三十話 変態と信者が増えた、だとΣ( ꒪□꒪)‼〜変態は感染し、信者は伝播する〜
キタキタ、キタコレ、変態キタ!!!?
ガ━━ΣΣ(゜Д゜;)━━ン!!
カイウスまさかの変態落ちΣ(Д゜;/)/…エエ!?
なんで脳に刻み込む痛みでスッキリしちゃってるのか!Σ( ꒪□꒪)‼
名前を聞こうとするな、恐怖を超えてこっちにくるな!!
( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)( ꒪Д꒪)
あれじゃね?いつも馬で正義と接触してたからじゃね?接触感染Σ( ꒪□꒪)‼
危険すぎる!マックス殴った手を洗え!パンデミック!
今の今までカイウスがいた所にクリーンをかける。
いや、粗相はしてねーよ?してたら部屋変えるわ!Σ(⚙♜⚙ )
キュートとお話ししながらの怒りの鉄槌&性格矯正発動だったわけなんだがな。
おかしい、何故に途中から変態に(心理的に)追い詰められるわしの図が出来上がってたのか。
( ꒪⌓꒪)
いや、ある程度の性格矯正はできたよね?
『肯定。性格矯正と極限の恐怖を味わったことで主人に崇拝の念を抱き、その存在が認めた勇者に少し好感と嫉妬、賢者、聖女に尊敬を抱き始めています。
また、元の場所に戻したことで正義の発言「偉大なる存在シュフ様(色々省略)」を聞き、既にシュフ様の信者となりました。』
わおΣ( ꒪□꒪)‼
、、、わし違うやん?わし名前シュフ違うし?専業主婦の皆様もみんなそういうと思います!
勝手にやってろ!シュフ教!
流石にマックス副団長もキレたのか、ただの屍となってしまったカイウスだがこのままでいいのかね?
正義以外との和解が成立してない件。
面倒くさい!折角あと少しで帝国入りなのによぉ!そこら辺はそっちで適当にやってくれよ!
俺はな!これでも忙しいんだ!
Ʊ”-ʓ(;´༎ຶД༎ຶ`)Ʊ”-ʓ
この落とし前は末子を甘やかした総大将に払わせてやるからな!その髪が散っていくの指をくわえて見ているがいい!!
スタンピートとその収束の後始末で大忙しの中な!ざまぁ!
ァ,、'`(.ꏿωꏿ.),、'`'`,、
更なる試練に打ちひしがれろ!
ァ,、'`(.ꏿωꏿ.),、'`'`,、
魔物たちはそれなりの大金になるし、素材も綺麗な状態で確保できてる!魔物肉は備蓄にまわして今後の様子見だな!
オーガエンペラーは王宮にある騎士団の倉庫に運び込まれ、大勢に検分されている。
総大将、第二騎士団団長、第一級筆頭魔術師2名とその他大勢の騎士と文官。
魔物のプロとしてSランク冒険者2名、王都の冒険者ギルド長、副長、魔物解体責任者、解体職人3名とがこのオーガエンペラーの変異種の検分に立ち会う。
騎士たちは周りと一応のオーガエンペラーへの警戒に、文官は報告されていく意見の資料作成に、そしてSランク冒険者と解体責任者はその肉体への見解をのべるために、ギルド長と副長は今まで流通してきたオーガエンペラーの肉体の知識からその特徴の差異をのべる。
総大将は全体の話を聞き、文官の書類とともに上層部での話し合いに向かう。
先程、変異種と述べたがSランク冒険者とギルド側の人間たちからすると明らかに普通のオーガエンペラーの肉体ではなかった。
オーガエンペラーとはオーガの最上位種であり、一際大きな体とその角が有名だ。
その個体によって角の数は変わるが普通は一つ、多くてもふたつだ。また肌の色も赤から赤褐色のものが多い。変わったものだとただのオーガと同じ緑色というのも聞く。
しかし今回のオーガエンペラーはその肌は黒く体の全長はオークよりも一回りは小さい。全長185cm。普通のオークでも2mはある。
その代わりとでもいうように角が異常に太く捻れていて、それが顳顬と額の計三つ。
明らかに変異種。
体の小ささから弱体化しているようにも見えるが、その筋肉のつき方は非常に理にかなっており変なつき方をして関節の動きを邪魔するようなところが無い、というのが解体責任者と第二騎士団長の意見だ。まるで鍛え抜かれた戦士のようだ、とも言葉にする。
また第一級筆頭魔術師2名の魔力的見地からも、驚きの意見が出た。この個体は身体強化を使って成長してきただろうと。
オーガエンペラーは瞬間冷凍で鮮度が保たれた状態から解体された。魔力は死んでしまうと無くなっていくが、身体強化のように筋力を魔力で底上げする場合、筋肉を魔力が覆い、また付近の血流に魔力が通る。
一時的に強化をする分には解除すれば元に戻る。しかし定期的かつ継続的に身体強化を使うものは少なからず、血管構造が魔力伝達率を上げるよう再構築され魔血流とでも呼ぶべきものが定着し効率よく体の強化を行うことを可能とする。
早い話、筋肉を使えば使うだけその量を増やすのと同じように、身体強化を多く使っていればそれに合わせて体が変化するということだ。その変化こそ魔血流である。
その魔血流がこのオーガエンペラーには存在した。普通のオーガエンペラーは魔法を使えない戦闘狂のイメージ通りの魔物だ。
それが今回のオーガエンペラーは定期的かつ継続的に身体強化を施す魔法と知能を兼ね備えている。
それは恐怖だ。もしかすると、この変異種のオーガエンペラーだけでも十分に脅威足り得た。
この個体の戦闘能力など想像もできない。
騎士が身体強化を使うことでどれだけ強くなることか。ましてや、魔血流が出来るほどの身体強化だ。
そして何より、身体強化を定期的かつ継続的に使い分ける程の知能があるのならばその統率能力は如何程か。
検分に居合わせた全員が、これを殲滅可能な勇者がいたことの幸運を偉大な存在シュフ様に感謝した。
もし、シュフ様に導かれた勇者がいなければ今頃この国はなくなり、また他の国も。
意見が出尽くしたところで今回の検分は終了、後日わかったことがあれば必ず報告する事が義務付けられた。
変異種のオーガエンペラーは売られることなく、全てを時間停止の施された厳重な地下倉庫に保管されることとなる。恐怖からその倉庫には執拗に幾重もの錠がかけられた、聖魔法でのアンデット化対策しかり、魔術しかり、物理的鍵しかり。
このオーガエンペラーの死体には他の国との比較など用途は腐る程あるのだ。
しかし、それへの感情はまた別である。本当は皆、塵になるまで焼き尽くして海に撒いてしまいたいのだ。絶対復活しないように。
そんな重要かつ重大なことが判明しても一般市民にはその情報が出回ることはもちろんなく、それなりに平穏な日々は過ぎる。
モンスタースタンピートが収束してから、民衆の聖教離れは激しく、そこに代わりというように偉大な存在シュフ様が君臨しつつあった。
これは勇者の大規模な魔物殲滅をみた騎士たちから始まり、オーガエンペラーの肉体を見た冒険者ギルド、王都支部関係者へ広がり、徐々に民衆へと伝播した。裏には国の誘導があったとかなかったとか。
例え勇者召喚を後押ししようとも、それまでの守銭奴のような言動を民衆は忘れない。
そして、協力だなんだと王は演説していたが民衆だって馬鹿では無いのだ。その裏に聖教の忖度があったのは明らかである。
騎士や冒険者が命をかけて国を守る戦闘には説教をし始める。そんな彼らが傷を負って助けを求めればお布施を募りだす。
大勢の命の危機に乗じて金や宗教心を集めようとする宗教など、ましてや命を守る行為を否定し、けが人を見捨てる宗教など、誰が宗教したがるか!
そんなものより自分たちをあの未曾有の危機から救い、何の対価も要求しなかった勇者が語る存在にこそ人々は救いを見たのだ。
はじめに勇者が語り、後に他の多くの偉人たちがその存在を認め敬った偉大なる存在シュフ。
このガルド王国王都ロイヤルロンドから始まった偉大なる存在を称える宗教はその信者数で大陸一の大きさを誇るようになる。
その中には多くの王族、有識者、そして他の宗教の信者たちも含まれる。
何故ならシュフ様は決して他の宗教を否定することなく、また人々のあり方に何かを押し付けることもなかったからだ。
時に顕在し、時に使徒を遣わし、時に人を自身の身元へと招き、数々のことを教え導く。
彼の方の崇高なる教えはその使徒、招かれた者により大陸全土に広がることとなる。
ふぁっっっっっ!?なんでや!?( ゜Д゜)ハァ?
ガ━━ΣΣ(゜Д゜;)━━ン!!
あれか?聖教が開けた穴にたまたまジャストフィットした上に特に取り決めもなく放置だから自由な規律がみんなの心鷲掴みなのか!?
(゜д゜)<あらやだ!
知らんがな!わしは関係ない!知らん!知らんぞ!
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、