イライラゲージ
今回多分短い。
急いで書いたので、ご了承ください
申し訳なく思っています
小部屋に入って30分の時が経過した。
「倒れる気配がしないな………」
例のスライムは、未だに健在だった。
「椿くん!なにか策はないですか!?」
花恋の必死の声にも椿は答えられない。
(どうすればこいつを倒せる?)
試せることは全て試した。
火炙りにもした。氷漬けにもした。切り刻んだ。重力で押し潰した。水素爆発させた。地震の衝撃を直撃させた。内部から破壊した。内側から爆破した。細胞を壊死させた。
ありとあらゆる攻撃をした。
試練の遺跡が壊れない程度に攻撃を続けた。なのに、倒せない。
「椿。なにか策は………」
煩い。ただ、己を求める声が煩わしかった。
「ちょっと………」
黙れと言いそうになって、言葉を止める。
「なんだ?これ………」
おかしいと感じる。だが、それだけだ。普段の椿では気づけたことが気づけない。
「みなさん!危ない!」
エミリーが咄嗟に具現化した盾でスライムからの攻撃を防いだが、すぐに溶かされてしまう。
椿が周りを見ると、全員ストレスが溜まっているようだ。
発散先がそもそもの原因であるため、発散もできない。
「一度、退避するか」
椿は地面を爆破した。最初から見つけていた地下通路だ。
だが、この地下通路からでは試練をクリアして出口まで行くのは困難と判断していたが、やむを得ない。
「全員、一度退避しよう。この中に!」
ストレスが溜まっていても、椿の言葉。花恋とリーリエがまっさきに中に入っていく。
「ま、待って!」
エミリーも急ぐが、スライムに邪魔をされてなかなか進めない。
「キャッ!」
そして運悪く転んでしまったエミリーはスライムの触手に捕まりそうになり、
「"大震間"」
椿がスライムの触手を潰した。
「椿さん!」
エミリーは安心したが、それも束の間。エミリーの足元の地面が崩れてしまった。
「椿さん!」
自分は大丈夫だ。そういう意味を込めて叫んだのだが、椿はその意味を理解しながらも無視して、エミリーを追った。
椿が見つけていた通路は3つ。スライムを倒して通る簡単難易度Eクラスのルート。
部屋の真ん中にあり、隙を見つければ問題なく入れる難易度Aルート。
そして、ピンチの時しか入れないし、難易度が最も高い難易度SSルート。
花恋とリーリエは難易度Aルートへ。
椿とエミリーは難易度SSルートへ。
それぞれの試練は、分岐する。




