作戦01-5 森で鬼ごっこをしよう
高い木々が生い茂る森で三人は金の機体を追っていた。
『どっちに逃げやがった?あの三本角坊主。』
『3時の方向、居たでごさる!』
「あそこかっ!」
金の機体は整地された道を通り森の外へ出ようとしていた。
『仕方ない、木の間を通って近道するでごさる!』
そして進路を変更した時、3人の正面の木々が次々と倒れて来た。
「うわあぁっ、何だよ!?」
『木の裏側に20体、尖兵でごさる!』
『っぐわわっ!』
全員上手く避けたようだが敵に対応するため三人は人形に変形した。
(どうするどうするどうする?このままじゃ敵に逃げられるし、うーん、そうだっ!)
シンタは秘策を考えついたが、そのためには10秒間ノックバック、つまり仰け反らないようにしなければならない。
「武崎さん、暫く敵の注意を引き付けておいてください!」
『わっ、わかったでごさる、あまり長くは無理でごさるよっ!』
流石の2人も10倍の人数の相手は厳しいようだ。
『っと、何か考えついたんかい?』
「はい、任せて下さい!」
そしてシンタは道を遮る倒木の方向を向き黄色と黒のストライプで1、と書いてあるいかにも危険そうなスイッチを押し、操縦桿の上についた視点変更用スティックで照準を合わせてから白の2、と書いてあるスイッチを押した。
『まだでごさるか!?』
「もう少しです!」
機体が刀を大きく振りかぶると、刀が紫に発光し始めた。
『うわっ、もう限界、だぞっ!』
福嶋が本格的に焦り始めた、その時。
「来たっ!爆進・波動斬!」
【テルムネ】が振りかぶった刀を振り下ろすと竜巻が起こり紫色の斬撃が回転しながらが飛んで行って、森の出口への道を塞ぐ木々を吹き飛ばしながら道を切り開いた。
『なるほど、っく!超兵器でごさるな!?』
「皆さん、逃げますよ!」
『よしっ!イクゾオー!』
(寒っ!いや、わざとじゃないよな。こいいよつらがとある田舎者の物語を知る訳がないじゃん。)
シンタは福嶋の発言に心の中でツッコミをしたが、寒い事を言うな、というのが無茶であることを自覚した。
『まだ間に合うでごさる!』
「ええ、急ぎましょう!」
先ほど吹き飛ばした木々の有った場所を通って森の出口に到達し人形に変形した時、丁度金の機体が現れた。
『来やがったな。』
「もう逃がさんぜ。」
『全く、面倒な事しやがって。』
『覚悟っ!』
金の機体はついに観念したのか人形に変形し薙刀を構えた。