暇だったからそっちの会話聞いてたらつい、以後気を付けるさね。』


 挿絵(By みてみん)

『…………夫婦仲が良いのは良い事ですね……。』


 挿絵(By みてみん)

『ああ、最近流石に体力無くなって来たからアタシが動いてやるんだけど、これが反応とか結構面白くてね、結論言うと旦那は今横で気絶してる。』


 挿絵(By みてみん)

『要らん情報寄越さないでいいですからっ!!』



  ●



 何やら術式陣を開いて打ち込んでいたフィーネが、はっとした様に此方へ言葉を飛ばす。


 挿絵(By みてみん)

「あ、大丈夫です! ちょっと手違いあったと言うか、ええ、見なかったことにしていただいて!!」


 それは無理な気もするが、結論から言うとうちの祖母がすみませんと言うしかない。


 と、うつむきから復帰した御刻が手を立て、自分達もそちらへ意識を向ける。


 挿絵(By みてみん)

「取り乱して申し訳ありませんでした。――いや、私ミナカで理不尽には慣れてるつもりだったんですが。」


 挿絵(By みてみん)

「アレー? 私御刻を慰めたのにディスられてるんですけどー?」


 日頃の行いじゃないっすかねぇ……。


 挿絵(By みてみん)

「日頃の行いですよ、ミナカ。――失礼、それで、結局の所引き受けてはいただけるのでしょうか?」


 それは――、と口を開きかけた自分を遮る様に、横に座るギラファが手を挙げる。こじんまりと、座ると言うよりは自分の体躯を畳むようにして佇む彼は、軽く上げた爪を降ろしつつ、


 挿絵(By みてみん)

「災厄の調査と対応とのことだが、その程度なら我々に頼らずとも神州側で対応可能だろう? わざわざ私達を連れて来た理由は何かね?」


 挿絵(By みてみん)

「なるほど、確かにその疑問はもっともですね。」


 ギラファの質問に頷いた御刻は、一度膝を浮かせて正座を正す。


 挿絵(By みてみん)

「結論から言いましょう。先日のブリテンでの事件を踏まえ、私達も独自で災厄の調査を開始いたしました。これはアージェ様とそちらのフィーネ様が構築した探知術式を用いたもので、それを拡大適用した上で神州全てを調査しました。」


 挿絵(By みてみん)

「ですが、その結果、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」


 その言葉に対する反応は、二つに分かれていた。

 

 疑問と、緊張。


 前者は自分やパーシヴァル、ククルゥで、後者はギラファとフィーネ。その二者を分ける要因が何かと言えば、それはおそらく、災厄への理解度だ。


 だが、理解の薄い側である自分としては、こう尋ねるしかない。


 挿絵(By みてみん)

「検知されなかったんだとしたら、何か問題あるんすか? ただ災厄が神州には存在しないってだけでは?」


 自分の疑問に、しかしフィーネが首を横に振って否定した。


 挿絵(By みてみん)

「いいえ、蜜希様。その規模の大小こそあれ、一国の領土全てにおいて災厄の残滓が存在しないと言うのは異常なのです。」


 挿絵(By みてみん)

「そうだな、五百年前の戦乱で世界中に広がり、しかし払われた災厄だが、当然その残滓は世界中に散らばった。それは地脈や空間に沁み込み、時には異なる界に入り込むことで存在を隠すが、だからこそ、必ずどこかにそれは在るわけだ。」


 ギラファの言葉に頷き、フィーネが眉を立てた表情を見せる。


 挿絵(By みてみん)

「私とアージェ様の構築した災厄の探知術式ですが、これは探知範囲内の地脈を通じて、範囲内の空間に作用します。ですので、それこそ地球側との次元の狭間や、この世界においても何らかの異界に潜んでいない限り、検出できないと言う事はありません。――ああ、ワイルドハントはそうした異界に潜り込むタイプですね。」


 挿絵(By みてみん)

「でしたら、神州上の災厄が全て異界に隠れていると、そういう事では?」


 パーシヴァルの言葉はもっともだ。そして、それが正しいと言う様にフィーネは首を縦に振る。


 挿絵(By みてみん)

「ええ、確かにそれならば理屈は通ります。ですが、災厄が一斉に同じ行動をするという、それこそが問題なのです。」


 いいですか? と前置きを挟み、


 挿絵(By みてみん)

「災厄の残滓は基本、明確な自我を持ちません。ある種の方向性と言うか、共通の本能はありますが、どちらかと言うと場当たり的で、明確な目的を持って行動すると言う事はありません。ある程度の規模に集まらない限りは存在しているだけなので無害ですし、そう簡単に集まるものでもありません。――それが一斉に、これだけの範囲で例外なく姿を隠す。それも私達の術式が探知できない異界へとなれば、これは何らかの意思が介在していると疑わざるを得ません。」


 一呼吸をいれ、フィーネが続ける。


 挿絵(By みてみん)

「先日のワイルドハント、アレも相当な規模の災厄が集結していましたが、私やアージェ様の掛けた探知の結果を見る限り、ブリテン全ての災厄の残滓が集結して居た訳ではありませんでした。」


 それはつまり、


 挿絵(By みてみん)

「――今回は、あれ以上の何かが生じる可能性がある、ってことっすか。」


 自分の言葉に、専門家であるフィーネが頷きを返した。


 ――うん。


 挿絵(By みてみん)

「聞かなかったことにしていいっすかね?」


 巫さんにトンデモナイ顔で睨まれたっすけど、いやまあ気分気分。

 挿絵(By みてみん)

「ああ、因みに旦那にはこっちの姿も教えてあるよ、その方が色々楽しめるからね」


 挿絵(By みてみん)

「……興味本位で聞きますが、旦那様は大丈夫なのですか?」


 挿絵(By みてみん)

「大丈夫大丈夫、旦那にも色々術式と加護掛けてるからね、何ならする時は好みで若返らせてるし。」


 挿絵(By みてみん)

「うわ―――!! 滅茶苦茶好き勝手してますよこの人!!」

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