俺と父さんの旅人備忘録
第4王子だから、15歳までは城にいて、後は婿養子か出家か冒険者が…になる。
王位継承権は破棄したいし、自由気ままな旅人になりたい!
「良かろう。フレデリック15歳の誕生日を迎えた昼に旅人となれ」
『ありがとうございます』
「王位継承権はどうする」
『破棄します、自分には…王は合いません。のんびり気儘に旅をします』
「旅か…良いな」
『はい!』
ルンルン気分で自室に戻り、どこを旅するかを考えた。
15歳の秋、弁当を旅金を貰い城を後にした。
しばらく歩き、旅人が泊まれる小屋を見つけ中に入ると…。
「はっはっは!遅かったな我が息子よ!」
『は?え?』
「ワシも来ちゃった☆」
バチコーンとウインクし、シタをペロッと出す巫山戯た男…俺の父親がいた。
『来ちゃった☆じゃないよ!城は!国は!』
「キットがワシは邪魔と追い出しよった。大臣と一緒にのぅ。
じゃから、キットに渡した。国王の座をな。操り人形にしかならんがな。
民も老いたワシよりキットを選んだ。それが全てじゃ」
『嘘だね。キット兄様は…父様が俺を羨ましくてたまらない瞳をして見送ったから…だから代わりに「黙れ…」…はい』
父様は7男だったが、皆が皆やりたいことがあり、父様は旅人を諦めた。
ずっと外を眺めたりしていたのを、兄様達も知っていたから。だから、この機会を逃さず父様を退位させたのだろう
「さて!親子水入らず旅をしようかのぅ」
『はぁ…はい!父様』
「呼び方は、父さんだ!憧れていたのだよ、父さん呼びに」
『……と、うさ…ん?』
「愛しい息子よ!どうした!」
『アンタが呼べと言ったんだろう!』
「はっはっはっはっ(笑)」
俺はこの楽しそうに笑い、普通のパンを美味そうに食べ、以外と体力や庶民の暮らしやらを知る父様…父さんにびっくりした。
きっと、父さんも城から出るために旅人になるために、様々な事を勉強したり調べたりしたはず。
「たまーーに、お忍びで城下町に行っていたのだよ。城は窮屈すぎる…」
『だから、串焼きにも抵抗なかったんですか』
「最初は抵抗がありまくりだ。こんな風に食べんからな、城では」
指についたタレをペロリと舐めるなんて城でしたら、皆に咎められてしまう。マナーも煩いんだなコレが…。
こうして、様々な村や町を旅して行く俺達父息子は、わだかまりも無くなり、旅を楽しんだ。
そして、俺は27歳でキット兄様と交代し国王に、キット兄様は念願の騎士団、リィン兄様は念願の会計事務係、シュリンク兄様は念願の旅人を父さんと。
意外に国王の仕事は楽しく、俺は率先して国王に携わり、86歳の生涯を終わらせた。
俺には3人の息子に1人娘がいるが、遺言書には俺の国王になるまでの話を書いた。
それを読み、どうするかは子供達に任せよう。
さて…妻が迎えに着たようだし…行ってくるか…。
読んでいただきありがとうございます。
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