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123 みんなの正体

「……現実での彼らの情報収集、どうなっている」

「え、ああ……うん」

 ディンクロンが期待した返事は出なかった。濁しつつプリンアラモードを食べるのを止めない彼女に、報告を催促する。

「うう、だって~がんばったんだよ~。でもさ、今回の件は流石に国家権力借りれなくってさー……まだ分かんないんだ、メロ以外のロンド・ベルベットの個人情報」

「お前……」

「だってえー! 日本サーバーとはいえ中国経由のアメリカだしぃ、足跡残したらバレちゃうし! 時間かけてやっとこさ手に入れた情報も……みんなも真面目に住所にデコイ()入れてるみたいでさ。

 マグナは三時間おきに移動する謎のハイテク住所、夜叉彦の住所は新宿御苑、榎本のなんて六本木の怪しいクラブだよ? ジャスもガルドもそれっぽいかなーって思ったら警察の派出所だったし。ほんとにみんな一般人なのかなぁ。メロの住所は羊蹄(ようてい)山の山頂に出ちゃってさ。ベルベットにこっそり教えてもらったからわかったけど>

 ぷっとんの愚痴に近い吐露を延々と聞き、一言嫌味を刺す。

「それでもプロか」

「うぐぐ……あ、大まかな場所とか、聞き取りのプロファイルはとれてるよ? 粗めだけど写真と音声と指紋もあるし。でも静脈と政府配布のナンバーとか、本名とか、仕事先まではぼんやりなの。探偵とかにお願いしたばっかりで、ジャスティンと榎本の本名とかくらいは分かったけどぉ」

「わかっている情報、全て寄越せ」

「外経由は避けさせて。明日そっちに顔出すから」

 ネットを介してこうした機密情報をやり取りするのを、ぷっとんはいつも避けた。印刷した紙媒体資料を手渡しするのが常套手段であり、忙しい身にも関わらず、基本的には自分で渡してくる。

 珍しくぷっとんのマンションに呼びつけられた時は、レトルト粥と桃缶、冷えピタを持参するのもお決まりのことだった。

補足として:

旧ギルドマスター・ベルベットの住所が割れるという被害が発生した際、全員の登録住所を偽造しています。本当は良くないですし、技術的にも高レベルです。マグナとベルベットの全力。

ちなみに交番にしなかったメンバーは悪ふざけで登録した、という設定です。

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