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異世界召喚〜勇者(偽)を用意して隠れて私が殲滅する!私は引きこもり主婦ですが?なにか?  作者: 抹茶きなこ
第一章《各国を襲うモンスタースタンピート編》
33/77

三十二話 帝国についた、おかしなモノを発見した〜おい!昼ドラかΣ(⚙♜⚙ ) !

子供に出生に関する複雑な話や、近い血縁間での子供などの話があります。また帝国の皇帝の一族として皇家、皇族、皇太子などの言葉が高頻度で出てきます。ダメな方は回れ右!大丈夫な方のみお願いします。



無事、帝国との国境を超え帝都グランドベリーへと向かう勇者一団だったが街道を進むにつれある疑問を持たざるを得なかった。


それは何故全く魔物がいないのか、という疑問である。


あまりに順調に旅が進みすぎているのだ。

全く一度も魔物に遭遇せずに、小さな町を数カ所そしてそこそこ大きな都市を経て、すでに帝都まで幾日か、という所まで来てしまっていた。

明らかに異常だ。


確かに大規模なモンスタースタンピートが起こっているアバロン帝国だ。

ある程度の魔物は帝都や大きな都市に集中しているかもしれない。


しかし、ガルド王国国内でも言えたことであるが人の気配が多い王都に万単位の魔物が集中しても他にも魔物は多くいるのだ。

現に商業都市カネナルでは小規模のスタンピートは退けられたが近くにある【魔の森】ではそれなりに多くの魔物がいた。

そしてガルド王国では王都の大規模なモンスタースタンピートが殲滅という形で収束したが、その後には近辺にもそれなりの強さの魔物がいつものようにいたのである。


まず考えられるのは、強力な魔物の出現、都市部への移動により弱い魔物が都市部と反対に逃げた、というものだ。

しかしある程度大きな都市でも小規模のスタンピートさえ起きてはいないようなのだ。

道中にあった都市で話を聞いてみるとその都市では起きなかったし、王都からの商団が来なくなった話は聞いても他都市からのそれらは滞りなく来ていた。

それにそれならば街道のどこかで魔物との鉢合わせなければおかしい。何処かしらの都市部と反対側に位置するはずの街道は通ってきたのだから。


そこで考えられるもう一つは、強力な魔物に普通の魔物が喰われ、より強力な魔物にその強力な魔物が喰われ、普通とは比べ物にならない強者である魔物だけが残り、周りの人の気配を無視して帝都に向かった、というものだ。


これ、無さそうであり得る話なのである。


今回のモンスタースタンピートは明らかに人為的ではないかと疑える要素を多く含んでいる。


それは商業都市カネナルの事と共に話したが、近場の多くの人の気配よりも遠くても人口が多い都市へと魔物たちは行軍しているのである。

まるでわざわざ人口の多い都市へと進めと指示されているように。

元々突然変異で上位個体となった魔物の指揮下に入った同種は周りの雑魚を食料として食べながらその数を増やしていく。

だから普通の魔物は近くに上位個体が生まれると逃げるのだ、喰われないために。


そんな話を道すがらしていたが結局、帝都まで後一両日の所で勇者一団は足を止めた。


クロエが制止を叫んだからだ。 クロエにしては珍しく焦ったような声で。


同じ馬の後ろに乗っていた桃香がクロエの背中をゆっくり撫でる。

それに気づき、ゆっくりと深呼吸をしたクロエはいつものキリッとした顔に戻っていた。

一言桃香に礼を言い、クロエは主張した。


一度、少し戻るべきだ、と。


その言葉に反応したのはマックスだ。

クロエはここに来るまでの旅路でその優秀さを示して来た。

そんなクロエの様子に緊急事態を察し、命令を下す。

アンネリーネも、こういう時に素人が口を出すべきではないことを承知している。

そして正義以外の皆が明らかな違和感を持ってここまで進んできた自覚があった。


すぐ様一団は、最高速度で後退した。

誘導はクロエが担当する。

一番に異常に気付いた彼女について、先ほど通ってきた道とは違う帝都一帯を一望できる小高い山の中腹へと一時間ほどかけてやって来た。

そこから見える景色に一同は絶句した。


すでに夕刻に差し掛かり、真っ赤に一帯を染める夕陽の光の中にそれらはいた。

ガルド王国で見たのはオークとその上位種、そしてオーガエンペラーだった。


過ぎた時間か、それとも他の意図からか。



帝都グランドベリーを取り囲むのは、オーガの群れであった。

ガルド王国王都を取り囲んだオークの群れと、そう変わらない数のオーガの群れ。



そこにいた勇者一団には細かいことは分からないだろう。

それらはオーガナイト、オーガメイジ、オーガマジシャン、オーガジェネラル、オーガキングそしてオーガエンペラーを含むほぼ変異種で構成された数万の軍勢だ。

MAP機能とキュートの説明から群れの大まかな配分を知り、ため息が出る。


これ、ここから一瞬で終わるくね?終わるよな?

なんかさっきからのシリアスさんがどこかに行こうとしている件!

なに?わしが絡むとそうなんの?

\(゜ロ゜ )ナンデヤネン!


うんうん、でもさ。このままシリアスさんが出張ってたらさ。きっとさ。

泣き喚く子供、それを庇う母親、襲いくる魔物、母子を守る父、泣き叫ぶ母子、倒れる父。

みたいな事になるよ?なるよね?悲惨だよ?ね?


『肯定。今なにかしらの大きな刺激があれば群れは一斉に帝都に進撃します。そのような場面は帝都のどこでも見られるような状況になるでしょう。』


うん、ほらキュート、真面目だからきちんと答えちゃう訳で、そこに悪気はない訳で。


今のうちにできることをしないと後で後悔するからね。

さしより、誰にも神にもバレないように帝都の外壁から半球状に街を覆う感じで、オーガが入れないように結界はって!

ほら!これで刺激されても大丈夫!


王都の時は倒す事に専念してたから調べてなかったけどさ、なんで襲いかかるのにいつも時間がかかんの?帝国までおよそ1ヶ月、その前から囲まれてたのに襲わないっておかしくない?


『肯定。

普通のモンスタースタンピートであれば統率する個体により差はありますが、食料及び苗床の確保に動くのが既定の行動です。

今回は道中、他の魔物たちを食料にし、尚且つ多くの魔物を食料として帝都の周りに持ってきています。

王都や帝都のような大都市ではその城壁の強度によりその進行具合が変わります。

今回のように外に出てきていた者を倒すにとどまっているのは異常であると言えます。

また、このような本能から逸脱した行為に長期間、知能の低い下級の魔物が従っていることから統率者であるオーガエンペラーの絶大な支配力がうかがえます。』


こんだけ長いこと帝都を囲んでるのはオーガエンペラーの意思ってことか?

ならMAP機能には特に人族とかの影とか、神とか、神の意思とか、神の影とか、神以上の存在の意思とか、どう?ない?


『禁止事項に抵触したため回答できません。』


、、、なら神以上のは、なしで。


『否定そして肯定。はっきりした人族の影は存在していません。そしてこの世界での絶対的上位存在の影を発見しました。オーガエンペラー複数体に聖教の絶対神オフィーリアの寵愛を確認しました。』


( ゜Д゜)ハァ?

( ゜Д゜)ハァ?

( ゜Д゜)ハァ?


なんぞ?え?今回のモンスタースタンピートはオフィーリアが黒幕とな?

え?ガルド王国でも?


『否定そして否定。現在進行している帝都でのモンスタースタンピートの黒幕がオフィーリアである訳ではありません。

またガルド王国王都ロイヤルロンドでのモンスタースタンピートではオフィーリアの寵愛または加護を持つ魔物は存在しませんでした。』


( ゜Д゜)ハァ?

黒幕ちゃうんかい!なんぞ?なんぞ?

え?神々の遊戯的なテンプレ展開なのではないのか??

あ?他の神の気配もなかったわけ?


『肯定。ガルド王国王都ロイヤルロンドでのモンスタースタンピートにこの世界での絶対上位者の気配はありません。』


( ゜Д゜)ハァ?

わからん!

ここではオフィーリアが何故か出張って来腐っていると??

ああ、イライラする!面倒くさい!わからん!

なんでオフィーリアが帝都の方の黒幕じゃ無いって言えんの?


『否定そして推察。聖教での絶対神オフィーリアの寵愛は必ず人族に与えられます。今まで魔物にその称号が与えられたことはありません。

また称号にその寵愛、加護が表示された個人が行動を起こす時、その存在に操られている訳ではありません。

時にユニークスキル神託、神の啓示を持つ者がその言葉に従い行動を起こすこともあります。

しかし今回寵愛の称号を持つオーガエンペラー複数体にそれらのユニークスキルを持つ者はいません。

顕在し魔物に指示を与えた可能性もありません。その場合主人の完全看板に仔細が表示されないわけがありません。

意のままに操る方法は他にもたくさんあり、またその方が簡単で効率がいいのですが、その場合、MAP機能に反応がでないことはありません。』


なんかキュートに人外認定されてねーか、わし!

、、、忘れよう。


てかね!嫌な予感がするんだが!?さっき言ってた”はっきりした人族”の部分もな!

ある意味テンプレと言っていい展開な気がするんだが!?

聞かない方がきっと幸せ、でも聞いとかないとそれはそれで、なぁ、、、。

寵愛を持ってた人間がオーガエンペラーになったってことは、、、あるんだろうね。


『肯定。オーガエンペラーのステータスに名前、職業の記載があります。共に人族の特徴を有した名前や役職名です。

またスキルに人族の頃の名残がうかがえます。

そして主人のユニークスキル完全看破、エクストラスキル#智全能を使ったことにより表示される種族、状態、性格から明らかに元人族です。』


あれだ、最後の完全看破で元人間です、だけで良くない?

細かい所聞いた時の心の悲鳴がすごいよ!

おうふ、あー!あー!あー!キツい!

キツイんだがΣ(⚙♜⚙ )


おうおうおう!ここまで来たんだ!

一番わかりやすい例として1人のステータスをカモン!


=================================

職業:カープラル伯爵家当主

(アバロン帝国前皇帝マルクスと前伯爵夫人カテリーナの第一子)

種族:オーガエンペラー変異種(元人間)

名前:シドニス=クラウス=カテリーナ=フォン=カープラル

(シドニス=マルクス=カテリーナ=ジス=アヴァロン)

年齢:50

状態:悲しみと自身の力に酔い、これから復讐が遂げられるという現状に朦朧とした様子。

復讐対象:前帝マルクス〉〉〉前カープラル伯爵夫人カテリーナ


性格:

幼少期に聞いた母の独り言から自身が母親と皇帝(前帝マルクス)の子であると知る。それから性格が捻れていく。

父親の前では勉学、魔術、武術のできる優等生であり続け、父を敬愛しその姿を追うように育つ。

不義の子を産みその事を父に隠していると思っている母親の前では、その事を詰る一方実際に父に自分が父の子でないことがバレるのを恐れ母親に隷属の腕輪をはめるよう説得、懇願していた。

そんな母との関係により、文武両道の優等生でありながら心は鬱屈した怒りがあり不義の子という卑屈さを抱えるというアンバランスな人間に育つ。

しかし、それを周りに気取らせることはなく優秀で勤勉な人間としての評価を得ていた。当主になった後もその評価は変わらず堅実に領地経営を行い夫婦仲も良く子宝にも恵まれ男2女2の子供もいた。

しかし、ここ半年の間に全ての子供と妻が死亡。

父親は既に没し、母親は健在。前帝も健在。

ふたりはそれぞれ帝都で暮らしている。


LV.50

HP : 6000

MP:3000

生命力:5000

精神力:1500(状態:不安定、500〜1500)

筋力:3000

俊敏力 3000

知力:2000

運:30


スキル

戦闘用:

護身術、身体強化、火魔術、風魔術

一般:

話術、詐術、礼儀作法、ダンス


ユニークスキル

統率、咆哮、鼓舞


称号

《アバロン帝国前帝第一子》《文武両道》

《オフィーリア神の寵愛》《完璧を求めた者》

《嘆き悲しむ者》《復讐者》

=================================



えーーー( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)

なんかどろどろしてるんですけど??

なに?無理やり魔物化とかではないわけ?


『肯定そして否定。称号にオフィーリアの寵愛をもつオーガエンペラー、一体は自ら力を求めて魔物化しました。他はその範囲ではありません。』


?こいつは自分からだけど、何人かは無理やりってこと?


『肯定。魔物化することを知らずにいた者がほとんどです。』


うん、まぁね。そこはね、、、一回見てみて良かった!ってなった後の落とし方、、、なぜに一回安堵させたん?!

ええ!そういう展開もあることは分かっていましたよ!でもね!

スッゲー落ちたわ、、、、ホントね、やってられんよ。

、、、元に戻す方法ある?


『肯定。主人の魔導でなら可能です。主人の知識からその補助に必要なものをピックアップしました。準備をしますか?』


するするする!!!!!

しちゃって!しちゃってください!

そっちの用意は任せた!



てかさ、この父親?義父?絶対知ってたよね?前皇帝の子だってさ?何かをひしひしと感じるよ!


『肯定。前カープラル伯爵クラウスは、妻である元オクタヴィアル公爵家令嬢カテリーナと当時の皇太子マルクスとの間に子供を作ることに賛成し協力していました。

カテリーナはそれに消極的でしたが、夫と、父、母による説得(意訳)により諦め、受け入れました。

その当時マルクスはまだ立太子されたばかりの18歳でした。

しかし皇帝の座をめぐる争いは激化。

暗殺の危険が付き纏う日々が続く中、マルクスは考えつきました。

自分と皇帝の姉を母に持つ元公爵令嬢カテリーナ(25)という、最も高貴な血を持つ子供を作る事で自分にもしもの事があった場合、その血を盾に自分の子供に帝位を継がせようと。その後盾としてカテリーナの実家であるオクタヴィアル公爵家を、子供の隠れ蓑としてカープラル伯爵家を使う手筈でした。

ユニークスキルとしての鑑定持ちがいる帝国だからこそできる、ある種の保険です。

帝国皇室が有するユニークスキルとしての鑑定もちは血筋の確認に特化しています。

これは後宮持ちで子沢山、尚且つ後継争いが激しい帝国だからこそ囲い込んできたユニークスキルと言えます。

めぼしい後継者が全滅したことも多々ありましたが、いまだに初代の血を汲んだ皇帝しか立っていません。

そして当時のカープラル伯爵クラウスとしても、皇太子の子供、引いては皇帝の子供を実子として育てる事は今後の展開によっては大きな権力が転がり込んでくる立場です。そしてその機会がなくとも血筋の価値を上げる事ができる、どっちに転んでも得になると判断したようです。

ちなみに現在カープラル伯爵家当主シドニスの妻は前当主クラウスの娘です。表向きはオクタヴィアル公爵家を依親とするアルトバン侯爵家夫婦の娘です。』


またしてもどろどろですな、実は一番のクズは義父クラウス!

立太子されたばかりのマルクスの考えがよくわからない!

え?なに?そんなに精神的にヤバかったの?自分がダメでも他の奴にはわたさん!それなら自分の血を持つ子供に!ってなるくらい?どんだけ??


まぁ結局その保険は使わなかったわけでしょ?

まーなんかとち狂ってるのは分かったよ、分かりたくもないんだがΣ(⚙♜⚙ )

他のオーガエンペラーも貴族な訳ですかね?


『肯定。貴族籍にあるものもいれば、血筋的には高貴ですが孤児として育ち、その後貴族として生きてきた者もいます。』


待て待て待て!そうなると、、、考えたくない方にいくんだがΣ(⚙♜⚙ )

、、、表だけでいいからね!今の皇帝の兄弟姉妹は、今、どんな感じだね?


『アバロン帝国皇帝ルキウス=マルクス=クインタ=ヴィ=アヴァロン(38)。前皇帝マルクス=コーネリアス=マチルダ=ヴィ=アヴァロン(68)の第三子。兄ひとり姉ひとりは後継者争いにて死亡。死因は共に毒殺。現在兄弟、姉妹は末の妹であるルクレツェア(18)を除き、なにかしらの理由により死亡。その人数二十五名。』


、、、なんでルクレツェアだけ生きてんの?


『推察。既に皇帝ルキウスには五名の子供がおり、皇太子として第一子(20)を立太子している事とルクレツェアは継承権を放棄、修道院に入り、外には出られないように皇帝の手のものにより監視されているからだと思われます

また別腹の兄妹とはいえ、ルキウスとルクレツェアは仲が良く、また2人が美男美女であったため互いに想いあっているなどと噂になる程でした。そのために修道院に入ったとも噂されました。』


溺愛の歳の離れた妹ね、監視態勢にいるわけね、もう、出てこれないわけか。


次、裏は?


『前帝マルクスの子供とされる貴族の子息子女、または庶子十名が皇帝ルキウスの立太子前から徐々に死んでいき現在ほぼ全員が死亡しています。

その中でシドニスを含む四名が生存しています。』


その4人がオーガエンペラーな訳ですか。


『肯定または否定。

マルクスの実子であり保険、カープラル伯爵家当主シドニス(50)、元アルトバン侯爵家三男現マークイン子爵アルキス(49)、を含む4名がオーガエンペラーです。


またマルクスの子供である元ルッツ子爵家一女現アルトバン侯爵家当主の元妾メアリー(40)は別の都市で名前を偽り暮らしています。


他ニ名はマークイン子爵アルキスの妻ヴィクトリア(40)とその息子マルキヌス(23)です。アルキスの妻は前オクタヴィアル公爵の妻でありマルクスの叔母の庶子でマルクスの子供です。』


?????え????

なんで異母兄妹で結婚してんの?!

いやいやいや、まてまて!

叔母が甥の子供を産んだ?で庶子としたの???は?

いやまて、そんなことは知らんのだよ。

ここで大事なのは全員がマルクスの子供か孫かってことなのさ、そうなのさ。


メアリー生きててくれてありがとう!!!!名前を偽っているのが気になるが、それでもいい!!


他は、、、忘れたい。


ヴィクトリアは前帝の子供とされていなかったってこと?


『肯定。当時、オクタヴイアル公爵家に降嫁した皇女であった公爵夫人にも誰の子供かわからなかったようです。そのため公爵夫人の他の庶子と同じように、貴族の庶子を預かる孤児院に入れられました。その後、寄付はしても顔を合わせることもなく今に至ります。』


他の庶子て、、、おい、この公爵夫人おかしくない?こんなのだからバレなかったのか!!!マークされずにすんでたのに!

で、何故か異母兄妹のマークイン子爵アルキスと結婚、、、?裏ない?あるでしょ?マルクスが皇家の血の濃い子供作りたくて見合わせたんじゃないの?


『肯定。マルクスは自身の血をより濃く受け継ぐものを後継者にすべく心血を注いでいた時期がありましたが、ルキウスを後継に指名する少し前にぱたりとその動きはなくなります。』


、、、マルクス、、、こいつが一番やばい。

クズだと思ってたクラウスの上をいくヤバさだ、方向がぶっ飛んでる!

まったく!なんなんだそれは、子供作って遊んでるようなもんじゃねーかクソが。

元の世界でも古代には近親婚が多かったとは聞いたことはあっても、、、もはや神話の時代よな!我らには!

大体自分の血で言うと自分の子供が普通に一番濃いんでないの?!

自分と自分で作らなきゃな!作れないがな!!

バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーカ!!!


なんかやっぱよくわからん!

自分の血ってそんなに大事なのか、わざわざそれ以上つくりたいほど?


シドニスたちの復讐対象は誰?


『ほぼその対象は前皇帝マルクスです。シドニスの場合は自身の母親も含みます。』


ん?あ、なんで魔物化したんだ?

怪しいのは皇帝ルキウスなんだよな。

マルクスの子供たちになんか共通するものある?


『肯定。前帝であるマルクスから、という名目でとある果物が下賜されています。

これは前帝マルクスの意思ですが皇帝ルキウスの意思も介在します。

この果物が魔物化の原因である可能性は高いです。』


、、、、第一子が立太子されてるって言ったけど、もし今ルキウスが居なくなってもこの国回る?


『肯定。皇太子ルクレウス(20)は穏健派で誰もが認める秀才であり、その側近も多くの臣下たちに認めらほどの逸材が揃っています。いなくなっても準備は整っています。』


、、、ならいっか!なんか即殲滅しようかと思っが、マルクスと皇帝ルキウスをオーガエンペラーと亜空間にでも閉じ込めよう!ある意味親子喧嘩、兄弟喧嘩!他人に迷惑はかけちゃダメだよね!

流石に利用され、責め続けられた母親とかはそこには含まんよ。

そこんとこも理解していただきたい、ファザコンもいい加減にしろ!


そうだなぁ、今のマルクスはなにしてるのか。


————————————————————


前皇帝マルクス=コーネリアス=マチルダ=ヴィ=アヴァロン(68)はひとり感喜に震えていた。

皆がこの帝都は魔物の群れに囲まれていると言うが、マルクスは知っている。

これが劣等であるにもかかわらず皇帝の座に座っているルキウスを引き摺り下ろすための我が子たちの戦いである事を。


そこは退位した皇帝が住む離宮の奥、皇帝に立ったものだけが触れることができる、この国が神の国だと示す証拠。世界樹の分け技から育ったとされる大樹が、皇宮の奥の離宮の中でもさらに奥まったところに位置する祈りの場に神の像のようにそびえ立っている。


その樹の名前を【セフィロトの樹】または【生命の樹】といった。


屋根はその大樹に合わせて穴が開いていてどこまでも続く大樹の邪魔をしない。

しかし、そのあまりの穴の大きさに屋根はほぼ機能しておらず、そこはもはや中庭のような場所であった。

古代の魔法陣が描かれた床のおかげでこの部屋から伸びる、その樹は決して外からは見えない。

そしてその力により雨などを室内に入れないため、床の魔法陣が破損することもない。

この国に加護を与えてくださる知恵と生命の神セフィラケトルが【生命の樹】とこの魔法陣を与えたとされている。


そしてマルクスは神セフィラケトルが顕在し、その祝福を賜った偉大なる皇帝であったのだ!

マルクスには幼き頃より自身の称号に神セフィラケトルの寵愛があった。

神に愛されている存在!必ず皇帝になるべき存在!

そしてマルクスは他のものを下し皇帝となり実際に顕在なさった神に祝福を戴いたのだ!彼の方の寵愛は誠であったのだ!

しかし、今やその祝福も自分の子である皇帝ルキウスへと移り、マルクスはただルキウスに飼い殺されている。


あの子供が何をしたか、マルクスは知っている。いや、わかってしまった。


当時皇帝であったマルクスの血を引く、今後の帝国に必要な子共たちはルキウスが立太子される少し前から徐々に事故や事件で死んでいった。

マルクスにはわかってしまった。これがルキウスの手の物の仕業であると、ルキウスの意思だと。


マルクスが皇帝になってから外で産ませた子供で貴族の子息子女とされている者の中でもマルクスの血が薄い者から順に殺害していることがマルクスにはわかってしまった。

なぜなら、それはマルクスが自身の血をより濃く受け継ぐ子を作り、自身の後継者としようとしていたからだ。だから血が薄いものは貴族に下げ渡し、その貴族の血をより高貴なものにするために利用せよと言った。それらは特に隠蔽もしなかった。その人数も名前も覚えている、自分の血を持った子なのだから。


次は継承権を持つ王族であるルキウスの別腹の兄と同腹の姉をそれぞれ毒殺。

皇帝マルクスだけにわかるように、徐々に殺すことで追い詰めてきたのだ。

マルクスだけがわかる、一連の事故や事件、病死は何者かによるマルクスの子の連続殺人であると。

しかもその血筋まで調べ上げている。徐々に血が濃くなるように先ずは薄いものから殺害して行っている。

心血を注いでいたこの至高の血筋を持つ子供を作ることも徐々に殺されていく子供たちをみて断念した。

いや、そう見せかけようとした。


既に3人、今までより血の濃い子供が産まれている。

一番初めに保険の意味を込めて作った、マルクスと帝国皇女を母に持つ伯爵夫人の間の子シドニス、そしてマルクスとその帝国皇女との間に生まれた娘ヴィクトリア、マルクスとアルトバン侯爵との間に生まれたアルキス。ヴィクトリアは馬鹿な叔母により孤児院にやられたがそれを利用してマークイン子爵となったアルキスとヴィクトリアを見合わせた。この2人の子もマルクスの血を色濃く持つことだろう。


ルキウスがこちらを追い詰めてこようが、今更遅いのだ、そう思っていた。

今後、例えルキウスを立太子したとしても、マルクスの血の薄いルキウスではなくより血の濃いものを立太子することとなるだろう。神の寵愛を持つマルクスの血をより濃く受け継ぐ者こそを神セフィラケトルはお求めであるはずなのだから!


上の兄姉の死によりルキウス(15)の立太子が決まった。


そして政治に無関心なマルクスは自分の血のことしか考えない皇帝、血狂い皇帝としてこの後その立場を追われることとなる。


臣下たちが既に皇帝の代わりにその手腕を発揮していた皇太子ルキウスと共に皇帝マルクスから徐々にその力を奪い、政治の中枢をルキウスへと移していった。

最後には誰もいうことを聞かず、誰も首をたれない愚帝としてマルクスは退位することとなった。


そして新しく帝位についたのがルキウス16歳。

退位させられたマルクスは逃げるように皇宮の奥まった場所へと居を移した。

そして離宮の奥にある神セフィラケトル様と縁深い【生命の樹】に祈りを捧げる場所でマルクスは毎日毎日、己の血を【生命の樹】に捧げる。


そうして20余年が経った頃、その樹に実ができ始めた。赤く丸くすべすべとした実。


自身の血に狂っているマルクスはこの実こそ、マルクスと神の樹である【生命の樹】の子。今までで一番、いや隔絶するほど高貴な子である!と確信してしまう。


だが人でないなら帝位にはつけぬ。


ならば今までの残してきたマルクスの子達にこの実を与え、選ばれたものこそを次の皇帝に!今いる劣等を廃して、高貴なる血のものを皇帝に!


マルクスは実をもいで我が子たちへと贈った。

シドニスへ、アルキスへ、ヴィクトリアへ、メアリーへ。

そして我が子アルキスとヴィクトリアの子であり我が孫である子へ。


—————————————————————


ん?あまりの狂っちゃってるっていうか逝っちゃってる感じで逆にこっちが冷静になるよね!っていう!

てかなんか思い違いしてたかも。

マルクスの子供たちを殺したのはだれ?

今まで皇帝ルキウスが指示出してたんだろうな、とか思ってたけど、なんか違う気がするわ。


『まず、ルキウスが立太子される前に死んでいった貴族籍にある子供は五名、その殺害を指示したのはルキウスの兄と姉です。

この貴族籍の子供五名は声高に自分は皇帝の血を引いていると話し、自分こそが皇帝にふさわしいと吹聴していました。

その軽率な態度から神輿に担ぐものはいませんでしたが、このままにして置くと皇室の威信は地に落ちます。


ある種、不敬罪や内乱罪にあたる行為をこの五名は犯していました。正式に断罪せず、暗殺となったのはこの五名の血筋を公にしないためです。


また、この時の指示役である第一皇子アルキメデスと第一皇女クロツェレナは第三皇子マニマトスによって毒により暗殺されました。

この時第二皇子ルキウスも毒を盛られるところでしたが、その前に気づき実行犯を捕縛。

ルキウスは3人の王族が耐性の魔道具を持っていないことはあり得ないことに気づき毒を盛る前の魔道具すり替えを疑い、自分を含めた三人の魔道具がその意味をなさないものにすり替えられていた事実が分かります。

すり替えを働いたものや毒混入に関わったもの、その毒物の入手先などの調査により首謀犯マニマトスは毒杯を賜りました。


ルキウスが立太子されてから、弟妹に命を狙われ続け、またその弟妹間でも互いに殺し合い、何人かは流行病で亡くなりましたが、ほぼ弟妹間での殺し合いで死亡しています。


ルキウスが直接毒杯を飲ませたのはルキウスを狙った襲撃事件を起こした第四皇女、流行病に乗じて病死に見せかけようと毒をもった第七皇子、ルクレツェアを害そうとした第八第九皇子です。

流行病で亡くなったのは幼かった第十、十一皇子、第十三皇女です。そして庶子として育ったニ名も栄養状態がよくなくこの流行病で亡くなりました。』


ルキウスが皆殺し説間違えとるやないかい!

全く違うやないかい!Σ(⚙♜⚙ )

思い込み、ダメ!絶対!


え?マルクス裏とかとってねーの?


『肯定。当時はマルクス的には血が薄い者たちだったので気にせず、自分の中で結論を出すのみでした。また今はすでに論理的に物事を考えることができる状態ではありません。』


おい、マルクス、この屑野郎!それでもお前の子供だろうが!

しかも自分の不始末の後片付けを別の子供にさせとる!この屑が!


アバロン帝国が神が顕在して祝福する国だったんだねーまっっっつたく知らなかったんだが!Σ(⚙♜⚙ )


もしこの寵愛持ちのマルクスになにかしたら、その神から妨害くる?


『否定。この世界の絶対上位者がその寵愛を持つ者の運命に関わることはあまりありません。

また、マルクスが実際にセフィラケトルの寵愛を持っているとは限らず、ステータスを確認したところそのような称号はありませんでした。

なので妨害はないといえます。』


( ゜Д゜)ハァ?

あいつ騙りか?それとも無くなった???



しらん!マルクス放置!


魔物化の原因の果物に関するルキウスの意思ってなに?


『マルクスが皇族の血の濃い貴族の子供へ贈り物をする、という事を知ったルキウスは万が一のことを考えて、その果物を毒味させましたが現在もその毒味役は健在です。


遅効性の毒の可能性も排除できた為、今から5ヶ月ほど前にマルクスからカープラル伯爵家当主シドニス(50)宛に一つ、マークイン子爵アルキス(49)とその妻ヴィクトリアと息子に宛て三つ、アルトバン侯爵家当主ポテルニクス(55)に妾であるメアリーに食べさせる事という手紙を添え、一つが送られました。』


毒じゃないかの検査をしてあげただけ?

キュートさ!今後こういう思わせぶりな言葉遣いはなしで!


『否定。

思わせぶりな言葉遣いではなく、含みを持たせた言葉遣いです。

ルキウスがなにもしなかったわけではなく、マルクスの意図を知るための行動を起こしました。なにも言わないということはできず、またそのような話をすべてで行うことになればスキル:キュートは破綻します。』


すんませんっした!確かに確かに俺の思い込みによる間違いだし、全部聞いてたら時間が足りん!

質問に答える、それがキュート!たまに推測も聞かせてくれる!有難い存在キュート!

自分で少しは考えろってことですよね!わかります!


ルキウスに悪意はなかったわけだね?


『肯定。ルキウスにとって他の婚外児を含む兄弟全てがマルクスの被害者です。

例え仲良くはできなくとも、幸せを願うくらいの気持ちは持っているようで現にルキウスは皇帝の為だけにある礼拝堂にて知恵と生命の神セフィラケテルに”すべての兄弟の身の丈にあった、けれど温かい幸せ”を祈っています。

今回の贈り物も、もし受け取りたくないのならば受け取らなくていいと言葉を添えています。

そしてそれを罪に問うようなこともしないし、叩き返したければそのようにする、とまで言葉にしています。』


決別のための一種の儀式にしたかったのか。


ん?自ら力を欲したっていう奴がいたならもらった果物食ってなったんじゃおかしかろ?

その実を口にしたのは誰でどうなった?


『肯定そして推察。

シドニスの場合、自身は口にせず捨てるよう指示しました。

しかし夫人が皇帝や前帝からの品を食べず、公の場で感想を問われたときのことを考えて社交界に出ていた2人の息子、2人の娘とともに食し中途半端にオーガの変異種へと変化し家のメイド数人を圧殺後、死亡しました。

夫人もまた皇族の血がかなり薄くですが流れていました。


そのことから今回の贈られた実は皇族の血に反応し魔物化する果実であると考えられます。


その血が流れていないものには無害ですが、侯爵令嬢程度の濃さでもかなり軽微ですが魔物化するようです。

そしてその軽微な魔物化が原因で夫人は死亡しています。


シドニスは騒動後にそれを知り、秘密裏に家族の亡骸を埋葬、残った実を持って失踪します。

子供たちと夫人の最期の様子からその実が皇族の血が濃いものを魔物化するものだと推測、復讐のため魔物化を選んだものと考えます。

すでにその時モンスタースタンピートが小規模ですが発生しており、完全なオーガに変わることでモンスタースタンピートを操り、魔物たちを強化、帝都ごと恐怖に巻き込むつもりだったのでしょう。

死ぬなら死ぬでそれもよし、と考えていた節があります。

実際は後追い自殺にはならず、当初の予定は成功しています。


アルキスとヴィクトリア、マルキヌスの場合は全員が口にしてそのまま完全なオーガエンペラーとなりました。

隠れるように帝都外に逃げ出し、シドニス率いるオーガの群れに遭遇、子供だけでも逃がそうとしている姿を見てただのオーガエンペラーではないことにシドニスが気づき合流しました。


メアリーの場合は、ポテルニクスはメアリーの血筋を知っているからこそ囲いました。

現在すでにマルクスは廃され、利用価値の下がったメアリーはポテルニクスから囲われてはいたものの、自身で働き生計を立て、たまに逃げていないかポテルニクスからの使者が来るくらいでした。

そのため果物一つが送られて絶対に食すように言われましたが、毒物であると判断。

食したふりをしてバレないように捨てました。用意していた旅道具とともに別の都市へ逃亡。

また現在その果物は馬に食べられ存在しません。』


おうふ!アルキスたちがかわいそ過ぎる!

あとメアリーの勘が鋭い!ポテルニクスにそろそろ殺されそうだとでも思ってたんだろ?

ポテルニクス!お前そんなふうに思われてたぞ!


、、、いいや、ここらで始めましょう。

マルクスのいる離宮の奥の奥、【生命の樹】のある祈りの場にオーガエンペラーになった元人間4人を転移させて結界で隔離しましょう。話が通じればいいんだけどね。

祈りの場にマルクス以外いないよね?


『肯定。祈りの場にマルクス以外の存在は確認できません。』


一応マルクスとオーガエンペラー全員に一人ずつ結界張って、ああ証拠として一応【生命の樹】の果実を回収して結界をはっておこう。

被害者である子供と孫は文句も言いたいだろうし、罵り殴りたいだろうしな。

まぁ、まずは話し合いから始めてもらわなきゃね!あとで様子を見てから外すよ。


そこで誰にも迷惑かけずにまずは話し合え!

キレるにしても民衆を巻き込むな!マルクスがほとんど悪いんだからマルクスのみに当たれ!

というかマルクスの死だけでいいのか!!?


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だいたいマルクスがクズでいろんなところで子供を作り、皇家の血の濃い子供に執着している、というのがわかればオッケーっす!その中で四人がマルクスが贈った果物を食べてオーガエンペラーとなりました。

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