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という話  作者: 門松一里
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「瀧本哲史による教養の4分類」という話

「瀧本哲史による教養の4分類」という話


「10代で読んでないと恥ずかしい必読書」というリストがあるそうです。


品がない。


https://twitter.com/georgeochiai/status/1300224505021788160

https://twitter.com/hironobutnk/status/1300283750513664000


落合ジョージさん (@georgeochiai) が

「ググっていたら10代で読んでないと恥ずかしい必読書なるリストがあったけど、泰延さんはほぼ読破されているのかなぁ。」

と引用RTされていて、


田中泰延さん (@hironobutnk) が

「このリストを見ると1/3は読めていません。人生も残り少ないので頑張ります。」

と答えられていました。


「ちょっと待て」と思われた方も多いのではないでしょうか。


「1/3は読みました」ではなく「1/3は読めていません」です。


「2/3は読んでいる」 (!) のです。


「羽川翼か!」ぐらいの勢いでツッコミたいですが、事実読んでいるのです。

cf.

羽川翼「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」

西尾維新『化物語 (上) 』 (講談社、2006年)

※ヒロインの一人である羽川翼は学校図書館の本をすべて読んでしまっています。


ちなみに、私は半分しか読んでいないです。

私が読んだ全集はジャン=ジャック・ルソー、内村鑑三、夏目漱石、芥川龍之介、太宰治、それに夢野久作ぐらいです。中里介山『大菩薩峠』 (全41巻) は第一巻で脱落しました。

【ジャン=ジャック・ルソーの『告白』は最後に読むこと。】


いやいやどこの世界に徳川光圀『大日本史』を読んでいる人がいるのです?

(全397巻226冊あります。目録だけで5巻あります。)


研究者か、よほどの好事家しか読みませんよ。


とはいえ、水戸藩の人が『大日本史』を読んだから明治維新になってしまったんですけれどね。#blackjoke


*****


「10代で読んでないと恥ずかしい必読書」というリストの内容を見るとまるで統一されていなくて、品がないです。


リストをあげた人の思想に偏りがあるので意図がよく解りません。たとえば、ルネ・デカルトは『省察』の前に『方法序説』を読んでいなければなりません。端から元へ (その本を読むために原典を探して読むことを強いる) という考えであるなら、孔子の『春秋』は難題です。※現存していません。


『六韜』があるのに併称される『三略』がないというのも不可思議です。そもそも、論理的に並んでいません。歴史書の『新五代史』と『大鏡』の間に道家の『老子道徳経』をおくのは浅慮すぎます。


知識を羅列することが学問ではありません。第一、私たちより長生きをした古書に対して敬意が足りません。


意図的にリストにしたのであれば、悪意があります。フレイザーの『金枝篇』は10代で読んでも何ら楽しいものではなく、簡約本 (岩波全5巻) でさえ苦痛でしょう。学びの楽しさを教えるのが老人のつとめであり、若人に苦しみを与えてはならないのです。


良質な知識を得たいなら、社会に貢献することです。

cf.

「良いワインを飲みたければ、ワインに詳しくなるより、お金を儲けたほうが早い」 (東京大学名誉教授 文化人類学者 船曳建夫)


足りない知は誰かが書いています。書いていないのなら、書き残しましょう。

cf.

田中泰延「読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術」

https://amazon.co.jp/dp/447810722X/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_RvktFb9E5KEZS


*****


後で調べてみると、リストをあげた人には意図があったようです。


実は「ヤマグチノボル『ゼロの使い魔』」が挿入されていたらしいのです。

cf.

2chの「10代で読んでいないと恥ずかしい必読書」リストが話題に→教養は大事だよね!ツッコミどころ有りすぎ!など物議を醸すが真相は...?

https://togetter.com/li/1584489?page=2


『ゼロの使い魔』はTVアニメにもなった有名なライトノベルです。


クイズで違うものを探すようなものです。

cf.

「日日日日日日目日日日日日日」


そうした楽しみを、誰かが消した訳です。みんなが楽しんでいるのに一人が「これは違うよ」とツッコミをしたんです。実に、品がないです。みんなで楽しめばいいのに。


安易に削除したために、他の解 (ほつ) れを目立たせてしまいました。こうしたことをしないために本を読んで教養を得るのです。


*****


本を読んでいると言っても、どこまで理解しているか解らないものです。


たとえば、


1.著者あるいは題名を知っている

2.概略を知っている

3.読んだだけ

4.読んで理解している

5.相手に説明できる


という段階があっても、「概略を知っている」と「読んだだけ」は同じ程度の理解でしょう。


1<2=3<<4<| (壁) <5


図にするとこうなります。自分が「読んで理解している」ことと「相手に説明できる」ことには壁があります。


さて、瀧本哲史は教養を4つに分類しています。


【瀧本哲史による教養の4分類】

構造化された体系を学ぶ

→複雑な世界に構造を見つける

構造化されていない世界に触れる

→全く新しい視点を見つける

相手の世界に合わせる

→相手に質問できる

自分の世界を伝える

→相手の質問に答えられる

cf.

瀧本哲史「教養ポートフォリオの組み立て方と生かし方 (特集 今、知るべき教養) -- (仕事に効く教養を賢人に訊く)」

(日経BP、2013年) 日経ビジネスassocie 12(3)=257:2013.2 p.86-89


前半2つは「発見する教養」で、後半2つは「越境する教養」です。


後半の「越境する教養」の

「相手の世界に合わせる→相手に質問できる」と

「自分の世界を伝える→相手の質問に答えられる」とは

かなり差があります。


ともあれ、教養は「この時にはこうすればいい」といったハウツー的には学べません。瀧本哲史が語るように「何をどう学ぶべきかを、自分で考えるのが教養」なのですから、自分に必要な教養のポートフォリオ (資料やその情報) を組むことになります。


とはいえ、ポートフォリオ (資料やその情報) を組むとしても教養が必要になってしまいます。ジレンマですね。アドルフ・ヒトラーが聖槍〈ロンギヌスの槍〉があれば世界を征服できると知ったけれど、その槍が大英博物館にあるようなものです。


ただし、一般的な教養は「相手に質問できる」レベルで十分です。そのレベルであれば (学術的には問題ですが) 一次資料を読む必要はありません。どうせ読んでも理解できませんから。#blackjoke ではなく事実として。


ミルトン-2


たとえば、ミルトンの『失楽園』 (上) (岩波書店、1981年) は全443ページですが327ページからは訳注です。実に1/4が訳注です。初心者が訳注なしに読むのは不可能でしょう。https://twitter.com/ichirikadomatsu/status/1124206789442949120


まず、構造化された体系を学ぶために、一般的に正しいとされる二次資料で基礎を学ぶことです。大学の教養課程の書籍が有用ですね。もっと気楽に読むのであれば、よくできた二次資料を使う方法があります。つまり、『三国志』ではなく『三国志演義』を読めばいいのです。横山光輝『三国志』や王欣太『蒼天航路』は楽しいです。


資料を調べるとだいたい一周します。一周しなかったら調べたりない誤っていると考えたほうがいいです。一周したころ一般的に言われている話の本質が見えてきます。そこで、ようやく「全く新しい視点を見つける」ことができるのです。では、具体的にどうしたらよいのでしょうか。


「越境する教養」の

「相手の世界に合わせる→相手に質問できる」と

「自分の世界を伝える→相手の質問に答えられる」とから

社会において、「人格自体とその権利感覚を示す」 (※) ことです。

cf.

イェーリング『権利のための闘争』 (岩波書店、1982年) P48


そのためには、

「発見する教養」の

「構造化された体系を学ぶ→複雑な世界に構造を見つける」ことで

「自己の権利が蹂躙されるならば、その権利の目的物が侵されるだけではなく己れの人格までも脅かされるのである。権利のために闘うことは自身のみならず国家・社会に対する義務であり、ひいては法の生成・発展に貢献するのだ」 (※) ということを理解することです。

cf.

イェーリング『権利のための闘争』


そうしたことがなされたのち、「構造化されていない世界に触れる→全く新しい視点を見つける」ことができます。


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