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という話  作者: 門松一里
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「作品の時代性」という話

「作品の時代性」という話


画像1


百年経なければブランドとは言えない。


あなたが好きな作品は今後百年残るでしょうか。


少し考えてみましょう。


*****


百年を経て、ようやく一廉 (ひとかど) のブランドと言われるそうです。


現代において、百年残る書籍も多くあるでしょうが、読まれる作品も少なくなるでしょう。


小説『アルジャーノンに花束を』でチャーリイ・ゴードンはラハジャマティの論文からニーマー教授の言葉を止めましたが、学術的な論文でさえ、一個人が一年で読める量をすでに上回っています。

cf.

ダニエル・キイス、小尾芙佐訳『新版 アルジャーノンに花束を』 (早川書房、2015年) P226-228


もうそうしたことはできない時代になっています。つまり、一人 (あるいは数人の) の優秀な人間が判断できる範囲を超しており、今後はプログラムされた機械が判断していく時代 (その判断に人間が従っていく時代) になるということです。


その中で、芸術作品はどう残っていくのでしょうか。この点、竹・木・絹・紙といった物理で残すのは有効です。今でも二千年前の竹簡 (ちくかん) ・木簡 (もっかん) ・帛書 (はくしょ) ・文書が残っていますからね。

※簡は「ふだ」なので、並べると間があくので簡と言います。絹の帛書や紙の文書はそんなことをしなくても一つにとめられます。


インターネットの世界になって、サーバーごと消えてしまうと復旧はしにくいのが現状です。「読む」という行為に、時代性が追加されてしまいました。


身近に感じるのではないでしょうか。AmazonプライムやNetflixによる無料の量の前に、個人がどれだけ微力かを思い知っているはずです。#blackjoke



流行 (はやり) の作品だけを追うのではなく、古典作品を楽しむこともまた重要です。ほとんどがそのコピーでしかありませんから。


2015年に、遅ればせながらレイ・ブラッドベリの『何かが道をやってくる』を読んだのですが、こうした古典は若いころに読んでおくべきでしょうね。


影響を受けた作品を知っていると原典が色褪せてしまうのです。少しもったいない気がしました。


たとえば、藤田和日郎のコミック『からくりサーカス』は小説"Something Wicked This Way Comes"そのままの、本当に楽しい作品です。


この「何か」とは、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『マクベス』に登場する三人の魔女の一人が口にする"Something"です。主人公のマクベスその人なのですが、魔女に魂を売ってしまい、もはや人間であることをやめています。※策にのってしまったというほうが正しい。


『マクベス』の台詞は、平野耕太のコミック『HELLSING』 (ヘルシング) にも使われています。


To morrow, and to morrow, and to morrow,

Creepes in this petty pace from day to day,

To the last Syllable of Recorded time:

And all our yesterdayes, haue lighted Fooles

The way to dusty death. Out, out, breefe Candle,

Life's but a walking Shadow, a poore Player,

That struts and frets his houre vpon the Stage,

And then is heard no more. It is a Tale

Told by an Ideot, full of sound and fury

Signifying nothing.

http://www.gutenberg.org/cache/epub/2264/pg2264.html


引用は、プロジェクト・グーテンベルクからですが、シェイクスピアの時代の英語は仏語の影響が大きいです。ジャンヌ・ダルクが活躍した百年戦争では、英仏両国とも王族はフランス人です。


なお、エイブラハム・ヴァン・ヘルシング教授のスペルは"Helsing"ですが、地獄"hell"を演出して「地獄を歌う」となっています。こうした原作の改変は楽しまなくてはいけません。



私たちは「考える」という行為に、作品が加味されます。情緒ですね。でないと、人間性がありませんから。けれど、時代や環境によってその作品も変化します。


一例をあげると、シェイクスピアの『ハムレット』は母が叔父 (夫の弟) と結婚して、息子のハムレットがグレています。


よく勘違いしている人が多いのですが、ドイツのヴィッテンベルク大学で学んでいたハムレットは十九二十の若者ではなく、三十歳 (!) です。当時は議会で王を選んでいたそうですが、ハムレットではなく叔父のクローディアスが選ばれました。


戦争ばかりしている前王ハムレット (主人公と同じ名前) を暗殺したクローディアスは、議会の擁護もあった (バレなければ) と考えるべきでしょう。前王ハムレットが昼寝をしているとき、王妃ガートルードはどこにいたのでしょうか?


ジョークは別にしてハムレットは議会には人気がありませんでした。政治に興味もなかったのでしょうけれど、それにしても三十歳で海外留学です。政治的に無能であったというべきでしょう。それに友人もホレイショたった一人です。ローゼンクランツとギルデンスターンはハムレットの策略で葬られました。


さて、ハムレットは母が叔父 (夫の弟) と結婚しているのが不満です。けれど、未亡人が亡き夫の弟と結婚するレビラト婚の風習がある時代や環境だったらどうでしょうか。単純にハムレットがマザコンなだけになってしまいます。

※東アジアの思想では非常に嫌われた風習だったが、庶民では財産がそのまま未亡人のものになるので弟と結婚する例があった。一方では嫁に出たのに戻るのは不幸であり、また財産をもって帰ることもできなかった。



また、即興性も考えられます。その時のその場のためだけの作品です。日本では能ですね。神への奉納で、巫女が舞うこともあります。


神代の時代では、天岩屋戸の前でアメノウズメが舞っています。『古事記』では、かなりエロい踊りだったと記されています。『日本書紀』には記載がありませんが、こちらはお堅い歴史書ですからムリもないです。


他にも、生け花があります。お茶会で花をいけますが、それをスマートフォンで撮影するのは不粋でしょう。そうしたものは心に残すものです。恋人のポルノとかも品がないです。瞼に焼き付けて楽しむべきものです。



一方で、学生が著作権を無視して作ったような作品もあります。まあ若気の至りというものでしょうけれど、そうしたものは再現性がありませんから、作品とは言えません。話題にしてもいけませんし、どうしても発表したいのであれば、関係者に協力してもらわないといけません。個人の一方的な思いで、人に迷惑をかけてはいけないのです。


どうしても発表するというのであれば、それなりの覚悟が必要です。炎上もあるでしょう。そのとき誰が傷つくのか、想像できるでしょうか。


悪意の想像力がない人は、愚者である。


最悪、人が亡くなりますが、そうした結果になったときには人を生き返らせることはできません。


ですから、気が付いたら多くの人が注意します。私がやってしまうかもしれません。すぐに謝って被害を広げないようにするだけです。それができないのであれば、どのような作品においても参加する資格はありません。いくら才能があろうと、その場を与えられることは二度とありません。



努力は運と才能がある人がするものであって、運に見放された才能のない人がするものではない。#blackjoke

技術は運も才能もない人でもそれなりにできるものであって、運や才能による王道はない。

https://twitter.com/ichirikadomatsu/status/1379257763478433794


才能がありながらほんの数%も誠実に努力せずに、運を言い訳にする人は哀れだ。運も才能もなく努力できない人にしてみれば、贅沢だから。#blackjoke

https://twitter.com/ichirikadomatsu/status/1384391274120114182



私の作品ですか?


国立国会図書館にありますから、日本がある限り永遠に残ります。



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