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春秋精圖・非俠・鐵斎・苗裔・改字功・變虎

春秋精圖


○○●●●○◎ ○●○○●●◎

春秋所語未精圖 千萬徒然政匹夫

●●○○○●● ●○○●●○◎

鍾意雖君難止恣 勿忘秦滅一人扶


【句形】

七言絶句、平起こり、上平7虞(圖、夫、扶)


【語釈】

千萬一句…秦の始皇帝といえども、無数の人間の決断と行為、歴史の前には単なる一人の人間でしかない。


【訓読】

春秋の語る所未だ精しきたばかりなし 千万徒然たれば政も匹夫たり

意をあつむれば君といへどもほしいままなるを止めがたし

忘るるなかれ秦は一人のたすけに滅ぶるを


非俠


●○○●●○◎ ●●○○○●◎

暴非王化俠非仁 好漢徒威疎濟民

●●○○○●● ○●●●○◎

復國遙於忠烈士 懷舊易水冷加嗔


【句形】

五言律詩、平起こり、上平11真(仁、民、嗔)


【語釈】

王化…君主による教化と徳治。

易水…史記・刺客列伝「風蕭蕭兮易水寒」


【訓読】

暴は王化にあらすをとこげは仁にあらず 好漢徒威きも済民にうとし

復国は忠烈の士にはるかなり 昔を易水に思へば冷たさいかりを加ふ


鐵斎


○○○●●○◎ ○●○○●●◎

風雲凝氣志如財 書畵魁夷萬感開

●●○○○●● ○○○●●○◎

鬱鬱蒹葭諸子遠 孜孜欣德詠興來


【句形】

七言絶句、平起こり、下平8庚(財、開、來)


【語釈】

鐵斎…五月四日、京都国立近代美術館の富岡鉄斎展を見に行った。富岡鉄斎は江戸末期から大正にかけての文人で、書と画にたけた。

孜孜一句…晋・陶淵明・答龐参軍「伊余懷人、欣德孜孜」


【訓読】

風雲気を凝りて志 たからのごとし 書画魁夷にして万感開く

鬱鬱たる蒹葭諸子遠し 孜孜として徳を欣べば詠興きたる


苗裔


○●○○●●◎ ●○○●●○◎

倭國先賢太伯孫 與南江域遠同源

○○○●○○● ●●○○●●◎

皆分神武高陽血 豈不誇民發自蕃


【句形】

七言絶句、仄起こり、上平13元(孫、源、蕃)


【語釈】

太伯…周王朝の王、古公亶父の子で呉国の始祖。倭の始祖ともされる。翰苑「文身點面、猶稱太伯之苗」

高陽…三皇五帝の一人、顓頊せんぎょく。楚辞中の舞台劇である離騒において主人公である伯庸は顓頊の子孫とされる。「帝高陽之苗裔兮、朕皇考曰伯庸」日本の風俗は江南を始めとする中国南部に大きく共通するものがある。


【訓読】

倭国は先賢太伯のこうまご 南の江域と遠く源を同じくす

みな神武高陽の血をかてり あに誇らざらんや民のはじめえびすよりするを


改字功


○●○○●●◎ ○○○●●○◎

韓越尊舊改字功 唯和疎古持如空

○○●●●○● ●●○○○●◎

方書必省必亡警 漢字宜征無妄崇


【句形】

七言絶句、仄起こり、上平1東(功、空、崇)


【語釈】

必亡警…魯迅は熱心な漢字廃止論者であり、「漢字不滅、中國必亡」と記した。


【訓読】

韓越旧を尊びて改字の功あり ただ和のみ古に疎く持すること空のごとし

書くにあたりては必ずかへりみよ必亡のいましめ 漢字宜しく征せんとせばみだりにあがむるなかれ


變虎


○○●●● ○○●●◎ ○●●○● ●○●●◎

深虞阿世失 磨才不宜時 徒大浩然氣 更懷變虎悲


【句形】

五言絶句、平起こり、上平1支(時、悲)


【訓読】

深くうれふ阿世の失 才を磨きて時によろしからず

いたづらに大きなり浩然の気 更におもふ変虎の悲しみ

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