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理解する前に事は進んでいた。人生なんてそんなもん。もう死んでるけどね!!

思いついたので書きました。

 おっす、おら須能すのうしん

 大学生だぞ!


 「お兄ちゃんおはよう」

 「……おはよ」


 朝から何やってんだ俺は。


 「お母さんが朝ごはん出来てるってよ?」

 「ああ、直ぐ行くよ」

 「……裸で寝るのやめたら?」

 「妹よ……大きくなったな、昔は「キャ――!!」とか「お兄ちゃんのエッチ!何で服着てないの!!」とか言ってたのに。今ではなんの恥じらいもなくガン見だよ」

 「イヤでも見慣れるよ。……はぁ、自分でも嫌になってきた。早く来てよ?」

 「りょーかい」


 適当に準備して朝食を食べに行く。


 「おはよ、母さん」

 「おはよう、今日の講義は?」

 「今日は無いよ。まぁ暇だから外歩いて来るよ。あっ、車使っていい?」

 「いいわよー、今日は特に何もないし」

 「やったぜ」


 朝食を食べて皿を片し、適当な服を着る。


 「……準備はこれくらいでいいか。毎日服選びめんどくさいなぁ……」


 いっその事同じ服を何着も買ってしまおうか?

 ま、これについてはまた今度でいいか。


 家に居ても暇だしささっと出かけよう。


 「もう行くの?気をつけてね?」

 「ハハッ、事故らないように気を付けるよ」

 「本当に気を付けてね。いってらっしゃい」

 「行ってきまーす」

 「お兄ちゃんいってらっしゃーい」

 「いってらっしゃいのキスは?」

 「あるわけないでしょ!!」


 兄妹の仲はいい方だ。

 ホントだよ?


 俺は車に乗ってエンジンをかける。

 お気に入りの音楽も忘れない。


 「前よーし、左右よーし、後ろは……問題なし!ガソリンよーし!ホワイ〇ベース、発艦!!」


 俺はゆっっくりとアクセルを踏みだした。

 車のカラーはちゃんと白である。


 「ウィンカーを早めにだして、左右確認。安全よし、とぉおりかぁじいっぱぁあい!!」


 ブレーキを踏めばすぐに止まれるスピードで曲がる。


 「フッフッフ、我ながら文句のつけようもない完璧な操舵技術だ。だが油断できないぞ。ここはまだ魔境(住宅街)、いつ死角から敵(子供など)が飛び出してくるか分からないんだ。油断するな」


 口調はふざけているが、運転はいたって真面目である。

 住宅街が怖いと感じるのは俺だけじゃない筈。


 「~♪」


 今日も危なげなく住宅街を乗り越えられそうだ。


 そう、俺は油断した。


 いや、運が悪かったのだ。

 事故とは、不注意で起きる事が多いが、そもそも……どんなに安全にやっていても、防げないから事故なのだ。


 「はっ?おいおいおいおい止まれ止まれと止まれ!!!!!!」


 俺はそれの存在にいち早く気付き、クラクションを鳴らしながらブレーキを踏み、更にそれから逃げるようにバックする。


 が、すべてがもう遅い。


 ドッパァァアアアアン!!!!!!


 辺りに大きな衝撃音が響いた。


 「……クソが。なんも感じねぇよ。ハハッ、下半身がペチャンコだ。助かんないなこりゃあ」


 ハンドルが腹に食い込んでいる。

 そう、俺は車と正面衝突したのだ。

 多分、車の正面はグチャグチャになっているだろう。

 すまんな、俺なんかと心中させちまってよ、お前はいい車だったぜ?


 全く、住宅街は視界が悪いから、絶対にスピードを出しちゃいけないって習わなかったのか?

 気付いてからじゃ遅いんだぞ?


 俺は何とかスマホを取り出して、母さんに電話をかける。


 「……出ないな、妹は……」


 すぐさま妹にかける。


 『……もしもし?どうしたのお兄ちゃん、何か忘れ物?私もう家出ちゃうよ?』

 「いや……ごめんな。もう俺、もたないわ。なんか視界が青くなってきちゃってな」

 『何言ってるのお兄ちゃん。それで?何かあったんじゃないの?』

 「母さんと、父さんに、ありがとうって言っといて欲しいんだ」

 『ちょっと、いきなり何を言ってるの?』

 「あと、妹よ。愛してるぞ。お前は、俺の自慢の、可愛い妹だ。……今まで、ありがとうな」

 『……?……ッ!?……!!………ッ!!!!』

 「すまん、もう何を言っているのか、さっぱり聞こえん。じゃあ、俺もう寝るから。……おやすみ」

 『……!!……ッ!!…‥ッ!!!!』


 俺は体に力が入らなくなり、スマホを落とした。


 「呆気……ねぇな……ごめんよ……」


 最後の言葉は、誰に向けた物だったか……

 今はもう、知る由もない。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 「……ハッ!」


 俺はベッドから飛び起きた。


 「……なんだよ、夢オチってやつか」

 「そんな訳ないじゃないか。もっとよく周りを見てみなよ」

 「は?」


 俺は目をこすって周りを見る。


 何もない。

 正確には、俺が寝ているベッド以外何もない、真っ白な空間だ。


 「えッ?いや、ここどこ?てかお前誰だよッ!?」

 「アッハッハ!!ただの遊び人さ!いや、遊び神かな?う~ん語呂が悪いな。遊戯神、って感じでいいかな?」

 「……神?」


 おうおうおうちょっと待てよ。


 「俺って死んだ?」

 「うん」

 「ohhhh」

 「アッハッハ!面白いね君!そうそう早速だけど、君には異世界に行ってもらうよ!!」

 「えぇ……」

 「はい!これで欲しい能力選んでね!」

 「あ、説明なしですか」


 俺の言葉を聞いてもニコニコしたまま何も答えない少年とも少女ともいえそうな外見をした自称神。


 あまりに唐突過ぎでもうどうしたらいいのか分からないので、取り合えず指示通りにしてみる事にする。

 他にやることも無いしね。


 「えぇっとなになに?……スキル、ね。メッチャゲームみたいだ」


 今で言うとラノベか?

 異世界ものとか流行ってるしね。


 スキル以外にも項目がある。


 「……なぁ、これって外見とかも決めないといけないのか?めんどくさいんだけど」

 「あ、必要ない?じゃあ今のままって事ね。じゃあその分ポイントを増やしてあげよう!!」

 「おっ、ホントに増えたよ」


 ちょっとだけポイントが増えた。

 元々ポイントは1000あり、外見を変えないことで200増えた。


 現在1200。


 「いろいろあるなぁ……ま、まずはこれだろ」


 俺は数あるスキルの中から剣術を選ぶ。

 誰しも一度なら憧れるものだろう。


 「お、スキルにもランクがあるのか」

 「SSS+が最大だよ」

 「へぇ……」


 決定しなければ振りなおしたり出来るようなので、どんな感じなのか一回全部振ってみた。


 それで分かった事。

 どうやらスキルは、

 G・G+・F・F+・E・E+・D・D+・C・C+・B・B+・A・A+・S・S+・SS・SS+・SSS・SSS+

 と二十段階になっているようだ。

 こまけぇ。


 「……あれ?」


 剣術に1000ポイントふってみて、これでランクがSSS+になったのだが、何故かまだポイントが振れる。

 残りの二百ポイントを全部振ってみたが、何も変わらず。


 「……なぁ、一応聞くんだけどさ。日本に帰れたりする?」

 「無理だね。もう魂を持ってきちゃったもん。僕が無理やり戻しても、魂が拒否されて追い出されて世界の狭間で消滅するよ」


 こわ。

 まぁいいや。


 「ならさ。俺の人格に影響がない程度で記憶を消してくれないか?それでポイント増えない?」

 「……ッフ、アハハハハハ!!!!!最っ高だよ君!!思いついても普通誰もやんないよそんな恐ろしい事!!いいよ!いいよ!!増やしてあげるよ!!」


 ……ポイントが800増えた。

 合計が2000になった訳か。


 はは、家族の顔とか、友達の事が思い出せないや。

 そもそも居たのかな?

 ま、『そんな事』はどうでもいい。

 消えた物を気にする必要はない。


 俺は、手に入ったポイントを更に剣術のスキルに振る。

 800ポイント全てを振った時、ようやく変化が起こった。


 「……絶剣ぜっけん術?」

 「え゛?待って、見つけたの?うそでしょ?見してみして!!」

 「どわッ!?」


 横から突き飛ばされた。


 「絶剣術……Gランクうっそでしょ!フッフッフ、アッハッハッハ!!!ヤバい!君の事好きになりそう!!」

 「いや、遠慮します」

 「そんな事言わないでよ~!でも凄いなぁ~、こんなの初めてだ……」

 「このスキルってすごいのか?」

 「ふふん、本当は全部黙っているつもりだったけど、せっかくだから軽く解説してあげよう!!」


 どこから取り出したのか、ホワイトボードに指示棒、メガネという謎アイテムが飛び出してきた。


 「ゴホン、では説明しよう!スキルってそもそも色々あるけど、まずは普通の取得方法からだ。取得方法は三パターン。『努力して手に入れる』『生まれつき持ってる』『神様から貰う』だよ!『努力して手に入れる』だと、例えば、剣術、これは剣を持って訓練したりとかしてればいつの間にか持ってたりするよ。次に、『生まれつき』。これは生まれたときから特別なスキルを持っていたり、人よりも才能が有ったりすると、それこそ剣術とか、魔法のスキルとか持ってたりするよ。そして三つ目の『神様から貰う』だけど、これは本当に稀かな。熱心な信者が、神様から加護を貰ったりとか偶にあるけど、まぁそれくらいかな」

 「へー」


 取得方法でもいろいろあるんだな。


 「で、次にスキルの種類。まずは『ノーマルスキル』。これは剣術とか、魔法とかの『努力したら手に入る類』のスキルが当てはまるよ。次に『派生スキル』。これはノーマルスキルでも何でも、とりあえずランクを頑張ってあげていると、いつの間にか持っていたりするよ。剣術の場合、『聖剣術』とか『魔剣術』とかね。そして最後に……特別な条件が存在する『超越スキル』。これはまさしく、君が手に入れた『絶剣術』が当てはまるものだよ。ま、その力は実際に使ってみれば分かると思うよ。他にも、『ユニークスキル』とか、『オリジナルスキル』、色々とあるから、自分で探してみると面白いかもね!!」

 「えぇ……」


 めんどくせぇ。

 この場で全部教えてくれたらいいのに。


 「じゃ!そういう事で、軽い説明終わり!!それで……欲しいスキルはその一つでいいのかな?」

 「あぁ、せっかくだし、これ一個でいいや。なんか面白そうだし」

 「うんうん!『面白そう』って思うのは大事だよね!!じゃ、おまけもちょこっとプレゼントしちゃうぞ?スキルは、『ボードチェック』って言えば確認出来るからね!それじゃあ、いってらっしゃーい!!」

 「え、ちょ、マジでえええぇぇぇぇぇぇぇ…………」


 突如下に穴が開き、真は真っ逆さまに落ちていった。


 「フフ、彼楽しみだな。他の神たちの駒をイイ感じにめちゃくちゃにしてくれそう」


 それは心底楽しそうに、落ちていった真を見ながら笑っていた。


______________


 name.シン 18歳 


 スキル


 絶剣術・G


 遊戯神の加護?

  ちょっと運が良くなるかもしれない。


 

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