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ゲーム

目が覚めるとそこは真っ暗な世界だった。

夜…?何でいつの間に夜になってた?

しかも。

がばっと起き上がる。

頭や頬についたサラサラの砂が不快感を煽る。

何故、外?

見上げると、ただただ大きな青い三日月。

月…。あんなに、青い月初めて見た。


オレは神社にいたはずなのに。

祐介は?祐介はどこにいるのだろう?

「おーい、祐介ー。」

自分の声ばかりが響いてる。

山びこのように自分の声が響いてく中。

とりあえず。

オレは再び座り直して、深々と息を吐いた。

足元の砂。

真っ暗な闇の中。

何をどうするべきなのか?見当もつかないまま。

先に進むべきものか、ここに座っているべきなのか、それも分からない。

まぁ、このままここにいるのも悪くないか。

このまま死んだ方が楽かな?

オレは再び大の字で寝そべった。



「ねーねー、古瀬くんって。めちゃ金持ちなんでしょう?」

「高校も裏口入学ー?」

冗談っぽくだけど、確実に悪意のある言い方で周りに言われてた中学時代。

確かにオレの家は世に言う金持ちだった。

だけど、それなりに勉強もしてきたし、よくテレビとかで見る、金持ち風を吹かしてる訳でも無かった。

それなのに、周りの人間は好き勝手に噂してきて。

正直周りの人間誰も信じられなかった。

祐介以外の人間は信じられなかった。

祐介は小学生の時にオレの小学校に転校してきた。

そのためか、何の偏見も無しにオレに近付いてきて、普通に接してくれた。

この普通に接してくると言うのはオレにとって初めてのことでとても嬉しかった。

だけど…。


あー、何で、祐介と別の高校になったんだよ。

今の高校の奴等も今まで出会った人間と同じで、くそみたいなのばかりだし。

もう死んでもいいかな。

何て思うほど自分の人生はくだらないものだと思っていた。


その時。

前方から何かが近付いてくるのが見えた。

馬車?

まぢかよ?

ぽかんとしていると、馬車は自分のすぐ目の前で止まった。

扉が開き、一人の老婆が降りてきた。


「少年よ。私と簡単なゲームをしないか?」

全身真っ黒なフード着きの服を着た老婆がフードを取り、馬車から降りて前置きも無く急に口を開いたものだから、驚きのあまり声も出なかった。

「どうせ。お前は自分なんていてもいなくても同じだと思って毎日過ごしてるのだろう?それなら…。私と簡単なゲームをしよう。」

何だ、こいつ。何言ってる?

だけど…。

こいつの言ってることに一瞬むっとしたものの、自分の心を見透かされる気がして、

「ゲーム?どんな?」

「フォフォフォ。ノリがいいやつは好きだ。簡単な賭け事だよ。ここの国の王女ユリアさまを救えればお前の勝ちで、お前が勝ったのなら、お前の望むもの何でも与えよう。だが、ユリアさまを救えなかったら、お前の負けで…。」

そこで一旦言葉を止め、にやっと笑った。

とんでも無いことをいいやがった。

「お前の命をもらうことにする。」


はぁーーーーー?

何言ってんの、こいつ?


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