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ワクチン接種で寝込んでる間に部活の友達がみんなでラーメン食べに行ってたんだけど、酷くね?

「見事であったぞ」


 全てのアマゾネスが倒れ、観客席で傍観していたイズモが話しかけてきた。


「………イズモか」


「ん?お主、我のこと忘れていたのではないか?」


 勘のいい女だな。そう思いながら、椿はイズモを見る。


「で?追加のアマゾネスはもういいのか?」


 椿が煽るようにそう言うが、イズモは鼻で笑いながら


「いや、お主に新たな同胞を送ろうとも、一瞬で殲滅するであろうに………それに、気功術を習得した今、新たな同胞を送り込む必要はないのでな」


 イズモはそう言いながら席をたち、椿の目の前に降り立った。


「さすが、国最強ってところか?身のこなしも抜群だな………」


「世辞など言うでない。ところで、主は一週間の特訓期間を一瞬で消費したわけであるが、最後に、我の話を聞いてはくれんか?」


 まぁ、正直椿は速く帰りたい気持ちがあるが、別にイズモの話しを聞く程度ならさほど時間も取られないだろうと考えた。


「いいぞ」


「感謝する。では、また夜に………」


 そう言うと、イズモは奥へと引っ込んで行った。


「………あれ?ってことは俺って、夜までこの国で待機すんの?」


 その夜、椿はこの国で一番高い場所に立っていた。


「で?話ってなんだ?」


 椿の後ろでは、イズモが椅子に座っていた。

 机の上には幾つかの料理も置いてある。まぁ、焼いただけの肉とか魚とかばかりだけど。


「ふむ。そう警戒するでない。我はお主と少し話したかっただけ。故に、それほど重要な話がある訳でもない」


 嘘は言っていないようだった。


「たく………折角夜まで待ってやったのに、これで大した話じゃなかったら怒るからな?」


 椿の言葉にイズモは「カカカ」と笑う。実際、椿が怒って八つ当たりとして攻撃すれば、この国なんて簡単に崩壊するのだが、イズモはそれをわかっていながら、笑っているのだ。


 椿はため息を吐きながら椅子に座る。


「それにしても見事であったな。まさかこんなにも速く気功術をものにするのは………」


「まぁ、相手がよかったのもあるだろうな」


 だが、イズモはそうは思えなかった。椿のセンス、才能がそれを可能にしたのだと考えたのだから。


「お主になら、あれも攻略できるやもしれぬな」


 イズモは料理を口にしながらそう呟く。


「あれ?」


「うむ。はるか昔から存在する遺跡でな………今まで何人もの同胞が挑んできたが、攻略出来た者は居ない………ある者は二度と出てくることはなく、ある者は出てきたが、もう二度と内部へは入らなかった」


 それを聞いて、椿は予想した。

 九つの試練。それがこの国にも存在することを。


「その遺跡は、どこにあるんだ?」


 すると、イズモは笑みを浮かべた。


「なんじゃ?気になるのか?」


「当たり前だ。俺は、それと同類の試練を全てクリアするために旅をしてるからな」


「なるほど………あの遺跡は幾つかの種類があり、お主はそれを何種類か攻略しておるのか?」


「ああ」


 椿の圧倒的な強さ。これは、あれほどまでの難易度の遺跡と同種のものを攻略しているからなのかとイズモは判断した。


「わかった。我らにとっても、遺跡の中身は気になる………場所を教えよう」


 そうして、椿は帰る前に攻略すべき試練の詳細を聞いたのだった。

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