1話 始まりの日
目が覚めると知らない天井で木造の家のようだ。辺りを見回すと部屋には私一人で小さな机と椅子、何かよくわからないものが色々入っている箱くらいしかなく殺風景な部屋だ。そうしてぼんやりした頭で回りを見回していたら急な頭痛がやってきた。
いたっ!
その瞬間、前世の記憶とこの身体の今までの記憶が早送りみたいに流れていった。前世の記憶はよく思い出せなかったがとにかく不幸だったことだけはわかった。そして今までの記憶では、私は3歳で家族は父と母がいて最近妹が一人生まれていることが分かった。
父は金髪碧眼でアレン、母は赤髪の紫色の目でセレナ、妹の名前はミーナというらしく、私の名前はソフィアだった。
父と母は仲が良く私を愛情をこめて育ててくれていた。でも父と母の来ている服が少し汚れていることや毎日仕事しているのを見るとそこまで裕福ではないのかなと思う。
あれこれ思い出していると母が起こしに来た。
「おはようソフィ、もう朝よ。早くご飯を食べましょう」
「おはようお母さん、今行くね」
まだ少し混乱しているけど怪しまれないように挨拶を返してそのまま母についていくと、母はそのままキッチンに行きスープが入った鍋の下にある薪に手を向けて「ファイア」というと薪に火が付いた。
「えっ!」
驚いて小さく声を出してしまったけど幸いにも母には気づかれなかった。けれどそんなことは関係なく私の心臓は激しくなっており、目の前で起きた現象に興奮を隠せずにいた。
「お母さん、今のって…もしかして魔法?」
「あらそうよ、今のは生活魔法のファイアだけどソフィは見たことなかったかしら?」
当たり前のように魔法と返されて前世から魔法に憧れていた私は母の疑問には気付かず興奮して、自分も使えるのかが気になった。
「それって私も使えるの?」
「ソフィはまだ小さいから魔力もないし危ないから使えないかな。それより早くご飯を食べましょう。この後お母さん、お父さんの手伝いにいくからね」
母は私が魔法に興味を持ったことに気付いたようだが、あまり教えるのに乗り気じゃないようだ。でも私は、魔力という言葉にも興奮してしまいそれにも気付かずにどんな魔法を使おうかという想像をしながら黙々とご飯を食べていた。




