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プロローグ
生まれた瞬間から厄介者だった。
私は災いを齎す双子の姉。
その名の通り、私に関わる者全てに不幸事が起きる。
その噂は国中に広まり、王は私を城から追放。
それを庇った母も一緒に追放される。
最初は辛かった。大好きな妹と離れ離れになって。
街でも、双子の姉は災いを齎すと耳にして。
それでも大丈夫だったのは、母がいたから。
『あなたは災いなんて齎さない。いつかは皆がその光に救われる日が来る』っておまじないのように言ってくれた。
その言葉を信じていたのに…母は亡くなった。
私が災いを齎したせいで。
やっぱり私は、幸せも光もあげることができない。
本当に大切な人を誰も守れない。
なら、私は災いをこれ以上招かないために1人になるしかない。
妹を守るために。




