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虫系異族のギラファさん  作者: 神在月
第二章 円卓
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第三十五話 従者反省中

少女の肌にまとわりつく

白いクリームと触手の束

(要約:不幸な事故)


 翌朝、目を覚ました蜜希は軽く顔を洗い、隣に位置するフィーネの部屋へと出向いていた。


 昨日渡された施錠術式の合鍵を使い、ドアを開けて中を覗き込む。ノックくらいはするべきかと思ったが、まああの完璧従者さんなら着替え中と言う事は無いだろう。


 挿絵(By みてみん)

「フィーネ、女の子の具合はどうっすかー?」


 挿絵(By みてみん)

「ほら、動かないでください、傷が治りませんよ?」


 挿絵(By みてみん)

「いやいやいや! なんだその針と糸、アタシの体で傷口塞いでっから問題ねぇよ!!」


 挿絵(By みてみん)

「ですが、きちんと縫合しておいた方が組織の融合もスムーズに進みますが……」


 挿絵(By みてみん)

「融合したら困んだっつーの! 今はこいつの細胞組織の修復に合わせて少しずつ浸食部位を少なくしてるんだからよ!」

 

 挿絵(By みてみん)

「そういえばそうでしたね、では本来の細胞をこうしてこのように……」


 挿絵(By みてみん)

「ア―――――――!!?」


 ……何してんすかね?


 自分はそっとドアを閉め、暫し呼吸を整える。


 大丈夫、ただ傷口の治療をしていただけだ。フィーネが半裸の幼女相手に針と糸を持って詰め寄っていたとして傷口の縫合なら仕方ない、なんか融合とか物騒な言葉が聞こえたのは気のせいだろう。


 大きく深呼吸、思考をリセットして再び解錠術式を翳して部屋へと入る。


 挿絵(By みてみん)

「よし、おはようございまーー」


 挿絵(By みてみん)

「待て待て待て! 治療すんのはこいつの体だけでいいっての! アタシ本体に触れんな!!」


 挿絵(By みてみん)

「ですがこちらも負傷しているのは事実ですし、軽度の外傷でしたら術式を使わずともこちらの軟膏で良くなりますから。」


 挿絵(By みてみん)

「だとしても本体は今敏感になってるから触られると気持ち悪いんだよ!! あ、こら止め! んん~~!!」


 もう一度扉を閉めた私を許してほしい。いや誰に許しを乞うてるのか分からんすけども。


 挿絵(By みてみん)

「なんか女の子の方から触手みたいの伸びてたんすけど、何すかあれは!」


 その触手にべっとりしたクリームを塗りこんでるフィーネが大分犯罪臭がする。というか普通はこういうのって触手にフィーネが絡まれてる奴じゃ無いんすかね? なんで触手受けなんすか。


 挿絵(By みてみん)

「あら蜜希、随分とお早いお目覚めですわね?」


 そんなことを考えて居たところ、不意に横からパーシヴァルの声が響いた。


 挿絵(By みてみん)

「おはよっすよパー子、いや、昨日の女の子の様子が気になっちゃって」


 挿絵(By みてみん)

「ああ、昨日は結局目を覚ましませんでしたものね。それで、中には入らないんですの?」


 挿絵(By みてみん)

「あ―――――……パー子開けていいすよ?」


 挿絵(By みてみん)

「? では失礼して――おはようございます、フィーネ」


 パーシヴァルが促しに応じて扉を開けるのを、自分も端から覗き込むように中を確認する。


 挿絵(By みてみん)

「ほかに痛い所はございませんか? ククルゥ様。」


 挿絵(By みてみん)

「無い……ないから……もう、勘弁して……」


 挿絵(By みてみん)

「何クリーム片手に幼女を手籠めにしてますの貴女!! ――というかその触手は何ですの!?」


 流石パー子、ツッコミの腕は一級品っすね。




  ●


 

 その後、ギラファも交えて朝食をとりながら少女の事情を聞くことになり、一通りの説明を聞いた上で一息を吐く


 挿絵(By みてみん)

「なるほど、取り合えず誤解は解けたっすけど、寄生生物型触手幼女とは……また属性てんこ盛りなのが来たっすね。」


 挿絵(By みてみん)

「今大事なのはそこじゃないと思いますのよ……?」


 やかましい、だが実際問題その通りだから何も言えない。


 すると、話題の中心である少女がこちらを見て口を開く。


 挿絵(By みてみん)

「改めて、ククルゥだ、よろしく頼むぜ」


 挿絵(By みてみん)

「はいっす、よろしくっすよククルゥちゃん」


 挿絵(By みてみん)

「ちゃん付けか……まぁ今はこの見た目だし、しゃあねえか」


 挿絵(By みてみん)

「ん? もとは男の子とか?」


 挿絵(By みてみん)

「いや、アタシ本体に性別はねぇよ、触手だからな。ちゃんでも様でも好きに呼んでくれ、行き倒れてた所を助けて貰った上にこうして匿って貰ってんだ、その辺りに文句は言わねえよ。」


 挿絵(By みてみん)

「口調はともかく、謙虚なのは大変よろしいですわ。此処に居る間は自由にくつろいで貰って構いませんけど、外へ出る際は蜜希以外の私達誰かが付き添っている時にしてくださいまし。」


 パー子が自分を抜いたことに若干不満を覚えるが、まあ隔離術式とかよくわからないので仕方がない。


 それはそれとしてアグラヴェイン卿へ通信端末で遺骸でのパーシヴァルのやらかしの数々を送っておく。さーて腕立て何百回になるっすかねー?


 挿絵(By みてみん)

「貴女何して――ってなんで蜜希がアグラヴェイン卿のアドレス知ってるんですの!?」


 挿絵(By みてみん)

「一昨日の夕食の時に『パーシヴァル卿が阿保をやったら報告してほしい』って言われたんで交換したんすよ、滅茶苦茶文面硬くて逆に笑えるっすねアグラヴェイン卿。」


 挿絵(By みてみん)

「確かに、アグラヴェインからの通信は報告書を読んでいる気分になるな」


 ギラファの言葉に頷いていると、やや離れた位置から声が届いた。


 挿絵(By みてみん)

「あのー、誤解が解けたのでしたら縄を解いていただけませんでしょうか?」


 そこに居たのは、パーシヴァルによって縄でグルグル巻きにされた上で天井から吊るされたフィーネの姿だった。


 正直ミノムシみたいでちょっと面白いのだが、流石にかわいそうではないかと思わないでもない。


 挿絵(By みてみん)

「誤解は解けましたけど、それはそれとして絵面が犯罪でしたのでもうしばらくそのままですわ」


 挿絵(By みてみん)

「そんなー!? 蜜希様、助けて下さいよー!!」


 あーー、


 挿絵(By みてみん)

「ごめんなさいっすフィーネ、面白いから暫くそのままで!」


 挿絵(By みてみん)

「えぇ!?」


 あ、そうそう、折角ならアージェさんにも見てもらおう。そう思った自分は通信を映像通信状態で呼び出し、撮影部分を逆さ吊りのフィーネに向ける。


 挿絵(By みてみん)

『あら、どうしたの蜜希ちゃん……って、あら?』


 挿絵(By みてみん)

「…………あー、おはようございます、アージェ様。」


 挿絵(By みてみん)

『んぐっ!? ぷッ、あは! あはははははははっ! なにそれ、ダメ、ごめんちょっとむり、ひ、ふふふふふふふふっ!』


 挿絵(By みてみん)

「誰か―――!!助けて下さ――――い!!」


 アージェさんの笑いが収まるまで待ってから降ろしてあげたのだが、頬を膨らませてこちらを恨めしそうに見つめるフィーネの表情は少し撮影しておきたいくらい可愛かったっすね。

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