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雨轉晴・金默・巷想・睡欲・東門・壯神・蜩蟬

雨轉晴


●●○○●●◎ ○○○●●○◎

冽冽清暉潤外園 朝來豪雨手輕飜

○○●●○○● ○●○○○●◎

人情易亂蒼天恣 天泰民心無大昏


【句形】

七言絶句、仄起こり、上平13元(園、飜、昏)


【語釈】

清暉…晋・謝霊運・石壁精舎還湖中作「昏旦變氣候、山水今清暉」


【訓読】

冽冽たる清暉外園を潤し 朝よりの豪雨手を軽く翻す

人情蒼天の恣に乱れ易し 天泰ければ民心大昏無きに


金默


●●○○●●× ●○○●●○×

横溢千言無障誌 直言傾衆漸求利

●○○●○○● ○●○○○●×

至今誰解拈華笑 金默時成嘉遯至


【句形】

七言絶句、仄起こり、去声4寘(誌、利、至)


【語釈】

嘉遯…世を厭って生き方を正しくするための、好ましい逃避。易経・遯「昏旦變氣候、山水今清暉」

拈華笑…拈華微笑。言外に本当の意味を伝えること。


【訓読】

横溢せる千言障りなくしてしるさる 直言衆を傾けて漸く利を求む

今に至りては誰か解せん拈華の笑み 金の黙 時に成さん嘉遯の至り


巷想


●○○●● ●●●○◎

綽然天下歩 行樂一人愁

●●○○● ○○○●◎

大道存如是 惆悵難不留


【句形】

五言絶句、平起こり、下平11尤(愁、留)


【語釈】

行樂一人愁…唐・白居易・長安正月十五日「萬人行樂一人愁」


【訓読】

綽然たり天下の歩み 行楽一人愁ふ

大道かくのごときに存す 惆悵留めざることかたし


睡欲


●●○○●●× ●○○●●○×

睡欲頻生食後間 睡非如意是辛艱

○○●●●○● ○●○○○●×

身猶不恣況心里 忙下希歡春曉閑


【句形】

七言絶句、平起こり、下平15刪(間、艱、閑)


【訓読】

睡欲頻りに生ず食後の間 睡の如意ならざるはこれ辛艱

身すらなほほしいままならぬに況んや心のうちをや 忙下 春暁の閑を楽しむことまれなり


東門


○○●●●●◎ ○●●○○●◎

時如墜景不還元 天下萬民皆失尊

○●○○●○● ●○○●●○◎

好合清流消地上 攘夷號令致煩冤

○○●●●●× ○●○○●●◎

讒横緝緝傷眞士 風惑脩脩入小村

○●○○○●● ○○●●●○◎

身後無由知紊亂 希君我目掲東門


【句形】

七言絶句、平起こり、上平13元(元、尊、冤、村、門)


【語釈】

煩冤…唐・杜甫・兵車行「新鬼煩冤舊鬼哭」

東門…十八史略・臥薪嘗胆「抉吾目懸東門、以観越兵之滅呉」


【訓読】

時は墜景のごとく元にかへらず 天下万民皆尊を失ふ

好合の清流地上より消え 攘夷の號令煩冤を致す

讒のあふるるや緝緝として真士をそこなひ 風の惑ふや脩脩として小村にも入る

身後紊乱を知るに由なし 君をこひねがふ我が目を東門に掲げよ


壯神


●○○●● ●●●○◎

眼花愈益暗 病始覺壯神

○●●○● ○○○●◎

從昔所深恨 不全何盡辛


【句形】

五言絶句、平起こり、上平11真(神、辛)


【語釈】

眼花…目のかすみ。


【訓読】

眼花いよいよ暗きをす 病みて始めてすこやかさの神たるをさとる

昔より深く恨む所なり 全からぬは何ぞ辛を尽くす


蜩蟬


●○○●● ○●●○◎

夕歡蜩奏樂 朝轟萬蟬喧

●●○○● ○○○●◎

兩極窮斯季 都鍾窓外園


【句形】

五言絶句、平起こり、上平13元(喧、園)


【語釈】

蜩…ひぐらし。

蟬…せみ。みんみんぜみなど。


【訓読】

夕べにはひぐらしの奏楽をたのしむも 朝には轟けり萬蝉の喧しき

両極このきせつに窮まれり すべてあつまる窓外の園に

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