作戦01-4 一揆を鎮圧しよう
抜刀するためシンタは左上の赤いボタンを押した。
敵機体も薙刀を構え走り込んでくる。
「うらぁっ!」
一番左に着いている操縦桿を前に二度倒し機体を走らせ右の円に付いた刀を操作する為のレバーその1(仮称)を左に倒しながら左ペダルを踏みダッシュジャンプして敵とすれ違うのと同時にレバーその1(仮)を右に倒す、すると前にジャンプしてすれ違いざまに刀を振って普段より高い威力で攻撃できる操縦テクニックの一つ、ダッシュジャンプ切りだ。
そして一気に敵のHPが0になり、爆発してゲームボール、つまりはコックピットが敵の胸の裏側から射出された。
三次元の法則でいくと近くで二階建ての家並みの大きさの物が粉々に爆発するとダメージになるとかコックピットはどうなるとか問題が有りそうだがここはゲームなので光って視界が遮られるとか、少々揺れる程度の影響しかない。
(一撃だったのを見るとイージーモードなんだな)
「まずは一体!」
『なかなかやるでごさるな、では拙者も、ていっ!』
武崎の機体は空中で一回転して敵を切りつけていた、これは走らずジャンプしてペダルを踏んだまま上下に操縦桿を倒すとできるとても強力なテクニックだ、言葉だけ聞くと単純そうだか実際には操縦桿を上下させるタイミングがとても難しく失敗すると転けてしまうためやはり上級者向けのテクだった。
『いやいやお二人とも素晴らしい技術をお持ちですね』
そう笑いながら相樂も敵の足を刀で叩き、転んで動けない敵をめった切りにしていた。
『よっ、おっとっと、ほいっ!』
福嶋は楽々といった感じで五体の敵の攻撃を防御し、連続で破壊して行った、福嶋は壊し役なのだろう。
そしてこれも一体ならまだしも五体の連続攻撃を防御するのは大変だ。
(ゲーム時代のNPCより全然上手いな)
ゲームの時はこの三人は居なかったがゲームのNPCより全然技術が高い。
かつてはNPCに攻撃されたり、護衛しようとしているNPCが敵に突っ込んで行ったり良くても敵のHPを少し減らすだけで邪魔なので、シンタはやらなかったが予め仲間を破壊するプレイヤーがいたほどだ。
そして敵を次々撃破して行った。
だが…
『うわわっ!』
突如として上から降ってきた金の機体に相樂機が破壊されてしまった、飛び方とあの土煙を見る限り車形態で高い所から飛び出し空中で変形したのだろう。
高所から落下しての攻撃はとてもダメージが増えるため一撃で破壊された。
『相樂っ!何でごさるか!あの機体は!?』
『すみません、離脱します』
相樂はコックピットの移動機能安全な場所に移動した。
『あいつは金色だが三本の角があるしもとは【シンラン】じゃねえか?』
【強僧兵シンラン】、ゲーム終盤の作戦を最高難度でクリアすると手に入る機体だ。
余り多くは作られないらしいがその重量と巨大な出力と高いHPが特徴だ、そしてやはりオーバーヒートはとてもしやすい。
ゲームだからなのだが何でその運動量で燃料切れないの?という感じの機体だ。例えるならとんでもないデブがフルマラソンを全力疾走で完走するようなものだ。その迫力は凄まじく余りユーザーが居ないネット攻略サイトでも人気が高い。
『それは少々不味いでごさるね。』
【シンラン】と比べこちらは3人とはいえ所詮少しばかり出来の良い量産機体、なかなか勝つのは難しいだろう。
「ってか逃げたし!」
金の【シンラン】は車両に変形して森へ逃げた。
『森でごさるか、全員!恐らく奴が首謀者でごさる!慎重に追うでごさるよ!』
『よし、行くぜえっ!』
三人は車に変形して森へ突入した。