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見つからない

 王国と帝国の同盟が締結されて、椿が魔法陣を設置してから一週間の時が経過した。


「………暇だな」


 その間、椿はなにもしていなかった。


「暇だなって………仕方がないじゃないですか。九つの試練の情報も手に入りませんしね」


 そんなことを言いながら、椿が現在居る部屋に入ってきたのは花恋だった。


「だけどな、考えてみろ。探しているが、なかなか見つからない時の面倒さよ。普通に嫌だ。俺はゲームでも探し物はなるはやで見つけたいタチなんだ」


「そのげぃむのことはわかりませんが、面倒なのはわかりました」


 帝国は案外広い。

 そのため、虱潰しに試練のありそうな場所を探してはいるものの見つからないのが現状だ。


「あのクソ皇帝がある程度情報を教えてくれたなら………」


 椿がダクデュール皇帝にヒントをもらいに行っても、普通に突っぱねられた。

 寛容な皇帝のイメージはもはや椿の頭の中から消え去っていた。


 皇帝が椿を嫌がるから、椿達がいるのは帝都内の宿だ。

 帝都の中で一番綺麗な宿を選択した。



「エミリーは同盟の話しまだやってるし、リーリエは護衛してるし………」


 皇帝的に、椿が来るよりも、リーリエか花恋が来た方がマシなのだとか。

 ちなみにヘクトールは起きた。


 ヘクトールは起きて、現状確認を終えたあと、その時の自分に恐怖したらしい。

 どうやら、あれは相当危なかったらしく、あと一歩遅ければシュラーゲンに身体を乗っ取られていたと考えられる。


 ちなみにお見舞いとして椿が侵入したときは、泡吹いて倒れた。情けない。


「そんなことより、試練の場所だけどな………」


 椿はギルドで適当な依頼と並行して試練の場所を探している。

 だが、見つからない。それはもう。


「ありそうな場所は探したのですけどね………」


 新たにバツが増えた地図を見ながら花恋もぼやく。

 洞窟だったり、遺跡だったり。調べたら見つかるものは全て見つけた。だが、全滅。


「なら、やっぱり帝城なのかな………」


「でも、先日侵入したときはなにもなかったですよね」


 そう。帝城にはなにもなかったのだ。

 ならば次に狙うのは


「情報、だな」


 情報さえ手に入れることが出来れば、探すのもかなり楽になる。


「残り3つなんだ。ここで諦めてたまるかよ」


「ですが、そのために帝城に侵入するのは………」


 正直、九つの試練攻略も犯罪ではある。だが、事前に危険を察知して、潰しておいたと言えば、まだ通る可能性がある。


 だが、情報を盗るのは強盗だ。まだ、花恋にそこまでする勇気はなかった。


「だったら、エミリーに任せるしかないな」


 今回、エミリーも試練に着いてくると言ってきた。そのせいもあって、エミリーは皇帝から情報を抜き取ろうと必死になっている。


「エミリーさんも待ってますし、情報を待ちましょう」


「そうだな。他にもまだ見つけてない場所とかあるかもしれないしな」


 だが、その後帰ってきたエミリーは、帝国内で最も危険な場所への地図を持っていた。

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