表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/151

パワーアップ

 リーリエはお腹に直撃した衝撃によって、後退した。


「まさか、具現化した剣だけじゃなくて、物理攻撃まで使ってくるなんてね………」


「私は誇り高き天使族です。使える戦術が神聖魔法だけだと思ったら大間違いですよ」


 そう言いながらミカエルは一瞬でリーリエに肉薄した。


「はやい!」


 リーリエは"神速"を用いてミカエルの攻撃範囲内から逃れようとするも


「逃がしませんよ」


 巨大な盾を具現化することによって逃げ道を防いだ。


「合成魔法!"溶熱岩牙"!」


 だが、リーリエはすぐに振り返ると、マグマの塊をミカエルに向かって放った。


「合成魔法………厄介ですね」


 ミカエルはすぐさまその溶岩の危険度を察知すると、的確に回避した。


「そう来ると、思ったよ!」


 だが、回避先には強欲の権能によって未来を見たリーリエが的確に"極滅の業火"を放つ。


「くっ!盾よ!」


 だが、それすらも盾を具現化して防がれてしまう。


「"炎雨"」


 だが、リーリエはミカエルに息付く暇も与えない。すぐさま無数の炎を生み出すと、それらを雨のように落とした。


「無駄ですよ、そんな技。撃つだけMPの無駄です」


 だが、ミカエルはそんな炎の雨の中を進んでいく。

 炎が当たりそうになると具現化した剣で振り払い、リーリエの元に辿り着く。


「吹き飛びなさい!」


 ミカエル渾身の回し蹴り。それは確かにリーリエに直撃した。だが、


「捕まえ、た!」


 リーリエは右手でミカエルの足を掴んでいた。


「な!?離しなさい!」


「嫌だね!」


 リーリエは左手をミカエルの眼前に広げると


「"滅亡の光"」


 光線を解き放った。

 光線を解き放った後にはミカエルの姿はなかった。


「"氷拳"」


 だが、リーリエは油断せずに背後に向かって氷の拳を放った。


「不意打ちに、成功したと思ったのですが………」


 ミカエルは咄嗟にリーリエの手から足を振りほどくと"滅亡の光"を回避し、背後に回っていたのだった。


 そんなミカエルを見てリーリエは一言。


「ダメだね………」


「?何がですか?三大天使の一人である私と互角に戦えているのですから、誇るべきなのでは?」


 ミカエルはまるでわからないといった表情でリーリエを見るが、リーリエは静かに首を横に振った。


「ううん。ダメなの。今のままじゃ、全然だめ………」


 リーリエはそう言って下を見た。


「イズモに負けた時思ったの。今のままじゃ、私のしたいことななにもできないって………」


 リーリエのやりたいこと。それは椿と一緒にいることだ。でも、


「椿は優しいから、私たちが足でまといでも傍に置いてくれると思う」


 でも、それだと椿にばかり負担をかけてしまう。


「私には、たとえ強くなくたって、一緒にいて欲しい大切な人達がいるから、私ももっと強くならないと、その人たちを全部失っちゃう………」


「では、どうするのですか?」


 ミカエルの問いに対し、リーリエは胸の前で手を握った。


「あなたはもう、私には勝てないよ………」


 ミカエルは、リーリエのその傲慢な口ぶりに眉を顰める。


「私の能力は、全て一段階パワーアップするから」


 その瞬間、リーリエの身体から先程までとは比較にならないほどの膨大な魔力が溢れ出した。


「精霊憑依」


 そして、リーリエの纏うオーラが変化した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ