作戦01-1 武士の町ヒラヤス京
何故かシンタは青い服と黒いズボンを着て人通りのほとんどない寂れた路地で倒れていた、そして早朝の日差しを浴び少し眠気が覚めてきたシンタに金色の糸で刺繍された花の付いている白い着物を着た武士風の男が声を掛けた。
「起きているのでごさるか?」
「うっ、はい」
(腰ガッ!首ガッ!痛いッ!)
「大丈夫でごさるか?」
そう言って武士は手を差し出した、シンタはその手を取りゆっくりと立ち上がって言った。
(なんだ?着物に刀って、もしかして本当にゲームか?俺の服も主人公のとか、誰がやったんだよ、あの変態か?いやんもう私お婿にいけないぜ~。)
「大丈夫です、すみません。」
「お気をつけなされよ、最近は物騒だ、こんな所で寝ていたら暴漢に襲われてしまうでごさる」
(暴漢とか、マジ怖ええしやめてくれよ)
「ええ、あと申し訳ありませんがここが何処か教えて頂けませんか?」
「ここにいるのにここが解らないのでごさるか?変わった御仁だ、着ている服も異国風のものだし、まあいいでごさる、ここは藤藁天皇の治める比良安の都の裏通りでござる。」
「ヒラヤス?」
「そう、比良安でごさる。」
(ごさるごさるって、それに藤藁って刀を持ってる機構兵器を作ってる人だったな、ここはホントにゲームなんだな、あんにゃろう、ふざけた事しやがって、今度会ったら絶対ブチキレてやんぜ)
「………」
シンタは鬼の形相をしていた。
「どうしたんでごさるか?」
「いえ、変態に灸を据えようとおもいまして」
「変態でごさるか?」
「いえ、特別な意味は有りませんよ。そういえばその白い着物って何なんです?」
ケンタは変態の話から話題を変えるため咄嗟に着物の話を持ち出した。
「ああ、これは御家人の制服でごさる」
(御家人って将軍に仕えてる藩主の立場が悪い方の人じゃないの?藤藁は天皇だろう。)
「貴方って領主なんですか?」
侍、改め御家人は微笑んで答えた。
「ははは、一応見回り中なんでごさるよ」
―――ドンドンドンドンドンドン
「ん?」
一揆、一揆だあっ!
避難しろ!
遠くから唐突に太鼓と人々の叫び声が聞こえて来た。
「むっ!」
「一揆だって?都で?」
御家人はひどく慌てた様子でシンタの手を引いた。
「ボーッとしてないで早く逃げるでごさるよ!着いてくるのでごさる!」
「逃げるってどこに、ってうわっ、ちょっ、アッーーーーーーーー!」
そして御家人に引かれて嫌にゲイゲイしい声を上げながらシンタはどこかへ連れて行かれた。
ゲイゲイしい、我らの学校で使われる表現の1つ。
ABE的でBLな時に女子が使う。