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諦めたらそこで喪女確定ですよ

評価・ブックマーク有難うございます。

 あの後どうしたのかはまるで覚えていない。

 いつの間にか部屋に戻って寝ていた。


 爆弾にも朝が来る。朝が来れば腹が減る。

 かなり空腹だ。あれから何も食べていないようだ。

 スージーに頼んで朝食を持ってきてもらう。

 部屋でもそもそ朝食を食べながら考えた。


 私の魔力が暴発しやすくなったのは昔やった魔力循環&発動前キープの所為だろう。体質だと思われたみたいだけど、それはそもそも幼児がそんな訓練をするなんて考えもしなかったからに違いない。

 だからまだ希望はある。

 別の魔法で発動前キープ訓練をすれば、今の状態を上書きできるかもしれない。

 そういうわけで朝食後やってみた。


 選んだのはボブが得意な眠りの魔法。ボブが使うのを見ていたので使えそうな気がする。それにこれなら万が一暴発してもファイアボールみたいな攻撃魔法に比べて被害が少ないはず。

 ボブに習うのはやめておこう。口実が思いつかないからね。とりあえずボブの魔法を思い出しながら見様見真似でやってみよう。


 睡眠魔法にはかける相手が必要。でも人間相手に試すわけにもいかないので庭で小動物を探す。

 まず見つかったのはアリ。最初はこれでいいかな。

 魔力を変調して……

 「眠れ!」

 動かなくなった。でも寝たのか、麻痺なのか、それとも死んじゃったのか分からないな。そもそもアリって眠るの? しばらく待って起きるかどうか見てみよう。


 アリの前でしゃがみこんだところで屋敷からわらわら人が出てきた。衛兵さん達だ。ばっとあちこちに散っていく。

 二人だけ私の方にやってきた。一人は副警備隊長さんだ。


「失礼します! この辺りで眠りの魔法の反応があったのですが、何かありませんでしたか?」


 おおう、忘れてた! 魔法感知装置があって魔法の発動は引っ掛かるんだった。私の身体強化や魔力纏いには全然反応しないからすっかり意識の外だった。


「え、えっと、私が魔法を使いました……アリさんにかけてみたんです……」

「成程、了解しました。

 おーい! 原因が分かった! 問題なしだ。撤収!!」


 衛兵さん達が戻って行く。副警備隊長さんだけが残った。


「僭越ながら申し上げます。我々は常に悪意ある者に備え魔法の使用を常時監視しております。先ほどの眠りの魔法は嘗てお嬢様の誘拐にも使われた危険な魔法。(いたずら)にその様な魔法を使われては困ります。我々としては攻撃だった場合に備え出動せざるを得ないのですから」


 めっちゃ怒られた。しゅん……


 そして気が付いた時には魔法をかけたアリを見失っていた……きっと死んでなかったんだ。目覚めてどこかに行ったんだよね。そうに違いない。よし、決まり!

 

 昼食後、気を取り直して部屋で発動前キープの訓練を始めた。怒られてしまったけど諦めるわけにはいかないのだ。

 でも魔法は洗浄魔法に変更しよう。これなら一応言い訳できる。夜に使うとおねしょしましたと言っているようなものだけど昼なら……あれ? そういえば私、以前は洗浄魔法の練習を夜、部屋でしてた! その時は何も言われなかったけど、もしかして“そう”思われていて、そっとしておいてもらっていた!? うわあ、恥ずかしい!


 兎に角訓練を始めた。始めたんだけど……

 キープは出来る。出来るけど身体強化を上書きしている気がしない。両方キープ状態になっているみたいだ。

 これは確認しないとダメかな。

 しょうがない。この状態から洗浄魔法を発動してみる。発動は一瞬だ、ちゃんとキープできてる。身体強化を発動してみる。やっぱり一瞬だ。キープが解除されていない。

 これじゃあダメだ。暴発する魔法が2種類に増えるだけだ。


 それじゃあ身体強化の出力調整を発動前キープできないか、とやってみたがこっちは完全な失敗。単独の魔法じゃないからだろうか?


 他に手は無い? もう出来ることは無い?

 うーん……

 考えろ私。諦めたらそこで喪女確定ですよ……


 なお衛兵さん達は部屋に来なかったし何も言ってこなかった。


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