W 第一部 第一話 5
会議の後、私と優は黒のミニバンにそれぞれ必要なものをのっけて出発した
目的地はあまり行ったことのない場所にあるんだけど
カーナビがあるから迷う心配はない
相棒はそそくさと自分の荷物も車に積んで助手席で爆睡中
しかも涎を垂らして
五人の中では一番帰るのが早い優だけど、家につくのは夜中の12時頃だろう
そこからお風呂に入ったり、洗濯をしていれば、眠れるのは
「2時ぐらいかしら」
朝は旦那の朝食とお弁当(旦那と自分の二人分)、そして旦那の夕食と計4食を朝作ると言っていたから
睡眠時間は大体3,4時間
「はあ」
優とは高校からの付き合いだけど、まさかこんな風になるとは
性格は、まぁ昔からこんなめんどくさい感じだったけど
どうしてここまで惚れられるのかしら
無職の引きこもりに
顔は会ったことがないから、わからないけど
もちろん顔やお金がすべてとは言わないけれども
「はあ」
恋は盲目というかなんというか
まぁ、そこまで一人の男を愛せるのは
うらやましく思わないわけでもないようなあるような・・・
「うぅん」
ともかく、この子のダーリンに会う機会があれば、一回ガツンといってやる
私の相棒、いや親友がどれだけの思いで一緒にいるのか
どれだけの苦労をしてあんたを守っているのか
絶対に言ってやる 絶対に!!
本人の知らない間に、親友が決意を固くしたところで目的地に到着した