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異世界召喚〜勇者(偽)を用意して隠れて私が殲滅する!私は引きこもり主婦ですが?なにか?  作者: 抹茶きなこ
第四章《最初の勇者とオフィーリア〜誰も彼も不気味すぎる!》
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五十四話 とうとう見てしまった!オフィーリアの記憶〜過去の勇者テンプレからの更なるテンプレへ

残酷な表現があります、ショタがいます。大丈夫な方のみどうぞ!





思いつくけどやりたくない。でもやるならこれっていうのは以下の五つ。


①【今は無き魔導書の名前を見つけよう。】

②【聖教のオフィーリアが勇者召喚を促した理由を知ろう。】

③【オフィーリアの記憶をみよう。】

④ 【この世界の記憶アカシックレコードにアクセスしよう。】

⑤ 【生身で戦ってみよう。】



二つもオフィーリア関連て。( ゜Д゜)ハァ?


、、、んーまずはこの世界で一番有名な勇者のお話を聞かせておくれや、キュートさんよ。


『肯定。音読を開始します。』



༻༻༻༻༻༻༻༻༻༻༻༻༒༺༺༺ ༺༺༺ ༺༺༺


昔々、この大陸を大きな大きな禍が襲いました。

その禍は人々を苦しめ、自然さえも壊していきます。


そんな中エルフ、ドワーフ、竜人、獣人、普人、魔族の王達は力を合わせて、禍と戦うことを決めました。

それぞれの国で一番強い戦士と魔法使いを禍と戦わせたのです。

しかし禍はあまりに強く、戦士と魔法使い達は負けてしまいます。


そのことを哀れに思った神オフィーリアはこことは違う別の世界《異世界》から、禍に打ち勝つ力を持った者を呼び出す魔法陣を授けました。



人々はそれに感謝し、神オフィーリアの言う通りに異世界から力を持つ者を召喚しました。


その時、召喚されたのが《禍に打ち勝つ力を持つ者》勇者とその仲間達でした。


勇者の仲間達は三人いました。


この世界の者より多彩な術を使う大魔導師である賢者。

傷つき疲弊した人々全てを癒す力を持つ治癒魔導使いである聖女。

そしてこの世界の誰よりも打たれ強く、他者を守ることに長けた大楯使いである守護者。



彼らをこの世界に召喚した王達は言います。


「この世界を禍からお救い下さい」



知らない世界に、いきなり呼び出された勇者達は驚き戸惑っていました。

しかし王達の悲痛な願いを聞き、城の外にいる疲れ傷ついた人々を見て、その願いを叶える決意をしたのです。


勇者達は禍に勝つ力をより高めるための旅に出ます。

それは各国を回る旅でした。


エルフの国、ドワーフの国、竜人の国、獣人の国、普人の国、魔族の国。


それぞれの国で聖女は人々の傷をその治癒魔導の力で癒し、壊れた家々をその多彩な術で賢者が元に戻します。

力持ちの守護者は倒れた木々の片付けを手伝い、勇者はその不思議な力で人々の心にある怖い思いや嫌な思いを消しました。


その後勇者達がその国の城を訪ねると、その国一番の剣や盾、鎧や兜、杖や槍を勇者達に授けてくれました。


全ての国を周り、強い武器や防具をもらい、更なる力をつけた勇者達は禍に勝負を挑みました。


禍は守護者の大楯を抜けることができません。


禍は賢者の多彩な術から逃れられません。


禍は聖女の清らかな結界を壊すことができません。


禍は勇者の不思議な力に勝つことができません。



そして禍はこの世界から去りました。


それを祝福して神オフィーリアが勇者の頬にくちづけを送りましました。

すると勇者は一瞬で神オフィーリアに恋に落ち、結婚を申し込みました。


神オフィーリアも勇者達の姿をずっと見てきたのです。

そしてその勇敢さや優しさ、そして人々の言葉に真摯に向き合う様子に胸打たれていました。


彼らの姿に王達は感動して拍手を送りました。

人々も恩人達の幸せに拍手を送ります。


こうして勇者達と神オフィーリアはこの世界でいつまでも幸せに暮らしました。


༻༻༻༻༻༻༻༻༻༻༻༻༒༺༺༺ ༺༺༺ ༺༺༺



( ゜Д゜)ハァ?

( ゜Д゜)ハァ?

( ゜Д゜)ハァ?



待て待て、最後がオフィーリアの逆ハーみたいになってない?オレの邪推か?

いやこれ、明らかにオフィーリアの魅了にかかってないか?これもオレの心が汚れてるからなの?

それに勇者の力がすごく怖いんだが??

そう思えるオレが変なのか?


てか、こんだけ神オフィーリアって連呼される御伽噺が有名なら、お偉方も名前知ってるよねっいうね!

まぁ聖教のせの字もないがな!


で、ホントにこれが一番有名な勇者の話?

各国でも知られてるレベル?


『肯定そして肯定。

このお伽話が一番有名な勇者の話です。

各国でも有名で子供の寝物語にされるほどです。

またその内容に多少の差異はあっても大きな違いはありません。』


Σ (´Д`ノ)ノエエエ!!

これ見てめっちゃ違和感ありありなのは俺が変なのか???


『肯定または否定。

一般的に、このような構成の話は多数存在します。

違和感がある主人が変か、と問われると肯定せざるを得ません。

しかし主人はこの御伽話でいう召喚された勇者に当たり、その当事者目線での判断であるならば妥当と言えます。』


ん?変って肯定したの?してないの??

まぁ本当は怖い御伽話的なのが元の世界で流行ったしねぇ、裏を想像するのは当然ですよ!

たまに実は史実とかあるからね!


それにここって剣と魔法の世界だろ?

ならばまず魅了か精神攻撃を疑うだろ?特に特権階級の皆さん!疑ってください!


これ、貴族とか王族も読む?


『肯定。貴族でも読まれる有名なものです。

また現在一つを除く、大陸全ての国の王又は皇帝は先程の内容とほぼ同様の御伽話を2〜10歳までの間に、少なくとも4回は読み聞かせ又は自分で読んでいます。

例外である聖エルリアナ神国の場合、ユダリエルが変則版の勇者の御伽話を読んでいます。

この変則版では神オフィーリアではなくエルリアナ、そして勇者ではなく大一之宮が世界を救います。

この御伽話はユダリエルのためにエルリアナが作らせました。』


おい!最後!キモいよ!ヒイィィィ!!!!(゜ロ゜ノ)ノ

ならなにか?神国では大一之宮が勇者扱い?ならあんなに軽んじられんだろうよ!

どうせユダリエルの為だけのものだからってんでユダリエルしか読んでないんだろ?


『肯定。主人の推察通りの理由で制作され使用され、最後はエルリアナの宝物となりました。』


ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィ(゜Д゜ノ)ノ


なに!?宝物ってなに!?

え?幼児の本を蒐集するやつ?コレクター!?蒐集家!?幼児の使用物の!?

キモし!変態度合いがより増したぞ!今までもかなり酷かったのにな!


スルーしたい!記憶から消したい!そんな情報いらなかった!!!!


、、、待て?エルリアナは作り替えることが可能なくらい勇者の御伽話の内容を知っていたと???

一応、キモショタ屑のド変態でも頭に馬鹿がつくが自称神。

しかも、あいつオフィーリア嫌いだったよな?なんかステータスにあったろ?

そんな奴が出てるのを普通読む?読まなくね?


『否定そして肯定、推測。

まず主人のいうステータスの記述は以下の通りです。

《聖エルリアナ神国のパチモンのような聖教会とその絶対神オフィーリアが嫌い。》

また聖エルリアナ神国の宗教対象がオフィーリアだと勘違いしている者も少ないですがいる為、エルリアナはオフィーリアをより嫌っています。

エルリアナは御伽話として勇者の話があることは認識していたようです。

しかしオフィーリアの名が出ると知り、その御伽話を読んではいません。

またエルリアナが存在している間に、御伽話と同じような出来事が起きている可能性があります。』


パチモンて(笑)


あーね、確かに!あの自称神連中は歳わからんしねー。

なら御伽話で記録がまだ残ってるくらいだし、そんなに時間経ってないのかも?

だから奴らは当時実際生きてたかもな!

それに読んでなくても、内容知ってる書物なんて結構あるしね。


てか大陸会議で勇者召喚って言葉が通じたってことは御伽話のおかげなのか。


???あれ???俺聞いたか??

うちらを除く勇者で、一番最近召喚されたのはいつ??


『今からおよそ750年程前に現在のガルド王国にある魔法陣により勇者召喚が行われました。』


聞いてなかったぽい、なぜか。何故に??


現在のガルド王国ってことは750年前は違う国?

聖エルリアナ神国の建国が一万五千年前よな?


『肯定そして肯定。

ガルド王国は現在で建国500年ほどです。当時は帝国の一部を含めたガルド王国の国土全てが一つの国でした。当時それらの国土を保有していたのがヒットアランド王国です。

また聖エルリアナ神国をエルリアナが興してから一万五千年が経ちます。』


おお!ジパンヌは?


『ジパンヌ王国は建国2700年ほどになります。』


ガルド王国に比べてむっちゃ長い!スッ、スゲー!!Σ(゜Д゜ )

あ、日本は?


『主人の知識にある◯ikipediaでは諸説ありますが、建国2679年になります。』


ジパンヌとほぼほぼ同じ(笑)


なんか面白がってたけども。

勇者召喚したなら、その頃すごい災害とか、めっちゃ強い敵とかが出たわけ?


『否定説明。

災害や圧倒的な敵の出現などは起こっていません。

勇者召喚が行われたのは、当時のヒットアランド王国が他国に侵略する為の戦力欲しさです。

召喚時点で、すでに帝国に侵略行為を行なっていました。』


( ゜Д゜)ハァ?

( ゜Д゜)ハァ?

( ゜Д゜)ハァ?


所謂テンプレ召喚の戦争ハードモードじゃねーか!馬鹿なの?その国!

この時はうちらの時みたいにオフィーリアの天啓とかがあったわけ?


『肯定そして否定。

ヒットアランド王国の当時の王が馬鹿でした。

何故か自分に自信がありすぎ歴史に名を残すため国土を増やすことを決意、実行しました。

そしてこの勇者召喚にオフィーリアからの働きかけはありません。』


ただ単に馬鹿だったんだ、王が。

( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)


勇者達どうなった?


『勇者達はすぐに事態を把握、隷属させられる前に逃亡しました。

そして冒険者となり無双、SSSランク冒険者となりました。

また後にヒットアランド王国のクーデターに参加、王の挿げ替えを達成、侵略行為をやめさせることに成功します。

そして平和になったこの世界に骨を埋めました。』


おお、なんか普通になろう系小説だ!

すぐに事態が把握できるってことは年代同じくらいじゃね?しかもラノベ、なろう系の知識持ちな!


この勇者達帰れなかったの?帰らなかったの?


『推測。

その時点で聖教が秘匿していた元の世界への帰還方法は無くなっていました。

しかし、勇者達が帰還方法を探した形跡はなく、ただ帰る意思がなかったのではないかと思われます。』


ふーん。なんか日本人で寿命、長くて100ちょいよ?750年前とかよくわからんなぁ。

技術的に、、、まぁオフィーリアが授けたなら技術も何もないか。


オフィーリアが魔法陣授けたのいつ?

てか御伽話的には全部の国の王に授けたってあるけど、何故にピンポイントで普人の国の1カ国だけ???


『少なくとも一万五千年以上前と考えられます。

詳細を調べるにはオフィーリアの記憶を覗く必要があります。

また御伽話には以下のような記述があるだけです。

《禍に打ち勝つ力を持った者を呼び出す魔法陣を授けました。》

勇者達に願い事を言うのが各国の王達なだけで、一言も複数授けたとは言っていません。

また現在と当時では国の分布も違う可能性が高いです。

勇者召喚の魔法陣が授けられたのが、普人の国ではなかった可能性もあります。』


工エエェェ(´д`)ェェエエ工工


結局はそこに行き着くわけですね、オフィーリアの記憶を覗くって行為に。

なんか変態みたいヤダ(゜ロ゜*)ノ


オフィーリアの記憶を覗く時、指定を勇者召喚の魔法陣にした場合、弾かれる恐れあり。

隔で絶してる方のせいですよ!


前はあまりに面倒くさくて、放置を決定したんだっけか、、、切実に放置したい。


試しにね、試しに。

もし自称神とかの記憶を覗くと、どうなるの?

どんな風に記憶が見えるの?


『この世界の絶対的上位者の記憶を覗く場合、範囲が指定されていなければ何万年を超える膨大な記憶が情報となり、頭に入ってくるので通常では脳が処理できず、終わります。

主人の場合その限りではありませんが、倒れる可能性が高いのでベッドで行うことをお勧めします。

範囲がある程度指定されている場合、自称神の視点からの感情を込めた情熱大◯風に映像が流れます。

どちらにしても主人はどうにもなりません。倒れるだけで無傷です。』



、、、Σ (´Д`ノ)ノエエ!!


ならいいか!もうそのまま終わったら、それはそれでいいか!

ベッドに行こう、もしもの時のためにな!Σ(⚙♜⚙ )


ならオフィーリアが魔法陣を授ける時の記憶を見せてくれ!


『肯定。ユニークスキル絶対看破、エクストラスキル:キュート、最適化、全自由設定、多重人格、#知全能を使い、この世界の絶対的上位者であるオフィーリアの記憶を覗きます。』



————————————————————————————-

今日は面白いこと思いついた日。


自分が存在してることに気づいて、どれくらい経ったかしら?実のところあんまり気にしたことがないの。

崇められる神様って意外と暇なのよね、だから月日なんて考えもしない。

したい事とかやりたい事は下民(下界の民)に言えばいいもの。

勝手にやってくれるし、私を崇める聖教なら喜んでくれる!


ふはっ馬鹿みたいに!


下界と上界で一つの世界。

そして私達神がいるのは上界。下民のいる下界。

でも上界にいても、みんな別れて暮らしてる。行き来も出来ないようになっているの。

ずっと昔に下界での約束事を破った子をみんなで殺してからは、みんな自衛のための安全地帯を作ってそこで暮らすようになった。

でも未だに約束事を破った者は、必ず皆で殺すわ。約束事はとっても大事なことなの。

安全地帯で、それからずっと寝てる子も居るみたい。

これはね、妖精さんが教えてくれるのよ!

この世界には妖精がいる。彼らはどこでも行き来自由なのよね!


でも秘密だけは妖精如きじゃ見れないの。


できるのは噂話や下界の話、他の神が何をしてるかくらいかな?楽しいお話程度。

だから私も一人でも暮らしていけるわ、話し相手であり友人、家族みたいなもの。


ふはっそんな存在いたことないんだけど!


まぁそんな退屈な日々を、自分を称える下民の信者達を使って色々しながら暇を潰してるの。

下界でのだいたいの規則を作って、みんなでしっかり守りながらも、規則の網を潜り抜けて人を面白おかしく動かす感覚は遊戯に近いものがある。


ふひっ神々の遊戯ってやつね!たまに下民を使って陣取り合戦とかをするのよ♪

減り過ぎても困るから、本当にたまにね!


今日は面白いことを思いついたの。

ここじゃない世界から、力の強い者を連れてくる方法を下民達に教えたらどうなるだろう?って。


ふはっ!面白そうじゃない?


一応帰る方法も思いついたけど、いるかしら?

折角の規則の縛りもない暇つぶしに良いおもちゃなのに?

でも私は召喚も帰還も、両方の魔法陣を授けてあげる。


帰還の方法を下民達がどうするかが見ものよね!


ある神がね、下民の王がこう言ってるのを聞いたの。

「我が治世で災いがあるならば、それをも蹴散らし、従えて見せよう。

もしそれを見つけたなら持ってまいれ。」

ですって!


馬鹿じゃない?あはっ愚かで面白い!


自分で災いが欲しいなんて変な人もいるのね!

私達からしたら、すぐにでも殺せるか弱い存在なのに下民なんて。


王ってだけで、こんなに自信過剰になるなんてウケる!


だから今丁度、その神が禍って言う珍しい魔物を放って結構時間が経ってるから下界は滅茶苦茶なんじゃないかしら?

禍って魔物はね、私達神でも成長したらちょっと面倒なの。

下界なら本体も厄介だけど、災いを撒き散らすからそっちもかなり厄介かもね?

そこで召喚の魔法陣を思い付いちゃったんだもの。


ふはっ好きに演出して大いなる見世物にしてあげましょう!


今までで一番いい思いつき。

なんで今まで他の世界から人を連れてくることを想像出来なかったのかしら?

簡単に強い駒が増える方法なのに、不思議。

でも今思いつけたんだもの、残念がることもないわよね。





下界に顕在してみたら、下民達は傷つき死に、自然も台無し!木々は折れてるし、湖は穢れてる。

禍ってこんなことまで出来るの?

このまま禍にこの世界にいられたら上物が何にもなくなって、穢れた大地しかなくなるじゃない。

遊ぶものがなくなるのは困るわ!それにあんまり人族の数が減ると下民を増やす間がとっても暇じゃない!

それに一人も下民がいなくなっても私達新しくは創れないのよ?

それに自然まで壊すなんて、折角の箱庭が台無しじゃない。これじゃ下界の景色を見て楽しむこともできないわ。


ここまで遊び場を荒らしたんだもの。禍を放った神には罰が必要ね、ふひっ!


さて、一番いい舞台はどこかしら?

やっぱり観客は多い方がいいし、下民でも偉い方が格好がつくわよね?

確か各国の偉い下民が集まる会議があったはずなの。

こういう禍ほどではなくても、大きな災害の時に国の王とかが集まるのよね、魔法陣を授けるのにお誂え向きだわ!

んー何処であるのか分からないし、聖教の信者にでも天啓で調べてもらおうかしら?

ふふっ簡単!そうしましょう〜穢れた下界にずっとはいたくないもの。



わざわざ各国にひとりはユニークスキル天啓か神問いをもつ信者を置いてた甲斐があったわ!

すぐに情報が入ったの。ふふっやっぱり信者って便利!

今回の会議はどうやら魔族の国ガルバライドであるみたいね。



ふふふふははは!!!ここの王よ!ここの!

災いを蹴散らすだの、見つけたら持ってこいだのって豪語した王が治める国!

この王になってから魔族とその他の戦争が多くて面白かったけど、災いにまで手を出したのは着々と国土を増やしていった自信のせい?

ふはっ馬鹿じゃない?下民と禍じゃ全然力が違うのに。



この王、自分が原因って分かってるのかしら?

ふふっ分かるわけないか、だってそれが分かるような頭があればあんな発言なんてしないわよね?

災いは退けられないから災っていうのに。

だからそれにあうなら備えなきゃ、そして過ぎていくのを待つのが賢い方法。

それを持ってこいなんて、本当に愚かよね。

下民が死んでるのもこの王のせいよね?元を正せば。


ふひっ全部が終わったら罰をあげなきゃね?


でも今は全ての王が揃うっていう方が大事。舞台に立つ役者としては必要な王。

だって全種族の王がいるっていうのが一番見栄えがいいんだもの。

折角久しぶりに思いついた面白いことで、大いなる見世物を作るんだもの。見栄えだって大事なのよ!



下界に顕在した私は、王達にそれはそれは美しく見えただろう。

色彩は同じでも、それぞれが一番好ましく思うタイプの女性としてその目に写るようにしたから。

見世物でも、やっぱり神は美しくなきゃ面白くないもの!

見世物でも物語でも女神は美しいって、そういうものでしょ?

そんな美しい私が、禍におそわれる世界を哀れんで授けた魔法陣。召喚と帰還の。

ふふっすぐに食いついてきたし、使うために必要な魔力のために多くの人達を呼んだ。

神が言うからかしら?それともそれだけ切羽詰まっていたの?

なんの疑いもなく召喚の魔法陣を起動させたわ。

呆気なくて少し、つまらなかった。

王達の願いも特に諍うこともなく、すぐに召喚者達に叶えられることになったしね。


でもね、現れたもの達のことはとっても気に入ったの!

一番気に入ったのが、不思議な力を持った男の子。

現れたもの達はね、みんな黒髪なの。そして黒目。

その男の子もそう。でも象牙色の肌と凛々しい眉、大きな目、鼻は少し低いけどそこがとても可愛いのよ!

それに何より、その不思議な力!

私達神にもない力よ、どんなモノでも複製してしまうの!

私が見たのは引退した騎士の持つ剣術スキルを複製したところだった。許可は取ってたみたいだけど、多分無断でも複製できるわ。

他の者達の力も、この世界のものに比べると段違い。

流石、禍を退ける力を持つものを召喚しただけはあるって、そう思ったわ。



王達の願いを叶えるべく、彼らは旅に出た。

その間はひとつの物語を見ているようで、とても楽しかった。

見ていて思ったのはやっぱり、あの男の子の力は凄いってこと。

どんな風になってるのかどうしても分からないけれど。


禍が振りまいた災いで家は壊れ大怪我をし、家族も亡くしたひとが居るとするでしょう?

その子がその人に手を翳すと、何故か笑顔になるの。

まるで家が壊れたことも家族が死んだことも、今までにあった酷いことも無かったみたいに。

とても不思議な力、でもみんな気づいてないみたい。なぜ?


それを全ての国で大勢に使ったのに、誰も不思議に思わなかった。下民全員がただただ讃えただけ。


そして禍に戦いを挑む勇気を称えて、その子は勇者と呼ばれるようになっていったの。

勇者にならってか、一番魔力が強かった子は賢者、治癒が得意で聖魔道の適性が高かった子が聖人、大きな体と誰にも負けない力を持った子が守護者って呼ばれ始めた。

そして、その頃には既に禍にも勝てる強さを持っていたわ。国々からも強力な武器や防具を貰ってたから、戦うには十分。





ほら、簡単に折角の楽しいお話も終わってしまった。

禍は、その子達に全然敵わなかった。

楽しいお話の最後ってつまらなく感じるものだけど、【禍と勇者達】の最後も呆気ないわ。

禍は去ってしまっただけだし、勇者達の誰かが死んで悲劇で幕を閉じるわけでもない。

ああ、本当につまらない。


だから最後に花を添えるくらいの気持ちで、勇者達を称える宴に顕在した。


室内で行われるような小さな宴じゃない。大陸中のさまざまな種族、地位の人々が目に入る所全てにいる!

こんなに大勢が集まったところなんて見たことない!

禍が壊して行った森、守護者の子が木々を片付けて作った広い広い荒野にみんながいるのよ。

それぞれに持ち寄った食べ物やお酒は豪華でも高価でもないけど、みんな美味しそうに食べて飲んで!

私が演出した物語の終わりは呆気なくてつまらなかったけど、その物語の中に入ってみるとこれはこれで面白い!


魔法陣を授けて大陸を救ったおかげで信者もかなり増えたみたい。

顕在で私の姿が見える信者達が騒ぎ始めて、勇者と呼ばれるようになった子達が連れられてくる。

ふふっ初めてこの世界に来た時と、顔つきが違うわね。下民の親が子を見る時こんな感じなのかしら?

成長してもう一人前の男の人みたいなんだもの、もう男の子だなんて言えないわ!


ふはっだから私は彼の頬に祝福の口づけを送った。


一瞬、驚いたように目を見開いた彼、勇者は私の髪を撫でた。

そして一緒にいて欲しいと言ったの。

神である私に、異世界の勇者が求婚する。物語の結末にはぴったりじゃない?

だから私はただ微笑んだ。答えてはいないけれど、そう取れるように。

周りにいた人々は拍手を送ってくれた。それはそこにいた人全員に広がって大きな大きな拍手になった。

ほら、めでたしめでたし、で物語は終わる。


その後はやっぱり元の世界に戻りたい人が出てきて、私の授けた帰還の魔法陣で勇者を除いた三人は帰って行った。

少し意外に思ったのが、この世界の王達が帰還方法を隠しもせずに素直に帰したことかしら?

でも神である私はその魔法陣があることを知ってるものね。

下手に隠して知られた時は禍に向いていた力が、自分と自分の国に向くんだもの、ある意味賢明だったのかしら?

私に求婚した勇者はどの国にも取り込まれることなく、自由が許された。

普通ならこんな英雄の力を放置なんてできないもの。姫をあてがって国に縛るか、魔道具で隷属させるか、他にもいろんな方法で全ての国が取り込みにかかる。

もう禍はいない。なら次は、どことどこが戦うか分からないんだものね。

しばらくはそんな力もないだろうから、いいけれど。

もしもの時、勇者の存在は絶大よ?誰も手を出さない、ううん、出せないもの。

禍に打ち勝つ力は人族にも有効なの。だから彼には私の最高の駒になってもらう。

私を称える宗教である聖教の下界での代表者。

?そうだ、どうせなら彼の信者も取り込んでみようかな?

そしたら、また何か楽しいことが出来そうだもの!



————————————————————————————-



おお!見えた!!!

魔法陣見えた!!!!これ帰還の魔法陣で正解?


『肯定。この当時にオフィーリアが授けた帰還の魔法陣と思われます。』


これで帰れるのか????え?最初から見てれば良かったのか?オフィーリアの記憶を?


『否定そして否定。

この帰還の魔法陣が現在も使用可能かわかりません。

また、この魔法陣が帰還する場所が主人の元の世界とは限りません。

この記憶を最初に見ても以上の事実は変わりません。』


( ゜Д゜)ハァ?

( ゜Д゜)ハァ?

( ゜Д゜)ハァ?


え?元から帰す気なかったってこと?オフィーリアに魔法陣授けたやつは糞か!


『否定。そして禁止事項に当たるため回答できません。

あの魔法陣は当時の状況を元に作られたものです。

それぞれの要素が異なる現在、何も検証せずそのまま使うのは危険です。

この魔法陣の検証を提案します。』


あ、そうだな。すまん、なんか興奮し過ぎたわ。かなり疑ってかかって記憶見てみたらばっちり魔法陣はあるはさ!特にぼかしてもないし!

ナニコレ!キタコレ!


キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!


ってなってた所で、キュートに疑問をパシッと叩き落とされたもんだからさ!


んー検証は確かに必要だね!要素が変わったなら失敗も大いに有る。

てかヤバイ、そのまま変なとこに飛ばされる恐れすらある!

ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィ(゜Д゜ノ)ノ


帰還の魔法陣を紙に10枚くらいコピーしといて!ちょっと調べたい事があるわ。


『肯定。帰還の魔法陣を紙に10枚複製、完了、インベントリに収納しました。』


ありがとう!

あ、魔法陣の帰還場所が違うかもってなに?

まさか!当時の召喚者達、見た目日本人で黒髪黒目でも、他の世界の奴らかもしれないってこと!Σ(⚙♜⚙ )


きた!パラレルワールドか!!ヤダ(゜ロ゜*)ノ

でも俺ら、あの召喚の魔法陣できたんぞ??そこも要素の違い??

、、、わからん、専門家に任そう。

信用できそうな専門家なぁ。魔法陣的には魔族かエルフなんだろうが、いかんせん魔族のことは知らんしエルフはダメだ!

でも信用できそうなのは魔導【発言履行】で縛ってる普人三国か。

ガルド王国はダメ!信用できない。

アバロン帝国も、あそこ歴代皇帝がアレだったからイマイチな!

ジパンヌ王国は、、、わからんなぁ。

キュート的にはどこがいいと思う?


『推測そして提案。

魔導【発言履行】で縛っていない場合、その国がどのような反応をするかわからないため、縛っていない国は除外します。

魔導【発言履行】で縛られた三国では技術不足であると判断、またそれは縛られていない国でも程度の差はあれ技術不足であると判断します。

しかし、今回の帰還の魔法陣の提示はその技術を促進させます。

そのため、エルフの国、魔族の国、竜人の国を魔導【発言履行】で縛ることを提案します。』


おお!新たに縛るかー確かにね!他の国もゴンゴンに俺に借りあるからな!

わかってるか!全ての国のトップかその次!

お前らが生きてるのは、俺がバ神エルリアナの暴走殺戮パーリィを事前に防いだからだぞ!大変だったんだからな!!!!


キサマァ━m9(゜Д´)ノ━ァァァァッ!!


だから俺はなんの罪悪感もなく魔導が発動できる!

もともと他にも貸しはあるしねー!極論この世界の全員が召喚者に借りがある状態なんです!


いや待て、そんな事がなくとも魔導【発言履行】くらいなら使えそう。

だって公式の発言を守るのは当たり前のことでしょ??

(๑• ̀д•́ )✧+°ドヤッ








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