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プロローグ「狩りとは」

狩り。

それは他を殺し、自分を生かす行為だ。


そして言い方を変えるならば、殺し合いだ。


相手も死にたくないから捨て身でこちらを殺しにかかる。

その行為を、先人含め自分らは狩りと命名した。

そしてそれを行う者を、狩人という。

 


雪原の奥にいる獣。

姿勢を低くし、豆粒サイズのそれを目掛け、弓を構える。


左手を弓矢の端に添え、右手で弓を固定する。

視線は動かさず、獲物を捉えている。


そして、大きく息を吸う。


ゆっくりと、吐く。

白い息が口の端から漏れる。


右手に先ほどよりも強い力をかけ、身体の全身のエネルギーを送り込むように肺の空気を抜く。


合図はない。

自分の中で覚悟が決まったら、ゆっくりと左手の力を抜く。


自分の全てのエネルギーを矢に託し、放つ。


矢が曲線を描き、獲物めがけて宙を飛ぶ。


そして、……命中。


ーー


「ただいまー」


小屋の扉を静かに開ける。

木製のその扉がギギギと音を立てる。


外はまだ吹雪いていて、馬鹿みたいに寒い。

震えながら扉を閉め、暗くなった部屋の中を扉の近くにあるランタンで照らす。


右手には、先ほど狩った一回り大きいキツネのようなものがぶら下がっていた。

既に矢尻を抜く作業を済ませ、血抜きもした。


「………」


ただいま、の返事を待つが薄暗い小屋の中は静まり返っていた。


キツネもどきをテーブルの上に置き、近くの椅子に座り込む。


そして、大きくため息をつく。


ま、当たり前か。

誰もいないんだから。


「…おかえりー」


この少女、アレリアは一人でこの小屋で暮らす、狩人だ。


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