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4.都会のセミと新しい世界

「先生! セミ捕まえてきたよ!」

 小学生くらいの男の子から虫篭を受け取ると、白衣の男は満足そうに笑みを浮かべた。

「よくやったな!」

 白衣の男はワシャワシャと男の子の頭を撫でまわした。

「ねえ、こんなに沢山どうするの?」

「知りたいか? 新しい世界を作るんだよ!」

 白衣の男が含んだ笑いを向ける。

「うわー、先生も悪の宇宙人なの?」

「うん、そうだな。どうだ? 新しい世界をおまえも見たくないか?」

 白衣の男はそう言うと、男の子を引き連れて地下鉄の駅へ向かって歩き出した。

「えっ、先生? 地下鉄乗るの?」

「そうだ、この都会のど真ん中を走る地下鉄だから効果的なんだ!」

 男は地下鉄に乗り込むと、躊躇することなく、虫篭のセミを車内に解き放った。

 その瞬間、帰宅ラッシュで混み合う車内のあちこちから悲鳴が上がった。

 所狭しと飛び回るセミたち。逃げ惑う人間たち。

 車内はセミによる新しい世界へと変貌していた。

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