作戦01-2 ギアに乗ろう
シンタは御家人に連れられ大きい倉庫の前に来ていた。
「何ですか?ここは」
「ここにからくりの格納庫でごさる」
(からくり?機構兵器の事か、こいつはパイロットだったのか、早く見てみたいぜー)
シンタは内心、興奮した。
なんと言ってもリアルでロボットが見れるのだ、当然の事だろう。
「入るのでごさる」
「はいっ!」
そして倉庫の大きな扉が開かれた。
シンタは感嘆の声を上げた、そこに沢山の可変式の武士型の機体が車両形態で並んでいたからだ。
「うおおっ!」
(すげー!最終強化のとかは無いけど隻眼シリーズに鬼武者シリーズの機体が大体揃ってるじゃん!)
「ここでしばらく待っているのでごさる」
そして御家人は懐から何かを、ゲームのメモリーカードを取り出した。
「あああっ!それは!」
「うわわっ、何でごさるか?」
「うーん、服が変わってるけど確か右ポケットに…あったっ!」
シンタは寝る前ポケットにメモリーカードを入れたまま寝ていたので偶然持っていだのだ。
「おお!貴殿もパイロットだったのでごさるか!?ならば力を貸して欲しいのでごさる!」
(フム、メモリーを持っているとパイロットなのか)
「もちろんですよ!」
普通の人にはシンタの今の即答を不思議に思うだろう、あまりに危険だ、だが、だかゲームの設定としてあった【形状維持システム】、つまりHPが有る限り型が変形してももとに戻るシステムと、更に【コックピットガードシステム】、こちらは乗っている人間を確実に守るシステムがある可能性を信じて乗ることにしたのだ、なにせ2次元の世界に少しでも触れられるのだ、頭の少々弱いシンタはゲームオタクとして死んでも惜しく無い、と考えたのだ。
「ではこれには乗れるでごさるか!?」
御家人は青い【隻眼大名テルムネ】を指差した、この機体はシンタも慣れ親しんだ素早さが売りの世界初のモノアイ搭載武士型可変式ロボの改良型という設定の高性能な機体だ。
「当然です!」
「なら早く行くでごさるよ!」
そして御家人は走って赤い機体のコックピットに入って行った。そしてそれを真似てシンタもロボに搭乗した。
(先に行ってくれて良かった、ゲームにはロボに乗るシーンが無かったからわかんなかったんだよな。)
コックピットの中はやはりゲームボールと同じようになっていた、ただゲームボールは操縦する時だいたいタッチパネルだったがここにはレバーやスイッチが現実に付いていたりキーがメモリーだったり少し差があった、そしてメモリーを差すと座席頭部に付けられたスピーカーから声が聞こえてきた。
『聞こえるでごさるか?』
「はい、聞こえてます」
「では出撃でごさるよ!」
ケンタと御家人はハンドルを握り、足下のペダルを踏んだ。