モブな妹と悪役の私 2
あの後、好から悪役令嬢の話を延々と聞かされて1日が終わった。なんでも好は恋愛小説が好きらしく、王道ラブストーリーには必ず悪役令嬢なるものが登場するそうだ。
それは褒めてるのかどうかはわからないが、それまで父以外の人と話すことのほとんどなかった私にとってすごく楽しい1日になったことは確かだ。
次の日からは家族4人で朝昼晩の食事を取ることになった。
雅さんはとても優しくて幼い頃から思い描いていた母というものに似ていた。
無理してお母さんとよばなくていいからね、と言ってくれたからそれに甘えて雅さん、と呼んでいる
いつか、おかあさん、と笑顔で呼べるようになりたい。
父と好はもうすでに打ち解けていた。絶対に動かないと思っていた父の表情がコロコロと変わるのを見て少し笑ったのは自分だけの秘密だ。
それから、あまり喋らなかった父とも言葉を交わすようになった。3年間で父のイメージは180度変わって
少しおちゃめだと言うことがわかった。
好は父がいつも冗談を言うと、見た目あんな渋おじなのにギャップやばいよねー、と声をあげて笑う。
渋おじというものが何かはわからないが。
好と雅さんがうちに来てくれたからこの家は、私は変われたんだ。
そう思うとこの早朝から耳元で叫んだ義妹も
可愛く思える…
…かもしれない…。
「麗美、何ぼーっとしてんの?早く朝ごはん食べに行こ!!」
「まだみんな起きてないわよ…。」
こんな妄想とご飯のことしか考えていない義妹だが。
回想シーン、終了ですーーーd(^_^o)