六十七話 初代勇者の悲劇〜スキルの一部解放!あと隔で絶した御方とは。
同族殺し、多数の殺人行為が書かれています。
大丈夫な方のみどうぞ!
下衆神ことセフィラケトルが感じた記憶の齟齬、とは以下のようなものだ。
自称神が逃げ込む安全地帯というものがある。
そこに自称神の誰かが複数人逃げ込んでいたはずなのに、その誰かの記憶がない。
セフィラケトルの記憶の不備を検索したところ、セフィラケトルの感じた記憶の齟齬がちゃんと引っ掛かった。
で、アクセスコード【神族を自称するこの世界の絶対的上位者】で、ピンポイントにアカシックレコードを調べたところ以下のようなことがわかった。
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【神族を自称するこの世界の絶対的上位者】
まず神族を自称するこの世界の絶対的上位者はこの世界に80名存在していた。
その存在達はこの世界を作るときに、その手伝いをするために創造された。
この世界が創造された後、その存在達の記憶は一度消去され、そのまま放置された。
すでに世界が創造され頃には人族もまた創造されており、放置された存在達はその人族より遥かに優れた自分たちを神族であると定義した。
神族を名乗るようになった80名はそれぞれ思うがままに振る舞うようになる。
自称神族はその創造主により意識を操作され、この世界に干渉する端末として使われた。
元々そのために一度記憶を消去されながらも、そのまま放置されていたのである。
しかし、自称神族の行いが気に障れば、創造主はその者を《約束事破り》と一括りにして他の自称神族達に殺させた。
この世界の創造前から存在した自称神族は、同族殺しにより徐々に減り、30名となっていた。
そして今から3万年ほど前に一気に9名にまで減っている。
原因は異世界から連れてこられた人間による殺害である。
創造主が自称神族オフィーリアを端末として、この世界に与えた異世界召喚とその帰還の魔法陣。
その頃、この世界は自称神族の1人クローディアスにより放たれた、禍という魔物により荒れ果てていた。
そのためオフィーリアに与えられた魔法陣はすぐに使われることになる。
その召喚の魔法陣で呼び出された者の1人に、この世界にはない強い力を持つものがいた。
その力はエクストラスキル強奪。
あらゆるモノを奪うことができるスキルだ。
しかし、その者は皆に自分のスキルを複製だと偽った。奪わず複製することも可能だったので周りはそれを信じた。
その者はスキル強奪がどれだけ他人に恐れられるかわかっていた。
だから自分のスキルを複製だと偽ったのだ。
その後異世界人達は様々な国を旅した。
エクストラスキル強奪をもつ異世界人は、ある時は他人のスキルを複製し、ある時には魔物のステータスを全て奪い、ある時には人の辛い記憶を奪った。
そしてこの世界の人間がそのスキルを警戒する前にその記憶をも奪っていった。
そのため、この世界の人間に残されたのはその勇気をたたえた《勇者》という称号とその功績への称賛のみであった。
月日は過ぎ、この世界に勇者達が召喚された理由である禍と勇者たちが戦う時が来る。
その時に禍から、この世界にいる理由を奪った勇者はある事実を知る。
禍がこの世界の自称神族によってこの世界に放たれたという事実だ。
平静を装いつつも、勇者の心を憎しみが染め上げていく。
今まで勇者はその大陸のすべての国を回ってきたのだ。
人々の辛い記憶を何十万、何千万と奪った勇者はすでにこの世界の誰よりも禍を憎んでいた。
その禍を放った自称神族を許せるはずもない。
しかし勇者の力ではその自称神族を見つけることはできなかった。
エクストラスキル強奪は奪う力、消す力、複製する力だ。
自称神族を探すことは出来ない。
勇者は自分の中で暴れる人々の辛い記憶をなんとか押さえつけながら、正気を取り戻そうとしていた。
そしてそのまま他のみんなと元の世界に帰る決意を固めようとしていたのだ。
そんな時に自称神族であるオフィーリアが顕在したことで、勇者の心全てが憎しみに呑まれてしまった。
勇者は創造主の端末であるオフィーリアを、エクストラスキル強奪で乗っ取ることに成功した。
オフィーリアの記憶から、まずはこの世界に禍を放った自称神族クローディアスを見つけ出し誘き寄せ、そのステータス全てを奪い殺害。
その後も、人々で積極的に遊ぶ自称神族を同じ方法で殺害していった。
最終的にその殺害人数は21名となる。
勇者はこの世界の維持に最低限必要な自称神族だけを残した。
その頃には憎しみに呑まれていた勇者の心も徐々にではあるが、元に戻ってきていた。
しかし元の心では勇者が殺した21名の命への罪悪感に耐えられなかった。
勇者と呼ばれた彼の名前は田中守という。ただの日本の高校生だった。
21名の殺人の記憶に耐えられるはずもない。
勇者は自分の記憶、そしてこの世界の自称神族達の記憶を奪い、消した。
勇者ではなく、田中守でもない別の誰かとして生きるために。
自称神族達からは、勇者が自称神族を殺害したという記憶も、その死んだ21名の記憶も奪い、消した。
もう誰も、自分にその罪を突きつけないようにするために。
自称神族9名はその後も特に何かを不審に思うことなくそれぞれ神として傲慢に過ごしていた。
ただ自称神族セフィラケトルだけが、ある時自分の記憶の齟齬に気付いたのだ。
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うん、あまり気持ちの良い話ではない。
アクセスコードにした【神族を自称するこの世界の絶対的上位者】から【初代勇者】に中心を移して、セフィラケトルの記憶について調べてみた。
良かれと思って、奪い取った辛い記憶に乗っ取られた初代勇者田中守。
私は彼を責める気は全くない。
というか、悪いのって自称神じゃね?って普通に思う。
多分エクストラスキル多重人格で私の精神が守られているから言えるんだとは思うがね。
でも今の私はそれ込みで私なのでね!
(๑• ̀д•́ )✧+°ドヤッ
まぁ今、果たして田中守が他の誰かとして生きているかどうかは気になるところである。
キュートよ、エクストラスキル強奪で私の何かは奪われるかね?
『否定。
主人の場合、複数のユニークスキルとエクストラスキルがそれぞれを補い合っているため、例えエクストラスキル強奪であっても主人の何をも奪うことはできません。
逆にそれを察知し、エクストラスキル強奪を一瞬で無効化、強奪、消去、可能です。』
まぢ!?Σ(⚙♜⚙ )
待て待て待て!エクストラスキルぞ?相手様は!
しかもテンプレ最強スキルの強奪ぞ!!!?
( ゜Д゜)ハァ?
( ゜Д゜)ハァ?
( ゜Д゜)ハァ?
それを屁ともしない俺!
逆にそれを無効化できる上に?強奪できて?消去までできる、だと!Σ( ꒪□꒪)‼
俺ってどんだけ最強生物よ!?意味不明なんだが!?
エェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエ(゜Д゜ノ)ノエェエェエェエェエェエェエェエライコッチャ‼︎
『肯定そして追加事項。
主人はほぼ無敵と言っても過言ではない最強生物と言えます。
またこの世界の記憶アカシックレコードにアクセスしたことにより、エクストラスキル#智全能の一部が解放されました。』
いや、ツッコミを肯定されてもね!?Σ( ꒪□꒪)‼
、、、あん?#智全能が???一部ってことはバグは治ってないのね。
まぁ解放されたならいいや!前より一部わかることが増えたってことでしょ?
『肯定。
一部開放により禁忌事項だった部分も開示可能となりました。』
なん、だとΣ(⚙♜⚙ )
一部開放舐めてたわ!スッ、スゲー!!Σ(゜Д゜ )
まぁ今は放置だがな(笑)
でだ、初代勇者は敵ではないのでシカトでいいと?
『肯定否定そして説明。
初代勇者は主人の敵ではありません。主人と比較すると雑魚になります。
しかし、真希さん達には強敵と言えます。
しかし、称号《偉大なる存在シュフの応援》があれば、主人が気づく時間は稼げるので敵ではないとも言えます。』
、、、俺の一瞬の心配と少しのシリアスモードを返せ!!!
(# `)3')▃▃▃▅▆▇▉ブォォォォォォォオオォ
そんなこんなで初代勇者は放置が決定となった!
仕方ない。敵ではないんだから仕方ない。(遠い目)。
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、
で、ここから私が考えなければいけないことは何か。
うん、話を変えたが何か???真面目ぶって変えましたが????
創造主と呼ばれる存在について。
残りの自称神について。
何故か生き残っているオフィーリアについて。
キュート、創造主って強い?
『肯定。
普通の存在には太刀打ちできないほど強いと言えます。
普通ではないので比較対象に主人は含まれません。』
え?Σ(゜д゜|||)
創造主=隔だ絶した御方だと思ってたんだが!
回答も例の、禁忌事項になんちゃらって返されるつもりでいたんだが!!Σ(⚙♜⚙ )
待て待て!ステイ自分!聞いてみればいいじゃない!
創造主=隔絶した御方?
『肯定そして推測。
スキルシステムに禁忌事項を作成可能な存在として創造主があげられます。
アカシックレコードには神木のなる神域の主として創造主が記録されており、自称神族とは隔絶した存在と言えます。
しかしアカシックレコードにはこの世界の記憶のみしか存在しません。
そのため、創造主の情報が圧倒的に不足しています。
自称神族のようにその創造主すら端末の可能性があります。』
ええΣ (´Д`ノ)ノ面倒!!
端末端末て、、、知らん!
まぁ、一部開放で神域の主が分かったからいっか。そういう事にしておこう。
めんでぃーのよ!Σ(⚙♜⚙ )
キュートが言ってた隔絶した存在ってのが創造主って分かっただけでもスッキリしたわー!
少し残った頑固な汚れがペロッと取れた時のようだよ。
❁.*⋆✧°(●´ᆺ`)
てか創造主は置いといて。
自称神族ってほぼ天使みたいなもんじゃね?
お手伝いさんなんだろ?元々は。
その記憶が消去されたせいで、わたくしたち神族!(ドヤ顔)って勘違いしただけでさ。
まぁ、他が圧倒的に自分達より性能が悪いなら特権階級意識ができても仕方あるまいて。記憶ないしな!
ε-(≖д≖﹆)
それにしても端末にするためとはいえ、記憶喪失状態で放置するとか創造主が鬼畜!
記憶消去せずにさ、指示でも出しときゃよくない?
そしたら、気に障ったからって同族殺しさせずに済んだのにな!
てか、気に障ったからってやらせるか?同族殺しぞ?
考えれば考えるほどに、創造主とは合わねーわ。
無理!絶対無理!会いたくない!アッチ(・∀・)イケ!!
まぁ創造主も末端かも知れないなら考えるだけ無駄だがな!
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、