マジカマジカ
「先輩は生が好きという話を聞いたんですけど、……付けていただけませんか?」
俺が突然出されたゴムに動揺を隠せずにいると、白が口を開くが補足説明をされても全く持って意味不明だ……とりあえず否定はしておくか
「まず、俺はそんなことをするつもりはない」
「?」
「それに、学校でしたことも一度もない」
「……そうでしたか」
「その話、誰に聞いた?」
「直接ではありませんが、クラスメート達が話しているのをよく耳にするので」
偶然耳にしたことを信じたわけか、とにかく机の上にゴムが置いてあるこの状況はまずいな……誰かに見られたらもう否定したって無駄だろう
「早くしまえ」
「はい……では、私は何をすればいいのでしょうか」
「一緒にゲームをするぞ」
「はい」
二人でゲームを始める
「好きなキャラを選べ」
「はい」
「ルールはやりながら教える」
「お願いします」
説明をしながらゲームをするが要領がいいのか白は教えると直ぐに上達した
そしてしばらくゲームを続けていると、
「先輩はどうして、私の見た目のこと聞かないんですか」
白が口の端からこぼすように言った
まあ、正直気になってはいるが
「聞いてほしいのか?」
「いえ、ただ……容姿について聞かれないという経験は始めてでしたので」
「俺も少しは見た目で判断されることの辛さを知っている。部室では気にしなくていい」
「……はい」
その返事には少しだけ熱がこもっていた……
◆◆
「また負けてしまいました」
「筋はいい、経験の差だ」
「負けてばかりで……すみません」
「どうして謝る」
「面白くないかと」
ああ、俺がこの状況をつまらなく思っていると勘違いしているのか
「たまには一人用以外のゲームも悪くないとは思っている」
「そうですか」
その後も危ない所はあったが結局、ゲームは俺の全勝で終わった
「休日の部活はない、明日と明後日は休みだ」
「はい」
「じゃあな」
「さようなら」
あ……、そういやゴムの衝撃で忘れていたことがある
「いや、……まて」
俺は帰ろうとしている白を呼び止めた――
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