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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

独白

作者: 童貞卓

自分、子供のころからよう汗かく体質やったんです。


特に手のひら。いっつも。あっつい夏もさっむい冬も


ずーっと手のひらしっとり。いわゆる多汗症いうやつ


ですな。いやまぁ、生活に支障はなかったんでそんな


重症ではなかったんですけども、やっぱり気になりま


すわな。ずっとじとーってしとるから、絶妙に気持ち


悪いんですわ。んでな、夏になるとなコイツのせいで


手の皮がぼろぼろむけるんやわ。しかも微妙にかゆい


しな。そやから夏嫌いやったんや。あっついし、かゆ


いし、汗キモいし、良いことひとっつもないでほんま


に。手の皮の話に戻すで。良いことな、ひとつだけあ


ったんや。むけた手のひらの皮がな、でっかくむけた


ときな、めっっっちゃ気持ちええねん。それを言葉に


しよう思うても無理や。語彙ないわ。とにかく気持ち


よくて気分よくてしゃあなかった。指の腹サイズでむ


けた時とか1万円札手に入れた気分やったわ。


 そっから自分の好みは耳垢に移ったんや。なんでな


んやっていうと、まぁそりゃ体からでかいもんとれる


からや。Youtubeで耳かきの動画漁りまくったでー。


耳の入り口から奥にかけて引っかかったりへばりつい


た耳垢をゴソゴソバリバリ除去してくのがたまらんの


よ。さながらトンネル開通工事や。なかでも自分は外


国人ニキのやつが好きや。日本人の細かい耳垢を丁寧


に取るやつも好きなんやけど、やっぱ外国人ニキは量


が違うわ。もうな、めちゃくちゃな量やねん。あんた


何年貯めとーと?ってぐらい備蓄してんねん。それを


崩すようにして取ってくねん。んでな、ピンセット、


これが出てきたらもう最高よ。いっきにベリベリ〜っ


て剥がしとるんがもうたまらん。興奮がとまらん。


え?自分でやりゃええやんて?あかんあかん、自分、


耳垢がウェット型なんや。クサイだけや。気持ちいい


もクソもない。耳クソやけどな。


 結局自分は汚いもんが一掃されるんが好きいうこと


に気づいたんやけどな。そこで行きついたんや。


        「粉瘤」


最初見たときはな〜、もうそりゃたまげたたまげた。


あんなもんが人間の体内に生成されるとは思いもよら


んかった。見た目はでっかいできもの。でも一度そこ


に穴をあけようもんなら膿がドバーッ。こんな代物が


人間の中に埋まっとるねん。しかもこいつ、袋がある


かぎり何度でもできるんや。せやから、袋出さんとあ


かんのやけどな、その袋出す手術がまぁグロい。耐性


ないなら一種の拷問、精神攻撃や。最初は自分も若干


引いたわ。皮膚に穴あけて中身を絞りだすんや。痛そ


うで見てられへんかった。でもな、いよいよ袋出すと


きや。ぐいーってへんな器具で引っ張られとった袋が


な、すぽんって抜けたんや。夏休みの宿題を最初の3日


間で終わらせた気分。残りの30日やらなあかんことな


んにもない。そんな気分。穴感。そう、その穴に惹か


れたんや。ぽっくりとあいた穴。数秒前まで袋がはい


っていた穴。覗き込めば吸い込まれそうな穴。自分は


その穴に妙に惹かれた。自分はこれまでずっとコイツ


を追い求めていた。どこかで聞いたような表現やけど


本当にそんな気がしたんや。こうして自分はどんどん


沼、いや膿にハマっていった。


 気になった人はYoutubeとかで調べてみてくれ。た


だし、飯前には絶対にみるな。多少流血するから注


意。日本の病院での施術なら流血が少ないからそっち


から見るのをすすめる。気分が悪くなったら視聴をす


ぐにやめること。それじゃ、good luck‼︎


 

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