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という話  作者: 門松一里
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「普通」という話

「普通」という話


普通って何でしょうね?


*****


日本国憲法には〔平等原則〕があります。


第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。


昭和21年11月3日公布で、昭和22年5月3日施行です。


今は令和2年 (2020年) です。昭和21年は1946年ですから、74年前です。ざっと三世代前といったところでしょうか。

(昭和は1925年足すと西暦です。)


憲法では「差別されない」と書かれていますが、どうでしょう。そんな世界を見たことがありますか?


ある時間のある場所でしたら、見たことがあります。けれど、恒久的に見た覚えがありません。


それが現実です。


別に私は悲観論者ではありませんし、楽観的にも考えていません。


瀧本哲史先生に「理想の社会とそうでない社会」を聞いたことがあります。


瀧本哲史「各人の自由な意思決定の総計が社会になっているのが、理想で、誰かに従う社会が望ましくない社会」


*****


日本は、少し前まで争いの国――武力によって統治する国 (武国) でした。ですから、「話し合えば分かる」という行為は無理でした。


明治になり、「話し合えば分かる」という幻想をいだいて多くの偉人がなくなりました。


儒教の小人は徳のない愚かな人を意味します。言い換えれば、民主主義は愚かな人の愚かな人による愚かな人のためのものです。エイブラハム・リンカーンのゲティスバーグ演説ですね。「愚人だけで、話し合いで決める」というルールだからこそ、愚人が愚人をおとしめはずかしめる行為が続きます。


けれど、けれど、です。聖人が小人を支配する階級社会=差別社会よりはマシだということです。基本的人権があり、社会保障があり、何より個人の尊厳がある (とされる) 今の日本。理想といえば理想ですが、いまだに愚かな人は聖人政治をしたがります。いい加減歪んだ思想から抜け出せばよいのに。


理想の愚人の思想があるとするなら、それは法律です。人間が生き考えても「真理が何か解らない」のが基本です。多くの学問がそれを解明していく学びなのに対して、法律だけは「私たちが作ったもの」で、私たちに責任があるからです。


ルネ・デカルトの『方法序説』が1637年で、フランスの人権宣言が1789年。152年あります。1789年に152年を足すと、1941年。偶然でしょうけれど真珠湾攻撃 (太平洋戦争) です。もう一度足した2093年くらいに、ようやくまともになるのかしら。


ほとんどの学問は「いまあること」「存在していること」について学びます。光であれ言葉であれ「いまあること」に変わりはありません。アブラハムの宗教 (キリスト教) の影響でしょうね。過去や未来を調べるにしても同じことです。現在に投射しなければ理解できませんから。


投射された思想は、映画のフィルムのようなものかしら。1缶が終わるのが30年くらい? 細かくすると10年ずつかしら。ある時、映写方法が変わってパラダイムシフトします。映写機で投射するより、スマートフォンでするでしょう。誰でも持っていますし。昔は誰も持っていなかった投射能力が、いまあります。


そしてまた、聖人を作りたがります。単純に投射能力が高い人を聖人化してしまいます。それは影だということを理解するのに、喰い尽くすつもりなのかしら。とはいえ作り出した影に支配されるのはビッグ・ブラザーです。聖人がその役についたら独裁者になってしまいます。とりあえず、学び続けないといけません。


投射と学びに対して、「私たちが作ったもの」=法律があります。光の本質が何かを理解しても、投射された影におびえるのが人間です。そうした影 (に乗じた悪) におびえなくてもよい社会をつくるために法律があります。だからこそ、私たちに責任があります。愚かな人は愚かなりに生きるものだとしても。


何しろ「名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓」っていますから。


日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。



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