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菠薐・尊夷・逆旅・今日逸・日没晩・寄大韓衆支持巴勒斯坦不羈之圖

菠薐


○●○○●●◎ ○○○●●○◎

原隰今肥収斂秋 夭夭青菜列閻浮

○○●●○○● ○●○○●●◎

好哉勇猛菠薐漢 寒日無如食去憂


【句形】

七言絶句、仄起こり、下平11尤(秋、浮、憂)。


【語釈】

原隰…原野と湿地。

大鈞…ろくろ、転じて造物主。晋・陶淵明・形影神「大鈞無私力」

閻浮…人間界。

菠薐漢…アメリカの有名な漫画に登場する船乗りの男、ポパイ。ほうれん草を食べて超人的な力を得る。


【訓読】

原隰げんしふ今肥ゆ 収斂しうれんの秋 夭夭たる青菜閻浮になら

好き哉勇猛たる菠薐はりやうの漢 寒日食らひて憂ひを去るにしくはなし


尊夷


●●○○●●◎ ●○○●●○◎

禮武如眞覆昔時 語源相似本同夷

○○●●●○● ●●○○●●◎

無羞勿曰孰從化 漢梏何常益國痴


【句形】

七言絶句、平起こり、上平4支(時、夷、痴)


【語釈】

禮武…朝鮮の礼と日本の武を対置させる。この二国は本来同じ言語を話しており、東夷として密接な関係を持っていたはずだが、のちの歴史はその過去を覆い隠してしまった。


【訓読】

礼武まことなるが如く昔時を覆ふ 語源相似にして本は夷なるを同じくす

づるなかれ曰ふなかれ孰れか化に従ふと 漢梏かんこう何ぞ常に益さんや国のしれもの


逆旅


●●○○●●◎ ○○○●●○◎ 

逆旅無恒涼變寒 陰風振野冒雲山

○○●●●○● ○●○○○●◎

虹蜺更添逐勝趣 嘻異何寧玄德間


【句形】

七言絶句、仄起こり、上平14寒(寒)と15刪(山、間)の通韻。


【語釈】

逆旅…旅館。このとき天地をたとえて言う。

陰風…宋・顔延之「陰風振涼野」

玄徳…天地を形作り存在させる霊力。老子「生而不有、爲而不宰、是謂玄德」


【訓読】

逆旅つねなく涼は寒に変ず 陰風野に振るひ雲を冒す山

虹蜺更に添ふ勝を逐ふ趣 ああことなれりいづくにかやすからんや玄徳の間


今日逸


○○○●● ●●●○◎ ○●○○● ○○●●◎

誰今能完逸 電網布山川 陶子窮相遠 無容謝氏仙


【句形】

五言絶句、平起こり、下平1先(川、仙)


【語釈】

無容…謝霊運の詩のように仙境の美しさにひたれる場所はなくなった。


【訓読】

誰か今能く逸をまつたうせんや 電網山川に

陶子窮まりて相ひ遠く 謝氏の仙をるるなし


日没晩


○○○●● ○●●○◎ ●●●○● ●○○●◎

開扉終至驛 雲海匿來暄 未遠杳冥盛 漸明休復根


【句形】

五言絶句、平起こり、上平13元(暄、根)


【語釈】

休復…万全な状態で戻っていくこと。易経・地雷復「六二 休復、吉」


【訓読】

扉を開き終に駅に至れば 雲海来たるあたたかさを匿す 未だ遠からずして杳冥盛りなるに 漸くあかきは休復の根たり


寄大韓衆支持巴勒斯坦不羈之圖


○●○○●●◎ ○○●●●○◎

煩熱荒涼率土濱 蒼黄治亂代當辛

●○○●○○● ○●●○○●◎

有情皆省韓三一 無義少知楚恨秦

○●○○○●● ○○●●●○◎

何易猖狂喪正道 何難不屈徹人倫

○○●●●○● ○●●○○●◎

超疆一志非苛政 邊土獨圖建肉林


【句形】

七言律詩、上平11真(濱、辛、秦、倫、林)


【語釈】

大韓衆唱道巴勒斯坦不羈之圖…https://heungcoalition.com/In-Solidarity-with-Palestine

煩熱一句…パレスチナの気候は過酷であり、滋味も乏しい。そして何もない砂漠が広く続いている。

楚恨秦…楚は秦に征服されてからも激しく抵抗し、独立の機運を保ち続けた。史記・本紀第七「楚雖三戸、亡秦必楚」


【訓読】

煩熱荒涼率土のひん 蒼黄たる治乱 代はからきにあたる

情あれば皆省りみん韓の三一 義なくして知るもの少なし 楚の秦を恨むを

何ぞ易き猖狂として正道を喪ふは 何ぞ難き不屈にして人倫をつらぬくは

さかひを超えて志を一にし苛政をそしるに 辺土ひとり肉林を建てんとはか

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