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變前二首・清濁・珈琲・骨中一・盍順亡

變前

 其一 2025/5/21


○○●●●○◎ ●●○○●●◎

時方大漢漸衰微 不得長居合久期

○●○○○●● ○○○●●○◎

誰見隋唐終撫土 今無周輔汝應馳


【句形】

七言絶句、平起こり、上平5微(微)と4支(期、馳)の通韻。


【語釈】

不得一句…三国志演義「話説天下大勢、分久必合、合久必分」

周輔…「大啓爾宇、爲周室輔」


【訓読】

時は大漢漸く衰微するにあたり

合して久しきときに長居するを得ず

誰か見ん隋唐終に土を撫するを

今周輔なし汝まさに馳すべし


 其二 2025/5/24


○○○●●○◎ ●●○○○●◎

何須徒恐死生秋 漠漠玄文將出幽

●●●○○●● ○○○●●○◎

可惜出藍英傑譽 余難得見彼行遊


【句形】

七言絶句、平起こり、下平11尤(秋、幽、遊)


【語釈】

漠漠一句…九歌第四・懐沙「玄文處幽兮、矇瞍謂之不章」元から薄暗い所にあって見えなかった黒い模様が浮き立ちだす世の中となってきた。


【訓読】

何ぞもちゐん徒らに死生のときを恐るるを 漠漠たる玄文まさに幽をいでんとす

惜しむべし出藍 英傑のほまれ 余は彼の行遊せんを見るを得がたし


清濁 2025/5/24


○○○●●○◎ ●●○○●●◎

清流於穆濁流勞 義士稱貧自在高

○●●○○●● ●○○●●○◎

陶詠勸農猶足感 不離竿牘氣何豪


【句形】

七言絶句、平起こり、下平11尤(秋、幽、遊)


【語釈】

於穆…学問で身を立てる気位の高い連中は、形式ばった小綺麗な振る舞いをするばかりで今の世の中をどうしようという気概がない。

勸農…陶淵明はこの詩の中で高尚な学問をしりぞけて農業をあげた。

不離一句…荘子・列御寇篇第三十二「小夫之知不離苞苴竿牘」小人物の知恵は竹簡や荷物を扱うことから離れることがない。


【訓読】

清流のああ穆たり濁流の労 義士貧を称するもみづから高きにあり

陶の勧農を詠みしはなほ感ずるにたる 竿牘かんとくを離れずして気何ぞ豪たらん


珈琲 2025/5/24


●●●○● ○○○●◎

古者爲成道 今人求良陶

○○○●● ●●●○◎

洪荒興黑酒 活活夕流騷


【句形】

五言絶句、仄起こり、下平11尤(陶、騷)


【語釈】

古者一句…コーヒーは元々イスラーム神秘主義者の修行において用いられた。

活活一句…東晋・謝霊運・登石門最高頂「活活夕流駛」


【訓読】

古者成道のためにし 今の人は良きゑひを求む

洪荒黒酒におこり 活活として夕流さはがしむ


骨中一 2025/5/25


○○○●● ○●●○◎ ●●○○● ●○○●◎

賢愚從果別 賢性不常章 長變桑田石 逸爲春草霜

●○○●● ●●●○◎ ●●○○● ●●○○◎

獲麟何所意 習坎偶臻王 萬骨枯中一 無怨盡首陽


【句形】

五言律詩、平起こり、下平7陽(章、霜、王、陽)


【語釈】

習坎…落とし穴(苦しみ)を重ねる。落ちてさらに落ちる。


【訓読】

賢愚果より別れむ 賢性常には章らかならず 長じては変じて桑田の石 逸してはなること春草の霜

獲麟何ぞはかる所ぞ あなかさねてたまたま王に至る 万骨枯中のひとつは 怨むるなくして首陽に尽きん


盍順亡 2025/5/27


●●○○●●◎ ○○●●●○◎

百姓横行孰永昌 人夭松柏盍順亡

○○●●●○● ●●○○○●◎

何須汲汲問津苦 莱子軒昂非可望


【句形】

七言絶句、仄起こり、下平7陽(昌、亡、望)


【語釈】

老莱子…楚の隠者、老莱子は七十歳になっても親を喜ばせるためにおどけてふざけた真似をした。

問津…真理を究明する。桃花源記「後遂無問津者」


【訓読】

百姓横行していづれか永く昌んならん 人は松柏よりやわきになんぞ亡びに順ならざる

何ぞすべからく津を問ふ苦に汲汲たる 莱子の軒昂は望むべきにあらず

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