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ただの事実

 リーリエが一歩踏み出した瞬間、ミカエルは全ての剣を発射した。


「"炎天蓋"」


 それを炎の結界によって全てを受け流す。


「っ!小細工を!」


 そう言いながらミカエルは再度剣を具現化し、リーリエに飛ばしてくる。


 リーリエは今度はその大量の剣を結界で防ぐことなく、羽を用いた飛行で全て回避する。


「なぜ、当たらないのですが!」


 ミカエルはまるで未来が見えているかのように回避するリーリエを煩わしく感じてきた。


「このっ」


 ミカエルは天に向かって手を向けると、巨大な剣を具現化し、リーリエに向かって振り下ろした。


「これならば!」


 勢いよく振り下ろされる剣。だが、リーリエはそれをいとも容易く回避した。

 そのまま接近すると、リーリエはミカエルのお腹の前に手を広げ、


「"獄炎"」


 炎を放った。

 咄嗟の回避もできず、状況判断も遅い。そして同じ技を我武者羅に放つだけの敵。


「あなた、弱いね」


 リーリエはそう、事実を口にした。


「弱い………ですと………?」


 ミカエルはリーリエのその一言に、肩を震わせている。

 それはそうだろう。ミカエルは三大天使としての自負もある。自分が天使族の中でも上位の存在であるという認識もある。

 そんなミカエルが、ただの妖精族に弱いと言われたのだから、怒らないはずがなかったのだ。


「あまり、調子に乗るものでもないですよ!」


 そう言いながらミカエルは再度剣を放射した。


「それはもう、見飽きたよ」


 都度三度目となる剣放射の攻撃。もっとバリエーションはないのかと、突っ込みたくなる。


「黙りなさい!私は!天使族の最上位に君臨する!三大天使のひとりですよ!」


「でも、私よりは弱いでしょ?」


 ミカエルの強さは、その圧倒的覇気による相手への威圧。そして存在感。

 今までミカエルと相対した相手は、邂逅するだけで、負けを認めていたのだろう。その存在感故に。

 だが、実際戦ってみると、ミカエルはイズモですら対処できる程度の相手だったのだ。


「だから、あなたじゃ、私には勝てないよ?」


 そう言いながらリーリエは右手に氷の、左手に炎の球を創り出す。


「威嚇のつもりですか?私には通用しませんよ」


 ミカエルはそう言いながら神域解放を使用した。これでミカエルのステータスは数倍に引き上げられる。


 だが、


「合成魔法ーーー"氷結風雪"」


 リーリエは限界突破を使用することなくミカエルに攻撃を仕掛ける。


「こんな子供騙し………」


 通用しないことを見せつけるために盾を一つだけ具現化して防いだのだが、その盾はものの数秒でいとも容易く破壊されてしまった。


「最後に、"断罪の雷鳴"!」


 その瞬間、現れた雷によってミカエルの身体は撃ち抜かれた………


「たったそれだけですか?」


 かに思われた。


「………えっ?」


 リーリエが呆然としたその瞬間、リーリエの身体は正面から吹き飛ばされた。

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