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比較的最近更新した短編のまとめ場所

百人のヒロインがいる乙女ゲーム世界に転生してしまった

作者: 仲仁へび
掲載日:2023/11/01



 俺は思った。

 目の前の美女づくめの景色を。


 あっちにもこっちにも美女な景色を見て。


 ーーこのゲーム世界、ヒロイン多すぎ!


 






 俺はどうやら乙女ゲームの世界に転生してしまったらしい。

 けれどそこは。

 普通の乙女ゲームのとこじゃなかった。


 なぜかヒロインが百人くらいいる。

 そんなとんでもゲームの世界だった。


 びっくりしたさ。

 誰がそんなゲームつくったんだよって。


 前世で話を聞いた時は、眉唾ものだったけど。


 男友達と共に「あるわけないって」なんて笑ってたけど。


 本当に実在してたんだな。


 えーと。


 なんだっけ。


 タイトル。


「サウザンド・ヒロイン」とかいう名前だっけ。


 まんまじゃねーか。


 そんなツッコミどころの多い世界だけど、転生してしまったからには生きていかなければならない。


 でも、俺モブだから、ちゃんと生きていけるんかな?








 結論。


 無理っぽそう。


 あらためて、周囲の状況を確認した俺はそう思った。


 だって。


 だってさ。


 ヒロインが百人だよ。


 ヒロインって大抵、こう。


 なんかすごい才能持ってたり、人徳があったり、ものすごく特別な感じがしたりするじゃん。


 そんなのが周りに百人いるんだよ。


 俺の存在埋もれちゃうよ。


 俺、必要?


 って毎回なるもん。








 乙女ゲームの舞台、三千人くらいの学生がかよっている超マンモス魔法学校。


 俺はそこに通ってるんだけどさ。


 ことあるごとに、俺必要?


 ってなるよ。


 俺じゃなくても「私、必要?」みたいな感じになるよ。


 だって。


 学園祭とか青春イベントが起きても、ヒロインズと、あと攻略対象達が全部やっちゃうし。


 文化祭とかも、ヒロインズ以下省略が全部活躍しちゃうし。


 体育祭も、以下省略だし。


 工作が得意な重要キャラ達が、トンカンやってれれば屋台とか出店がすぐできちゃう。


 見た目が麗しい重要キャラ達が、派手な舞台に立てばそれだけで人目を引いちゃう。


 運動神経抜群な重要キャラ達が、トラックを走ればワールド〇ップ並の惨状になっちゃう。


 モブたちは毎回裏方よ!


 こういうのって、モブが秘められた才能をみつけて、喜ぶ!


 みたいなのが青春のセオリーじゃん!


 もしくは、地味だけど地道に頑張って、地味なりに何とか成果を上げてイベントを盛り上げる!


 みたいなのが青春の1ページじゃん!


 それなのに。


 それなのに!


 まったく気配がねぇ!


 ねぇ。俺必要?


 もう全部あいつらだけでいいんじゃないかな。


 俺らみたいなのいなくても、あいつらだけで、全部こなせるじゃん。


 特に女性に色々出番持っていかれる男子って、ものすごくあれというか。


 肩身が狭いとうか。


 情けなくなるよね!


 張り合えるのは、攻略対象くらいだろ!








 あとは、こう絵面がね。


 残念なんよ。


 俺の目がね。


 風景がね。


 まぶしい。


 美形美女ばっかりだから。


 なんていうかこう。


 テレビCMとか広告でしかお目にかかれない光景に満ち溢れてるっていうか。


 だからこそ、なんていうの?


 現実味がないんだよね。


 体育の授業で、プールに入っている美女達。


 確かに美しい。


 図書館で静かに読書する美女。


 確かに神聖。


 トラックを一生懸命走る美女。


 確かに愛らしい。


 目の保養になるんだけどさ、綺麗なものがたくさんありすぎると現実味がなくなるっていうか。


 豪華フルコースに憧れていたけど、いざそれが日常的にお出しされると、慣れちゃって味の良さが分からなくなる感じ。


 一周回って、損してる気分になるよね。






 俺の親族とかにも、何人かヒロインがいるけど。


 とても可愛らしいんだけど。


「お兄ちゃん!」


 とか


「ぼうや」


 とか


「あにき!」


 とか言ってくれる。


 年下ヒロインとか、年上ヒロインとか、やんちゃっこヒロインとかいるけど。


 慣れちゃってるから、な。


 美人なお姉さんがいたら自慢するんだ!


 みたいな夢が前世からひそかにあったけど、慣れちゃってるし、周りも美人ばっかりだからな。


 一周回って、色々残念な事に。


 はぁ。


 一体誰がこんな乙女ゲームをつくったんだろうな。


 顔見れる機会があったら、ぜったい問い詰めちゃる。







 私、神。


 偉い人。


 でも。


 とっても暇。


 だから、色んな世界をのぞいて、面白そうだな~と思った事を片っ端からやってみる事にしたの。


 その中でも、乙女ゲームっていうものが面白そうだったから。


 自分でも作ってみたのよ。


 それで、こっそりとある世界で、神様的なパワーを使って、売り出してみたんだけど。


 まったく売れなかったわぁ!


 一体どういう事よ。


 それどころか、ネットでクソみたいなレビューを書かれまくる始末。


「わろす」


「草」


「百人とかあたおか」


「製作者の狂気を感じる」


 ですって。


 何よ。きいいいい!


 乙女ゲームってかわいいヒロインがいればいいんじゃないの!?


 だから、色々たくさん詰め込んでみたのに!


 こうなったら、もっといいゲームつくって、ぎゃふんと言わせてやるんだから。


 そのためには研究が必要よ。


 誰か手ごろな人間を、あの世界に転生させて、反応を見てみましょ!


 あっ、ちょうどいい所にモブっぽい男がいるわ。


 利用しちゃいましょ!


 これからじっくり観察して、何がおかしいのか見極めなくちゃね。



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