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自分のすべきこと

「夜になると、具体的にどうなるんだ?」

飲み慣れてくると、このシャンパンはとても美味しく、あっと言う間に飲み干してしまった。

「それは…。」

ジュリアが口を開きかけた時、月がバルコニーに人影を写した。

華奢な人影。

「ジュリア…。そろそろ眠る時間よ。」

おもむろにユリアがオレたちに声をかけてきた。

「お姉様に指図されるほど、私、子供じゃありませんよ。」

ベーとまた舌を見せた。

「だいたいお姉様こそ、早く眠った方がいいんじゃないんですかー?この国の次期王女として体には気を付けてくださいー。次期王女の自覚が全くないのもどうかと思いますよぉー。」

相手を挑発するような物言いだった。

その言い方だけで、二人の立ち位置が分かってしまった。

ジュリアの耳がピーンと尖っていた。

多分、威嚇のようなものだろう、と勝手に解釈してしまった。


「だいたい、こんなやる気のない王女より、私の方がよっぽど王女らしいわ。王女と言うのに、その質素な格好。一緒に歩いてて恥ずかしいったら無いわ。」

確かに、装飾品だらけの妹と違い、一切宝石の着けていないユリアは質素と言う言葉がふさわしかったが、ユリアとジュリア二人が並んでいて、百人の人間にどちらの方が美しい?と聞かれたら、間違いなく、百人がユリアと答えるだろう。

それほど、ユリアは美しかった。


「洋一ーー。明日、私と一緒に洋服を買いに行きましょう。洋一の服とても奇抜ですもの。私とロウと洋一の三人でぜひ行きましょう。」

有無を言わせず勝手に話が進められていた。


と言うか、祐介はどうなったのだろう?

今まで忘れていたのもどうかと思うが、あれからどのぐらいの時間が流れたのだろうか?

オレがいなくなって捜索願いとか出されているのかな、なんてぼんやり思ってしまった。


「ジュリア、あんまり人を困らせるのは止めなさい。」

「じゃあ、お姉様も一緒に行きますか?まぁ、第一王女と言う立場で色々な人に狙われているお姉様は、あんまり出歩くは危険でしょうけど。」

イヤに含みのある言い方だな。


ジュリアとユリアはにらみあったまま動かないし、オレの意見は取り合ってもらえないだろうし。


祐介のことも気になるけど、オレはこれからどうするべきなのか自分のことで頭がいっぱいだった。







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