二十六話 正義はやはり矯正してもただの正義だ〜能力の限界、正義はある種Gと同じ存在
短めです。
護衛の騎士として
密偵クロエ=カーミラ=オルツバルド(パン屋で侍女で騎士で上級文官で侯爵令嬢)
が同行することになった。
そんな心強い護衛が真希さんたちに同行の許可を求めていた時、我らが英雄正義は自分で公言しまくったユニークスキル:アイテムボックスに今回の旅の荷物を収納しまくっていた。これを理由に王は正義を部屋から追いだしたのである(笑)
20日の昼からの話し合い中に、どうせ必要になるから時間の節約だ!と宰相閣下は部下たちに勇者たち三人を含めた八人の旅の準備を行わせていた。
正義はアイテムボックス持ちということを本当に大きな声で公言している。馬鹿なのだ。
なのでテントも豪華(真希さん桃香さん用、正義用、姫用、騎士用、その他女子用)水魔法使いも多いので水に困ることはないし馬用の飼葉やらなんやらもたっぷり持たされて旅に出ることになる。
そして現在食料を作り立てやフレッシュなものばかりをひと月分よりかなり多目に端から正義がアイテムボックスにしまっている。
ええ、宮廷料理人の方々総出で作ったものを端から、鑑定していって熱いものは熱いうちに冷たいものは冷たいうちに、我らが英雄正義が作ってくれた人鑑定してくれた人から隠れもせずに自ら収納している。
だってみんなが知ってるアイテムボックス持ちだもの!
城の雑用係にまで知れ渡り、果ては普通の一国民にまでバレているからここまで開けっぴろげに収納していってるのだ。
普通いくらアイテムボックス持ちと言えど、昔馴染みの料理屋にこっそりお願いして、とかするものなのだ。
正義だって本当なら周りには宴を開くとかなんとかいって実際宴を開いて大量に作らせた料理の三分の一くらいをあまり人のこないところで収納する手配くらいはするはずだったんだ!
しかし、奴は私が寝てたり必要な知識を集めている間に、やらかした!
基本、真希さん桃香さんの盾役である正義である。だから真希さんと桃香さんの側にだいたい居る。
夜は真希さんたちがとてもとても嫌がったので自分に当てられた部屋にいる。
変なのきたら正義に知らせがいくように設定してあるので(私のMAPで)知らせが来たら正義は嬉々として廊下で敵を待ち受ける。
そう、苦痛は彼にとってはご褒美なのだ、性格矯正の弊害で。
数匹、馬鹿な貴族の手下という変態が忍び込んできたので正義がボコって、偉大な存在シュフの神のみ技(ただの転移魔法とMAPの併用)により手下の成れの果てはその馬鹿な貴族の枕元に。
そんなほぼ真希さんたちの盾な正義だが、少し前に魔物殲滅後、変な演説をぶちかましたりと私の知らないとこではほぼ、ただの正義だ。
だから奴は目を話した隙に、ちょこちょこちょこちょこ、会う相手、見かけた相手、可愛いメイド、可愛い雑用係(美少年なら男でも可)にこまめに自慢した。
そう、自分は勇者で、ユニークスキルのアイテムボックス持ちで、称号《召喚者達の守護者》で、と自分の素晴らしいステータスを自慢しまくった。
ただの馬鹿だ。いや、ただの正義だ。
真希さんや桃香さんがいる時は静かにしてる。不気味がられているが、静かにはしているのだ。
ただ特に重要な話ではない時、彼は控えていたアンネリーネの侍女だったりに小声で自慢していたのだ。
その小声は正義の中での小声であって一般的には普通の声での自慢だ!その部屋にいるもの全てに聞こえている。
真希さんと桃香さんはドン引いた、でも正義だし重要な時には静かだしと放置を決行。
そして彼は国に轟くステータスの持ち主となった。
2〜3日くらいじゃねーの、広まったのにかかった時間。ステータスを私がいじってからでしょ、そうじゃなきゃ自慢できないステータスだったし。
いや、それでも自慢するのが正義なのではないか?
知らん!
私もこのことは、放置の方向でいくことに決めている。
奴は盾役なのだ。ユニークスキルなんて誘拐の対象になるようなことは奴一人が背負えばいい。
真希さんと桃香さんのステータスはもちろん伏せられているし、鑑定ごときでは職業欄くらいしかわからないようにしっかりガードは固めてあるのだ!
正義は正義の道を行けばいいと思う。盾役さえこなし邪魔さえしなければ上出来だ、だって正義なんだから。
下手に性格が良くなって桃香さんが再度の黒歴史突入なんぞした暁には目も当てられない。
いいんだ、どんなにGを見るような目を真希さんと桃香さんに向けられようと。相手は正義なんだから。