二話 なぞなぞ
「はっ!これは申し遅れました。わたくし、アズリア王国の姫エリア・アズリアと申します。そしてこちらがメイ・ジェーム、王家直属魔導士ですわ。」
「ご紹介にあずかりました、わたくしメイ・ジェームがあなた様を転生させていただきました。」
魔女ってのは当たってたみたいだ。まぁ姫というのも先ほどの話を聞いていれば容易に察しが付く。
「本来ならば転生者様はこのように気絶することなく安全に転生させていただけたはずなのですが何故か上手くいっておらずこのような形になってしまい本当にすみません。」
「すべての責任は今回の転生を命じたわたくしにございます。転生者様誠に申し訳ございません。」
両者が顔を暗くして取り乱したことが嘘に思えるほど粛々と謝罪をした。
「とりあえず、今のところ不調はなさそうだから大丈夫だよ」
まだ目覚めたばかりだから正直断言はできなかったが、嘘は言っていない
「それよりもどうして自分は転生させられたの?」
「そちらにつきましてはアズリア姫の侍女、私ネッガーがお答えさせていただきます。」
さっきミーシャと呼ばれていた女性が水の入った瓶とコップをもって静かに表れた。
言い終えた後、こちらをどうぞと水を入れたコップを渡してくれて瓶をそばに置くと、さてと一息つき話し始めた。
「現在我らがアズリア王国のご息女様は姫様のほかにはおらずご子息様もいらっしゃりません。アズリア王国としてはお世継ぎは姫様のほかを置いてはいない状況です。王妃様もそちらについて大変苦労をなされました。姫様もご結婚なされる年になったこともあり王様王妃様そろって婿探しをなされていました。しかし、我が王国が大きいこともありなかなか難航しておりました。そこで近年増加している転生者に目を付けました。はじめこそ転生者は懐疑的な目で見られていましたがどの転生者様も大活躍しておりまして中には国に匹敵するほどの力を有する者もあらわれました。そして王様王妃様はその転生者こそが婿にふさわしいと考えたのです。」
確実に気のせいではないと思うのだが二人の態度とは違いさめた言い方で淡々と言って見せた。
お陰でこっちも話を冷静に聞き取れたが多くの疑問が同時に沸いた。
まず国が大きいならむしろ婿がいっぱいそうなのだが何故難航したのか、そして転生者が活躍しているのはわかるが素性のしれない男を何故いきなり婿にしてしまうのか。
それともある程度俺を把握したうえで転生させたのか?
一つ目よりも先にまずそれを思ったまま聞いてみた。
「転生者がどのようなお方なのかこちらは把握しておりません。転生者の活躍は本当に目を張るものでとてつもない魔力を保有していらしたりふしぎな道具を所持していたりはたまた強力な固有の能力を発動したりと我々の世界よりも圧倒的に勝る何かをもってして様々なことをやってのけております。先ほど国に匹敵する力といいましたが実際に仲間内だけの極少人数国家を形成しているものもいます。そしてそれでアズリア王国を含む大国と渡り合っております。その力に期待してというわけです。」
凄く説明してくれたがやはりどこか冷たい。話し方も親切に教えてくれたというより聞かれたからしょうがなくちゃんと説明したようだ。
実際のところさっきよりも多く答えただけで説明内容は大した変化はない。期待して外れるということが絶対にないと思っているのだろうか?それともこちらには話せない対策があるのだろうか?
さっきの二人とは違う雰囲気に今の状況の不安要素が刺激され置かれている状況の危険さが身に染みた。
第一そんな強力な力を持つものが素直に言われた通り結婚して本来望むように世継ぎとして動いてくれるようにできるものがあるのだろうか。
アズリア王国と匹敵するくらいの転生者が現れている時点でそこは問題になっているはずだ。
などと熟考に浸りそうになっているところ、表情に出ていたのか慌てて姫が声を出す。
「わたくし個人としましては、是非転生者様と婚約したいと思っておりますがもし転生者様がお断りになられても何かすることはございません。わたくしのほうでしっかり生活できるように基盤をご用意いたします」
「そうです!安心して下さい!確かにちょっと気絶させてしまったかもしれませんが私こんなあくどい魔女みたいな恰好していますが変な呪文なんかかけてませんよ!」
姫はいいとしてこの魔女意外と魔法は凄そうだけどお馬鹿さんなんじゃないか・・?
「とりあえず落ち着きましたら、お父様とお母さまとお話ししていただけませんか?」
やさしい笑顔でそう提案してきた。
もちろん断る理由はない。
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準備ができたら呼びに来てほしいとだけ最後に告げ三人とも部屋から出て行った。
まだまだ色々聞きたいことはあったが後でも聞けそうなのでとりあえず少し一人でいた。
結局よくわからないことだらけだな・・・
こっちの事情なんてお構いなしの召喚だし・・・・
ってもしかしてあれか?
冷静になり気を失う寸前までのことを思い出すと心当たりがあるのはあれだった。
いや、あんなので呼ぶなよな